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2009年03月21日(土)更新

ビジネスコミュニケーションとデザイン/ビジュアル表現

先週はレギュラーの宣伝会議インターネット広報講座の4回目で
「ウェブにおけるデザイン/ビジュアルの重要性」というお話を
しました。

自分自身が企業広報出身ということも有り、できるだけ技術寄り、
制作寄りにならず企業担当者視点でお話しするようにするため、
数多くの事例を紹介しながら自社の課題に鑑みて「考えるきっか
け」を持っていただくように心がけています。

宣伝会議さんのセミナーの良いところは、毎回講義終了後に参加
者にアンケートを書いていただくようになっている事で、これに
より参加者や参加者の上長の方も、どんな学びが有ったかを知る
事が出来ますし、なにより講師としては数多くのフィードバック
から何が興味に合ったのか理解する事が出来ますので励みになる
だけでなく、次回への改善の拠り所になります。
今回の「デザイン/ビジュアル」の講義は、ウェブ制作側から言
うところの「アクセシビリティ」や「ユーザビリティ」、「ユー
ザーエクスペリエンス」などのロジックを超えて、純粋に人々の
興味を喚起する「デザインやビジュアルの力」を紹介しました。
そう言う意味では、一般的なウェブ関連のセミナーとは視点が違
い新鮮に捉えていただけたようで、フィードバックも大変好評で
した。

達成感と空腹を抱え夜遅く帰宅したところ、その日の日本経済新
聞の夕刊に、アートディレクターの佐藤可士和さんのコラムが有
り、とても興味を引きました。

「人間の意識は本来、他者との共通性を徹底的に求めるもので、
それを確保するために言語の論理や文化、伝統がある。」

「元々デザインとは社会的な行為であり、個性一辺倒では成り立
たない。」

なんというシンクロニシティ。
これらのコメントは私がセミナーで紹介したレイモンド・ロウィ
ーの話とも呼応するものでした。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html

共感されて初めて成り立つのがコミュニケーション。その意味で
言えば企業コミュニケーションにおけるデザインやビジュアルの
理解はまだまだだと思います。

企業広報担当者とデザイナー、クリエイター、カメラマンの仲立
ちをしたいと考え、このような活動をしています。
セミナーに関わらず、デザインやビジュアルのインパクトをもっ
と活用したいと考え、悩まれている企業の方はぜひお問い合わせ
下さい。徹底的に判りやすくお伝えできると思います。
(もしくは来期の「インターネット広報講座」にご参加下さい/笑)

2009年03月10日(火)更新

毎週セミナーが続きます

2月からほぼ毎週「インターネット広報」関連のセミナーが続いて
います。

先にお知らせした経済広報センターの宿泊研修に続き、もう4期目
を迎える宣伝会議主催の「インターネット広報講座」(10回シリ
ーズの半分の5回を担当させていただいています)、3月に入り、
先週は日本経営協会(関西本部)主催の2日間(12時間!)の総
合講座、今週は明日、宣伝会議九州主催で半日のセミナーを実施し
ます。(福岡にとんぼがえりになります)
この間、企業向けの出向セミナーも数回ありましたので、すでにセ
ミナーだけは昨年をかなり上回るペースとなっています。
都合、年間500名以上の企業広報担当者の方とお会いできるとい
うのは。それだけ現場の方々の意見を聞けるチャンスでもあるわけ
で、これがモチベーションになっているといっても過言ではありま
せん。
しかしネットはまだ商用活用が始まって15年にも満たないメディ
アです。
ましてや広報での活用となると、まだまだ会社案内の電子化やニュ
ースリリースのアーカイブ程度にしか使われていないのが現状では
ないでしょうか?

私たちは過去10年にわたり、企業のウェブ活用に関わってきまし
た。お客様が私たちに求めるものはアドバイスやプランニングに留
まらず、ウェブサイトやイントラネットの企画や開発、運営管理な
ど多岐にわたりますが、それらのお仕事のご縁をいただく契機は、
やはりセミナーがほとんどです。

当初はとにかくウェブを作ってくれ、という話がほとんどでしたが、
最近は課題の解決とともに具体的な費用対効果も問われるようにな
ってきました。それにあわせて弊社の業務もお客様の置かれている
状況にあわせ、いきなり大規模なリニューアルよりも、まず広報と
してきっちりと結果の出せるオンラインPR施策の提案に集中する
ように変化してきました。

いってみれば「オンラインメディアリレーション」、「CSR」、
「危機対応」、そして「社内コミュニケーション(イントラネット
)」などです。
このように手元の業務から広報のオンライン化を促進し、企業全体
のオンラインコミュニケーションを最適化する方法は、その浸透ま
でに時間が掛かるかもしれません。
しかし広告やキャンペーンモデル(マーケティング)と違い、継続
性を旨とする広報業務であれば、いきなり大上段に「戦略」と謳う
よりも、このようにねちねちとやっていくほうが(笑)担当者の意
識やモチベーションが持続し、結果としては発展的にその企業のオ
ンラインコミュニケーションを向上させていきやすい方法だといえ
るではないでしょうか。

