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2010年08月06日(金)更新

夏を拾いに~森 浩美 (著)

いやあ暑いですね。
昨日仕事で福岡に行ってきたのですが東京以上でした。。。

昨晩は仕事が終わってから博多ラーメン食べに行きましたけど
熱帯夜は日本というより、もはや「アジア」な感じでしたよ。

ところで出張の行きかえりの時間つぶしに文庫本を買ったのですが、
ちょっと良かったのでお勧めします。

夏を拾いに (双葉文庫) [文庫]
森 浩美 (著)


内容は私と同世代のお父さん(40代後半)が小学生の息子に自分の小学生の
頃の思い出を語る、というシンプルな内容ですが作者自身が「スタンドバイミ
ー日本語版」とあとがきで書いているように、懐かしさとともに忘れ去られた
(笑)その頃の感受性を思い出させてくれるものです。

嵐を呼ぶ感動巨編、というわけではないですが、シンプルなストーリーだけに
細部の表現が光り、2~3時間、昭和40年代にタイムスリップできます。

森さんは放送作家を経て作詞家、トシちゃんの「抱きしめてTONIGHT」やSM
APの「青いイナズマ」などを書かれ、文筆業に入られました。

作詞家らしく文章が素直で日本語の正しい表現を心がけているせいか、昨今で
は入試問題などにもよく取り上げられているそうです。

そういう意味で「毒」の少ない本ですが、普段ビジネス系の本ばかり読まれて
いる方(自分も)には毒気抜き、ということでお勧めします。

こちらもいいですよ↓(こっちを先に読みました)

家族の言い訳 (双葉文庫)
森 浩美 (著)


たまにはブログで読書感想文でも書いてみませんか?夏休みの宿題です(冗)


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2010年06月04日(金)更新

雑誌「PHOTOGRAPHICA」19号

写真は好きですがあまりうまくありません。
昨日の展覧会もそうですが、ここのところ写真雑誌や展覧会を
よく買っています。

今日は午前中に大型書店でブレストウォーキング(本を見ながら
歩くと発想がわく)をしていたのですが、偶然目に留まった写真
雑誌が「PHOTOGRAPHICA」19号でした。

前号は4月に見に行った写真美術館の森村泰昌の作品の特集
でした(会場で売っていた図録のほうが断然良いですが)。
今号の特集は「日本人の肖像」。

photographica

これがすばらしい!「うめかよ」さんと「荒木経惟 」さんの2本立て。

「うめかよ」さんといえば、じじいの頭の上にバナナやセミの抜け殻
乗せて写真とってしまう人ですが、被写体の子供や老人が心を
開いているのが伝わってくるんですね。
まるで親子で写真を撮っているようです。

荒木経惟 さんの特集も画期的なのです。
一昨年に熊本市現代美術館で開催された「熊本ララバイ」の母子像
が特集されています。
これは先日日比谷のギャラリーで数点だけ見ることが出来たので
すが、熊本展の目録は当時の会期中に売り切れ、現在ヤフオクで
2万円近いプレミアが付いています(異常)。

赤ちゃんを抱いたお母さんのヌード。でもそこにあるのは母ではなく
「女」。これは荒木さんにしか撮れないのでしょうね。

現物は等身大以上の大きさのプリントでしたが、本でも十分楽しめ
ます。ヤフオクに手を出さなくてよかった(笑)。

2010年03月15日(月)更新

好きな仕事をしている人の眼は輝いている

週末までつぶして稽古に励む娘を持つと、家族で出かける機会が
だんだんと少なくなりますね。
受験も同じかもしれません。

この週末はたまたま1日レッスンがないということで、お気に入りの
文房具を探したいという娘と連れ立って久しぶりに街歩きをしてきま
した。
渋谷のハンズやロフト、109(ひとりでは入れません)の雑貨屋さん
などを覗いて下北沢へ。
下北沢も久しぶりに歩くとお店の入れ替わりがずいぶんと進んでい
ました。やはり昨年の市況の波が影響していたのかもしれません。

本多劇場の脇からタウンホールに抜ける高架の横の道に、見慣れ
ない古本屋が出来ていました。

いかにも倉庫をそのまま借り上げました、という天井の高いゆったりと
した空間に、足元からびっしりと積み上げられた本がどっさり!
しかも「下北沢」にぴったりな美術、演劇、文芸系のものばかり。

おもわずほほも緩むその書店の名前は「ほん吉」

おもわず娘に小遣いを渡し、近くのコンビニでおやつを買って来い、と
言い渡してそのジャングルの中にしばし入り浸っていました。

みたところ、わりと若い女性がひとりで切り盛りしていらっしゃる。
聞けば元々美大を出て仕事をし、途中で古本屋さんに勤め、そこから
独立開業されたのだそうです。

http://shimokita.keizai.biz/headline/359/

昭和初期のカストリ雑誌から、個人のスクラップまで、面白そうなもの
が見切れないほどありました。また改めて時間をつくって掘りに行こうと
思います。

先日、青山の「オヨヨ書林」が金沢へ転居してしまい、中目黒にはカウ
ブックスとアートバードがあるものの、美術関係に強い古本屋さんが
身近に少なくなったので、これは嬉しい発見でした。

