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2009年04月30日(木)更新

「謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA」 向井 万起男

謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA
向井 万起男


mukaibook

ゴールデンウィークの読書にお勧めの本です。

例のユニークな髪型で「日本人初の女性宇宙飛行士である向井
千秋さんの印象を一発で抜いた」旦那さまの新作です。
アメリカを訪れるたびに感じる非常に素朴な疑問を、丁寧にひ
もといていくのですが、そのプロセスに感銘を受けます。
1.
まず、現地に行ってみる。
2.
そしてそこで出会う人に疑問をぶつけてみる。
3.
さらにインターネットで調べてみて、知見を集めて見る。
4.
自分の興味に一番引っかかるWebサイトに対し、率直な質問メールを
ぶつけてみる。
5.
その返事から自分なりの答を見いだしてみる。

テレビが急激に普及した時期(私の成長期)には日がなテレビを見ていて
思考停止に陥ると親に揶揄されたものですが、現代におけるネットも同じ
かも知れません。
いつでもたくさんの情報が得られて世界が変わったとすら言われています
が向井さんのアプローチで言えば、殆どの人がやっているのは上記の「3」
のみなのかもしれません。

向井さんの本には圧倒的な「共感」と「感動」があります。
それは「1~5」のプロセスをきちんとたどって自分なりの結論を見いだし
ているからかもしれません。

多くの企業コミュニケーションはまだまだ「情報」を提供しているだけに過ぎず、
「検索」によって得た「知識」は明日にはまたすぐに忘却の彼方へと押し
流されていくのでしょう。

仕事や講演、セミナーなどで知り合う企業や団体の方のお話を聞いていると
その企業や団体ごとにユニークな魅力やアイディア、社会的価値をたくさん
感じます。そしてそこに関わる方々の姿勢や努力に共感し、感動します。
本当は別にWebでなくても良いのだけれど、なんとかそれらの良い事を、
良く伝えたい、と思います。わたし自身が企業コミュニケーションやPRの
仕事が好きな理由はそんなところにありますし、オンラインに注力するのは
経験を活かせるからにすぎないのかもしれません。

前回のエントリーでは「Webリニューアルをやめろ」と書きましたが、それは
コミュニケーションのアプローチがツールに頼ってインスタントに片寄り過ぎ
ている場合が多いからなのです。
自分たちが大事にしている価値はなんだろうか?それをどう伝えたらいいのか?
向井さんほどまでに、とは言いませんが、しっかり咀嚼する癖を取り戻すため
にも「考える楽しさ」や「伝える楽しさ」を読んでみて下さい。

きっと何かヒントを得られるはずです。
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