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2006年11月15日(水)更新

メディアビジネス論@慶応義塾大学湘南藤沢校

本日はキャリア開発の第一人者でもある友人の小杉先生にご縁をいただき
慶応義塾大学SFCにて、講義を持たせていただいた。

このシリーズに参加するのは2度目だが、今回も500名近く入る大きな
教室がいっぱいになるほどの学生が集まり、こちらも少々緊張した。

よく考えると、普段のセミナーでもなかなか500人という人の前では話
をする機会はない。

変化するビジネスコミュニケーションというテーマで、企業広報にとって
の業務がオンライン(インターネット)によってどう影響されるのかなど
を話してきた。
前回は3年前だったが、このときはまだ学生の興味に追いつかなかったのか、
あまり質問も受けなかったように記憶している。

今回は次の先生に「そろそろ出てってくれないか」と言われるまで質問の学
生が途切れる事がなく、教室の横の廊下でも10分以上答えていた。

変化はそれだけではない。今回教室でノートPCを広げている学生が半分以上
いたのではないだろうか?
教室は無線LANが走っているし、加えて「MIXIやっている人」という質問に
はほとんどの学生が挙手していた。

冒頭で「マイミク募集中だ」と言ったら、4人も申請メールを送ってきてく
れてとてもうれしかった。

まだまだ既成の職能にとらわれない大事な仕事や役割が企業には増えてきて
いる。
私の狙いは、学生のみなさんが、そんな既成の役割を担うために社会に出る
のではなく、自らが仕事を作り、ポジションを作っていてほしい、というと
ころにある。

2006年11月14日(火)更新

企業のロゴとその取り扱い

昨日の続きになるが、企業や団体のロゴは単にデザインの問題
では済まされない、CI(コーポレートアイデンティティ)という上位
概念が存在する。

なぜそれに意味があるかというと「マークをつける」事に責任が発
生し、それが企業信用を築くためだ。

CIプロジェクト、というと、ロゴそのものばかりに注目が行ってしま
うが、

「なぜこのマークに変えるのか?」

「このマークが体現するのはどんな思いなのか?」

という意識の共有が大事だ。
CIプロジェクトを行う企業は、この前段の部分から論理的に要件を
詰め、それをデザインに落としていく。

また、デザインを決定した後には、具体的には「ロゴ規定」とか「ロゴ
・ガイドライン」と呼ばれるものが作られる。

しかし大概のCIプロジェクトは規定まで作って一応の完結を見るが、
ロゴの規定は実は生き物のようで、メディアの変化や事業の変化、
経営の変化などに合わせてメンテナンスしていく必要があるのだ。

だが、現実には、多く企業でこの規定が崩れ他ままになっている。

現在もある企業のロゴ・ガイドラインの策定をお手伝いしているが、
その背景にあるのは経営環境の変化、端的に言えば数年前に外資
に買収された、という事実がある。

企業WEBサイトにも継続してユーザーと関係を気づいていく、という
面の意識が必要だが、ロゴひとつ取ってもそれは同じなのだ。

すなわち、コミュニケーション全幅を統括するマネージャーの必要性
が顕在化してきているのだ。

上記のロゴ規定のチューンアップの仕事はとても地味だが、やりが
いがあり、そこに多くの意味が汲み取れる業務だ。

2006年11月13日(月)更新

千葉県のロゴ問題

千葉県の新しいロゴがだいぶ話題になっているようだ。

中條さんという有名なグラフィックデザイナーが作ったものだそうだが、
これに対し、県民側からの反応は、やはりネガティブなものが多いよ
うだ。

この話題は先週からMIXIの企業ロゴトピックなどでも盛り上がってい
たが、週末にはとうとう一般紙でも取り上げられていた。
(一般紙もネットでネタ拾いしているので当然だが)

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kouhou/logo/logo061102.html
思うところは、このデザインだけを見て、好き嫌いを論じることの危険性
である。
ロゴは本来、物や企業、団体の信頼や品質の証として存在する。
どう使われるのか、という適応例を見せてもらえば、そんなに奇異に見え
ないかも知れない。また、ロゴ単体としては目立たなくても、何かの上に
表した時フィットする、ということもある。