2009年03月02日(月)更新

「広報会議」4月号に記事掲載されました

宣伝会議さんの危機管理・広報PR・IRの専門誌、「広報会議」4月号にて

「コスト削減とリニューアルを両立するには」

というタイトルで2ページ、記事を書かせていただいた。

kohokaigi4

昨今のような市況の厳しい時期に、ただ「予算を絞られた」と身動きできな
い状況でいるのではなく、どんな一歩を踏み出せばよいか?というような
ヒントにつながる内容となっている。

http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/index_0904.html


余り推奨しないが(笑)私のページはPDFで公開されているので読んでいただきたい

本当は以降のページの内容も良いのでぜひ書店で手にとって(できれば
購入して)欲しい。

2009年02月18日(水)更新

経済広報センター:企業広報フォーラム「インターネット時代の企業広報」

今週は月曜日、火曜日と一泊で日本経団連、経済広報センター
研修セミナーで御殿場にある経団連ゲストハウスに行ってきた。

参加企業数12社のこじんまりしたフォーラムであったが、ひと
つのテーブル(部屋)で顔が見える規模、というか、それぞれの
参加者が十分意見を言える人数だったので、一方的にならず、
とてもプロダクティブな研修になったのではないだろうか。

kkc0
2日間のうち、私自身の講義は2時間、あとは参加企業ごとの
ウェブ活用の状況紹介、課題の投げかけ、もう1社ゲスト企業
の活用事例報告、相互の質問タイムなど、食後の歓談タイムも
含め、わりと自由な時間が多く取れたので本音レベルの語らい
が沢山できたのが収穫だった。

実はこのゲストハウスは設立されて22年だそうだが、来月で
閉館されるそうだ。お食事などでお世話になった東京會舘の
方々のホスピタリティがいつも以上に熱く感じられたのも気の
せいではないのかもしれない。
(シャンパンに合うから、とデザートのイチゴをバーにお持ち
ください、と勧めてくれた。今までそんなことはさせなかった
そうだ)
kkc1

なくなるとわかればことさら惜しいが、入り口の吹き抜けに
かけてあった東山魁夷先生のタペストリーの行方が気になる
ところだ。(笑)

kkc3

充実した2日間ではあったが、とんぼ返りの旅程であったため、
温泉で足を伸ばす、という余裕がなかったのが少し残念だった。

来年またご縁をいただけるようであれば、ぜひ温泉つきをご一考
願いたい。よろしくおねがいします!

2009年02月08日(日)更新

日本を世界に売り込める人が誰もいない

1月の終わりにジャパンビジネスプレスに「さらばジャパンミッシング
世界に情報発信できない経済大国を憂う」という黒川清氏のコラム

読んだ。

黒川氏は政策研究大学院の大学教授でいらっしゃるほか、日本学術
会議会長や、総合科学技術会議議員、内閣特別顧問などを歴任され、
ダボス会議などにも参加されている方だ。

コラムを要約すると、

・ 日本は世界からは何を言っても反応のない国と思われ始めた
・ しかもこうした状態に多くの日本人自身が気づいていない
・ だから日本を世界に売り込む・発信する人がいない

ということだ。
先日のガラパゴスと呼応するが、企業(経営)広報:コーポレート・
コミュニケーションの観点から見ると、日本企業の取り組みは本当に
まだまだだ。

昨年IABCに参加したとき、アジア分科会に来たIABCのトップ
の方々のコメントが象徴的だった。

「日本から来たのはあなたね。ひとつ質問があるのだけれどGDP
バランスから見ると、なぜ日本だけ突出してこの会議に参加する人
が少ないの?」

すなわち黒川氏のコラムの通り日本の存在感が「ミッシング」なの
だ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/100/10010113.html

近々具体的にお話させていただくが、今年も6月に開催されるIA
BCのグローバルコンファレンス(サンフランシスコ)
に参加する
予定だ。
昨年参加レポートセミナーを実施したせいか、すでに複数社の企業
広報担当者の方から「今年は一緒に参加したい」というご連絡を
(私自身の登録より先に)いただいている。

昨年は日本からの参加者が2人だけだった(それ以前はほとんどい
なかったようだ)のでとても嬉しい。

こんな時代だからこそ、企業として海外にきちんと会社の事業や姿
勢を訴えて行く事が重要になると感じている。

今の企業のPRはメディアリレーションも殆ど国内が中心で、海外向
けには良くてリリースを打っておしまい。ウェブサイトも英語版会
社案内の域を出ていない。これでは会社の思い(存在)を伝える事
は難しいばかりか、ビジネスにつながる反応が得られないのも当然
だ。

広告だけではブランド形成が難しいと言われる現代、ネットをうま
く活用したPR(戦略的オンラインコミュニケーション)が重要にな
る。
IABCはその一歩に過ぎないが、ネット時代に通用する広報人材や組
織の育成を通じて世界に日本(企業)を売り込むお手伝いをしてい
きたい。
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