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2010年08月27日(金)更新

国際競争力と今、意識しなければならない働き方

今週の23日の日経夕刊のコラムに、JR九州会長の石原進さんの
「内向き」と題された文章がありました。

海外に出てチャレンジする若者が減っている、とういうもので、ます
ます日本の国際競争力が衰退するのでは?と憂いていらっしゃる。

奇しくも今週、同じようなメールを友人からもらいました。
彼はオーストラリアに転勤しているのですが、息子さんが参加してい
る学校のオーケストラの発表会のこと。
ソロピアノを弾いたのは中国人でものすごく優秀だったそうです。
ひいてはスポーツでも学業でも、どんな分野でもトップになるのはチャ
イニーズ、インド人、韓国人ばかりで、日本人はどの分野でも揃って
中の上に固まるもののトップになることはなかなか難しいというのです。

それでも、そんな世界の状況を知らず、狭い日本の社会の中だけで
すごし、何故自分がなかなか望む仕事につけないのか?理解でき
ないままの人も一杯いるのだから、まだその緊張感が感じられるだけ
幸せかもしれない、とこぼしていましたが、確かにそうかもしれません。
石原さんはコラムの中で、
「基礎学力があれば言葉の壁は何とかなる。むしろ論理力や数学の
力が大切だ」
とおっしゃっています。

学ぶことに加え、それを国際社会で活かすためには以下の3つのこ
とが重要だと思います。

1.多様性の理解
自分のルールが通用しない世界も存在します。
まずはさまざまな価値観を理解し、その違いの中から生まれる成果
(ケミストリー)を尊重するところから新しい考えやモノが生まれて来る
気がします。

2.コミュニケーション能力
純粋な人への興味や理解はポジティブな協調を生みます。僕自身が
外資でさまざまな国の人たちと働いて感じたことは、考え方や発想
などは違っても、根本的な人間の感情は(当たり前のことですが)
変わらない、ということです。
コミュニケーションはさまざまな偏見や思い込みがなければ意外と
スムーズに行くものだと感じました。

3.クリエイティビティ(創造力)
海外で学ぶことの一番のポイントはここにあるかもしれません。
働き始めたとき、海外の上司にいわれて一番きつかった言葉は、
「お前はまじめでとても役に立つけど、発想は中庸で、あまり刺激的
ではなかった。次回こちらに来るときは何かサプライズを見せてくれ」
というものでした。
もちろん帰りの飛行機はうなだれっぱなしで、本当に翌年もういちど
機会をいただくまでは「どう驚かせれば良いのか?」真剣に悩みま
した。(真剣に悩むのが良くない、とも言えましたが)

発想はいきなり天から降りてくるものではなく、どれだけ発芽を誘発
する引き出しを持ちえているか、という所に大きなポイントがあります。
同じテレビや雑誌、ネットの情報を見ていてはどうしても視野狭窄、
そして多様な価値観を受け入れることはできません。

多少扱いにくい存在かもしれませんが、私の経験した外資の会社に
はそういう面白い人間味に溢れた人がたくさんいました。

なかなか閉塞感を打破できずにいる今のわたしたちの社会ですが、
JR九州さんだけでなく、企業も自らの存続のためにもチャレンジする
気持ちのある若い人たちをサポートしていただきたいと思います。
そして私自身も、広報や企業コミュニケーションの見地から「開かれ
た社会」とのインターフェイスを作ろうと考えています。
近々その詳細はお話します。
少しでもチャレンジのサポートになれば、とおもいます。