ロゴ単体での好き嫌いも良いが、ある程度ありきたりでない、チャレンジ
の多いデザインを採用するのであれば、これだけ騒がれるのは予見できた
のではないだろうか。
日本でこのようなことが起きるたびに、「デザイナーというのは我々一般
市民に理解できない事をやる」というような意見が出るのが悔しい。
それこそはデザインに対する誤解の最たる物だ。
デザイナー本人にその誤解を解く責務はないのかもしれない。

そこでもまた、デザインの本当の価値を誤解なく皆にわかってもらう翻訳
者のようなミドルマンの存在が求められているのだ。

「こんな見方をしたら、このロゴはこんなに親近感がわくよ」ってひとこ
と言える人がいたら、中條さん(デザイナー)の挑戦は功を奏するのに。

2006年11月10日(金)更新

クリスマスはダメよ

ある外資系企業から、

「12月の中旬の土曜日に社員の家族に向けたオープンハウスを
企画したいのだけど、取り仕切ってくれるイベント業者を紹介して
ほしい」

と言われました。

家族を招いてちょっとしたパーティーとともに、お父さんやお母さんが
どんなところでどんな仕事をしているか紹介しよう、というものです。

外資系だし、このタイミングですから、紹介した業者の提案は、

「クリスマス・オープンハウス」

というものでした。

まあ、むべなるかな、というところですよね。

しかしこの会社の回答は「NO」でした。
ワールドワイドな会社で、インド人やイスラム系の社員もいるわけで
すから、特定宗教や習慣に根ざしたイベントはできない、というもの
です。

いわば、徹底した「Diversity(多様性)」を遵守する、という姿勢を持
っているんですね。

普段、ぼーっとハロウィンをやり、クリスマスをやり、初詣にいき、
そしてまたバレンタインをやる日本人には、意識が働かないところかも
知れませんが勉強になりました。

2006年11月08日(水)更新

史上最大のXマス作戦

インターネット以前の時代、たとえば30年ぐらい前まで、これらのアメリカの
デパートのカタログはひとつのエンターテイメントといえるぐらいの充実度が
あった(厚さが3センチぐらい)。

中でもニーメン・マーカス。
ニーメン・マーカスといえばアメリカの三越のような老舗の百貨店。
ここのクリスマスカタログは、毎年おおきな目玉商品のあるユニークなもの。
見ているだけで楽しい、なんて余裕はなくなる大変危険なしろものです。

数年前の目玉は、
「あなたのうちにエルトンジョンが来て、好きな曲を一曲歌ってくれる権利」
(1名さま限定)
というものだった。値段は忘れましたけど。。

今年は、バージン・ギャラクティック航空でいく宇宙旅行。
6名さまパッケージで約200億円。

あなたもいかが。


http://www.neimanmarcus.com/store/sitelets/christmasbook/christmasbook.jhtml?RFX_Res=high

ニーメンマーカスクリスマスカタログ

2006年11月06日(月)更新

11月のブランドショップとは?

週末に、銀座の松屋で友人のニット(草木染セーター)作家が新作の販売を
かねたお披露目をやっているので見に行ってきた。

ついでに、1階のブランドショップやジュエリーショップをぶらぶらと眺めてきた。
自分ではこのようなお店の商品を買う機会はないのだが、たまに定点観測
するとブランド企業のマーケティング意図が伝わってきて面白い。
11月のブランドショップ。それはまさにクリスマス商戦の下見会だ。
普段とは違い、かなり明確に、