今年は久しぶりに軽井沢の聖地、リンドウ文庫に行きたくなりました。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000158.html

2010年01月12日(火)更新

「My Credo (マイクレド)」浜口 隆則、村尾 隆介 (著)

「クレド」は良く「信条」と訳されることが多いのですが、外資系の企業と
お付き合いが多い私にすぐ思い出されるのは、ジョンソン・エンド・ジョン
ソン社です。

J&Jでは、まさにそこで働く全ての人のコアバリューとして「わが信条(ク
レド)」というものを共有しています。

http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html

企業規模の大小に関わらず、最近は業績そのものよりも、経営者も含めて
働く人の意識によってわずかなほころびからあっという間に会社そのものの
存亡に関わる事件や事故につながることも少なくありません。
私自身がここ何年か、海外の企業コミュニケーション関連のコンファレンス
に参加していても、「社内コミュニケーション」や「価値の共有」といったものの
重要性を問う機会が非常に増えてきたように感じています。

この本は企業や組織というよりも、どちらかというと個人に根ざして書かれて
います。

mycredo
ワークシートも付いていますし、ある意味自己啓発系の本だ、と言ってしまえ
ばそれまでです。

ただ、読んで作者の方々に非常に共感を覚えたのは「社会の変化の捉え方」
の的確なところです。

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社会の変化が直線的で連続した時代から不連続な時代へ移行している。

しかし、一個人として、常にそのように変化対応を迫られても、なかなか
すべてこなしきれるものではなく、とても疲れる。

社会はすでに全体主義から個人主義の競争に変わっているので、今まで帰
属していた共同体はもうあなたを癒してはくれない。

それを他人事としてみれば、社会規範の希薄化が進むので個人で抱える
悩みが増えることになる。

流されないためには、自分のルール(軸)を持ち、しかしそれがひとりよがりに
ならないように相対比較できる基準を持つコトが肝要だ。
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というような流れです。

オチを書くのはやめておきます。
しかし後半に友人の名前とともに非常に染みるエピソードも出てきました。

単なる自己啓発ではなく、「ひとり広報」など、組織に立ち向かって奮闘してい
る人には、自身と組織、会社とどう関わり、アクションを起こしていけばよいのか、
そんな読み方も出来る本でした。

2009年12月09日(水)更新

東洋経済の「中古品」特集が面白い

今週の東洋経済は「中古品」特集。今までにない視点でとても面白
かったです。
わたしたちの親の世代などが根強く持つ「新品信仰」のようなものも
だいぶ薄れてきているのですね。
また、環境や「モッタイナイ」も拍車をかけているかもしれません。

弊社のオフィスはほとんどの家具(机や椅子、棚、ドロワーなど)が
中古で買い揃えたものです。
椅子は海外のメーカーのものですが、それでも定価の3割程度の値
段でした。じゅうぶんにキレイで丈夫ですから、まったく問題はありま
せん。

また、オフィスにいらっしゃるお客様のための「言い訳」ですが、1000
枚を越すCDも、ほとんどが中古で集めたものです。
(これらもデータサーバーに送り、また半分以下ぐらいになるでしょう)

元々工業デザイナー出身で「モノ」を生み出すことを生業としていまし
たし、今でも「モノ」の「デザイン」や「機構」が大好きです。
そんな私はいざ知らず、体育大出身の家人もなぜか「モノ好き」とあっ
て、ただでさえ狭い家は雑多な、しかし「一体どこでこんなもの見つけ
たの?」というようなもので溢れています。

しかし10年前に子供が生まれ、その勢いはだいぶ治まりました。
今は子供の使い終わったおもちゃとともに、大人の「なぐさみもの」
も徐々に整理をすすめています。

それでも電気ポットが壊れる、靴が傷む、など、必要に駆られてもの
を買うことはあります。そんな時、この東洋経済の特集にもありますが、
やはり

「ネットでの情報収集」

ははずせないでしょう。

価格コムによる「最安値情報」と「クチコミ」のハイブリッドに限らず、
加えてヤフーオークション、さらには複数の大手オンラインショッピング
サイトを横断検索できる「ショッピングサーチ」というサービスもあります。
(これはとても便利なのでぜひ試してみてください)

私はものによるとこれに加えて海外のショッピングサイトやオークション
サイトも見るようにしています。

このように横断的に情報を見ていくと「モノ」の生まれや流れが見えてき
ます。

「オリジナルな商品」→「安価な競合商品」→「すれすれのコピー、バッタ
モノ」→「小さな企業によるオリジナルな高付加価値商品」→「オリジナル
の海外生産移管製品」→「在庫調整品」→「中古品」

どのポイントで買うのか?もしくは今見ているのはその状況のものか?
など見えてくるようになります。
(実際にはこのようなマーケット調査のみで「クリック」はしませんが)

さて、巷は贈り物やギフトの季節ですね。
ことしは「中古品」とばれないように賢い買い物をされる方が増えそうです。
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