「おねだり(シルバー、パース)」

「本命(ゴールド、バッグ)」

「勝負(宝石入り、限定バッグ)」

というような段階的なアプローチが見えるふんだんな新商品展開だ。

俯瞰して背後からみると、それぞれのエリアを見ている男女、ないしは男性の
クラス感みたいなものが見えて、なんともリアルだ。

ブランドも、そのブランド価値を維持しつつセールスボリュームを稼ぐための
サービスミックスをがっちりやっているんだなあ。

値段は違うがバレンタインのときのチョコレート商戦と仕組みは同じなような
気がした。

2006年11月02日(木)更新

Too much information

Too much information by Police

ポリスのスティングがこの曲を書いたのは今から30年前だ。
事務所のターンテーブルでGhost in the MachineのLPをたまにかける。
聞いているスタッフにとっては、「生まれる前の音楽」だ。

僕が初めてインターネット、というかその仕組みに触れたのは80年
代の終わり。
まだウィンドウズもなく、CADの図面やマックで描いたスケッチを
DOS Binaryに変換してスクリプトベースのFTPで、アメリカやヨー
ロッパに送っていた。
当時、デザインデータを3極で共有してコンカレントエンジニアリン
グを行っている会社はほとんどなく、とても興奮したものだった。

90年代の半ばにインターネットの商用利用が始まり、企業として
それをどう活用するか、じっくり考える機会に恵まれた。
それから13年が過ぎ、様々な企業からその運営や企画、戦略に関し
て多くの相談を受けるようになった。
特に最近は社内コミュニケーション(イントラ)など、悩みも具体的
で深いものが多い。

しかし、イントラであろうと、インターネットであろうと、ひとつ、
ずっと感じている事がある。

それは、みな「コンテンツを減らす」という意識が無い事だ。

「どれだけ情報をだせるか」ばかりにしのぎを削る。
サーバーの容量は大きいし、せっかくお金をかけて作ったコンテンツ。
すこしでもグーグルさまに引っかかるように。。。

しかしそれがおかげで、見る方はどれだけのノイズを毎日のように
浴びせかけられているのか。

コミュニケーションを考える時に、適切なメディアの選択と適切なタ
イミングというものがあるのではないか。
大手のメーカーの企業ウェブサイトの総ページ数は万を超える所も少
なくない。

数年前、さる大企業で
「今後、どのようなオンラインコミュンケーション戦略を持つべきか」
という相談を受けた時、
「ログから判断して7割位の情報を捨てましょう」
と提言したことがある。
ご担当者は真っ赤な顔をして怒り、そして契約を切られた(笑)。

今後、さらに情報量は加速度を増して増えて行く。
「情報の捨て方」を心得、適切な量と質の情報を届けるコミュニケー
ション感覚を持つ企業だけが、お客様の心をとらえる事ができる。

もうすぐそんな時代になる。

2006年11月01日(水)更新

【明大生との毎週一問百答】

【明大生との毎週一問百答】について、今週も明大商学部の学生さんか
ら質問をいただきました。
<質問>────────────────────────────

経営者になる前に、(他社に)勤務した経験のある方にお聞きします。
その会社にはどれくらい勤めましたか。また、どんなことを学びました
でしょうか。
                (明治大学商学部 須田崇裕さん)
────────────────────────────────

外資系の半導体メーカー2社に勤めました。
1社は14年、次の会社は1年です。
最初の会社では工業デザイナーとして11年、企業コミュニケーション担当
として3年働きました。

最初の会社は新卒で入ったので、担当職務のレベルアップや修練ももちろ
んですが、ひとつの仕事がどれだけの工程と人の手を経ているのか、その
理解に努めました。

結果的にはそれがリエンジニアリング(業務改革)を学ぶきっかけになったの
ですが、今、「企業コミュニケーション」という日本の企業社会の中ではまだま
だ認知の低い仕事をする上でも、自分の基礎になっています。

次の会社は「勝つビジネスモデル」を持っている会社でした。
常に勝ち続けるためには、働き方にも「仕組み(ルール)」がありました。

すなわち、
1.時間管理
2.建設的な議論の方法
3.ビジネスの目的の理解とゴールの共有

などです。
言葉にすると簡単ですが、実はそれをどうやって周知し、共有するか、という
コミュニケーション能力がそれぞれに高かったのだと思います。
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会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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