クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
奇異なキャリア(その3)
1992年当時というのは、まさにインターネット前夜。仕事でパソコンは使い
はじめてはいたものの、ウィンドウズ3.1ですし、ネットワークという概念は
まだ少なかったように思います。
私が着手したのは広報で用意する会社案内(印刷物)の企画制作。そして
ほぼ平行して人事採用用の入社案内でした。米国本社よりのビジョンメッセ
ージのダウンロードにあわせて、それらを包括的に企画することでメッセージ
やトーンを統一するとともに、アートディレクションもシステム化しました。
これにより、重複がなくなるとともに全体感がはっきりと見えるようになって
きました。
これらはいわば基礎となるもので、DMや展示会、プレゼンテーションを監修
するのもとても楽になりました。
社内で部署をまたいでこれだけのディレクションをとっておくだけで、外注費
用のうち、企画に当たる部分はほとんど割愛することが出来、結果かなりの
コストダウンをすることが出来ました。
もうひとつよかったことは、部署に関わらずコミュニケーションマテリアルを作
成するときは、あいつを呼ぶとスムーズで効果的だ、という評判が出来上が
ったことです。
「Give & Given」ではないですが、常に手を差し伸べることで社内の相談が
自然に集まってくるようになりました。
私自身の人件費はもちろんタダではなく、コストセンターアロケーションという
形で各事業部に請求されます。しかしそれを置いても関与させたほうが得、
という判断をいただいたのはとてもうれしいことでした。
この時期、私の属していた広報(およびマーケットコミュニケーション)部では
IMC(統合的マーケティングコミュニケーション)という、マーケティング側から
コミュニケーションを統合化しよう、というビジネス手法の流れが起きていて、
広告代理店、PRエージェンシー、印刷業者、イベント業者など、外部のサポ
ーターを一堂に集め、お互いの役割を理解しつつ協力してこの会社のコミュ
ニケーションの効果を最大化しよう、という合宿を行っていました。
現代ではIMCもコーポレートコミュニケーションの概念の中での揺らぎだった
ととらえる節もありますが、全社的にコミュニケーションを考える素地にはな
ったと思います。
こんなことを2,3年続けていると突然社長から呼び出され、近々行われる
コンファレンスで使うプレゼンテーションの構成とデザインを見てくれ、と言わ
れたり、本社および各工場の人事部長レベルのエグゼクティブが集まる採
用戦略会議に参加してくれ、と言われたるするようになってきました。
元々僕の属していたデザインチームでは、社内のネットワークとは別途に
インターネットのコネクションを持ち、出来たばかりのモザイクナビゲーター
(最初期のブラウザー)のベータバージョンをダウンロードしてはいろいろな
学術系のサイトを覗いたりし始めているところでした。
そんな時、お世話になっていた人事の採用担当の課長さんが、
「雨宮君、うちの採用はいままで、電気系、物理系の学生が多かったんだ
けど、これからは情報系の学生が採りたいんだ。インターネットは情報系の
学生が見ているから、インターネットで採用やったら面白いんじゃないかと
思うんだけど、ホームページって作れる?」とおっしゃいました。
当時はもちろんWEB制作会社なんて存在しませんでしたし、ホームページ
を作るにも参考になるのは「Mozaic Handbook」という洋書ぐらいしかありま
せんでした。
まあ、でも何とかなうrだろう、ということで二つ返事でやることが決定しました。
ちょうど日本におけるインターネットの商用利用が開示されたばかりで、できた
ばかりのサービスプロバイダー2社(ATTJensさんとIIJさん)に来てもらい、
両者ともにほとんど第1号顧客のような状況で、採用ホームページをスタート
させていただきました。
そもそも自身がPRマネージャーだったため、「日本で最初の人材採用ホーム
ページ」としてニュースリリースを打ち、内容よりもそのニュースバリューで
望むような人材にかなりリーチできた、と記憶しています。
ちょうどインターネットマガジンも創刊されたばかりで、個別取材を受け、創刊
3号に4ページぐらいのカバレージをいただきました。今では考えられない話で
すね。
ここから、私自身の仕事は一気にインターネットに傾いていきました。
30にして「自分の仕事(ポジション)は自分で創る」を実践できたのは本当に
ラッキーでした。
つづきます。
はじめてはいたものの、ウィンドウズ3.1ですし、ネットワークという概念は
まだ少なかったように思います。
私が着手したのは広報で用意する会社案内(印刷物)の企画制作。そして
ほぼ平行して人事採用用の入社案内でした。米国本社よりのビジョンメッセ
ージのダウンロードにあわせて、それらを包括的に企画することでメッセージ
やトーンを統一するとともに、アートディレクションもシステム化しました。
これにより、重複がなくなるとともに全体感がはっきりと見えるようになって
きました。
これらはいわば基礎となるもので、DMや展示会、プレゼンテーションを監修
するのもとても楽になりました。
社内で部署をまたいでこれだけのディレクションをとっておくだけで、外注費
用のうち、企画に当たる部分はほとんど割愛することが出来、結果かなりの
コストダウンをすることが出来ました。
もうひとつよかったことは、部署に関わらずコミュニケーションマテリアルを作
成するときは、あいつを呼ぶとスムーズで効果的だ、という評判が出来上が
ったことです。
「Give & Given」ではないですが、常に手を差し伸べることで社内の相談が
自然に集まってくるようになりました。
私自身の人件費はもちろんタダではなく、コストセンターアロケーションという
形で各事業部に請求されます。しかしそれを置いても関与させたほうが得、
という判断をいただいたのはとてもうれしいことでした。
この時期、私の属していた広報(およびマーケットコミュニケーション)部では
IMC(統合的マーケティングコミュニケーション)という、マーケティング側から
コミュニケーションを統合化しよう、というビジネス手法の流れが起きていて、
広告代理店、PRエージェンシー、印刷業者、イベント業者など、外部のサポ
ーターを一堂に集め、お互いの役割を理解しつつ協力してこの会社のコミュ
ニケーションの効果を最大化しよう、という合宿を行っていました。
現代ではIMCもコーポレートコミュニケーションの概念の中での揺らぎだった
ととらえる節もありますが、全社的にコミュニケーションを考える素地にはな
ったと思います。
こんなことを2,3年続けていると突然社長から呼び出され、近々行われる
コンファレンスで使うプレゼンテーションの構成とデザインを見てくれ、と言わ
れたり、本社および各工場の人事部長レベルのエグゼクティブが集まる採
用戦略会議に参加してくれ、と言われたるするようになってきました。
元々僕の属していたデザインチームでは、社内のネットワークとは別途に
インターネットのコネクションを持ち、出来たばかりのモザイクナビゲーター
(最初期のブラウザー)のベータバージョンをダウンロードしてはいろいろな
学術系のサイトを覗いたりし始めているところでした。
そんな時、お世話になっていた人事の採用担当の課長さんが、
「雨宮君、うちの採用はいままで、電気系、物理系の学生が多かったんだ
けど、これからは情報系の学生が採りたいんだ。インターネットは情報系の
学生が見ているから、インターネットで採用やったら面白いんじゃないかと
思うんだけど、ホームページって作れる?」とおっしゃいました。
当時はもちろんWEB制作会社なんて存在しませんでしたし、ホームページ
を作るにも参考になるのは「Mozaic Handbook」という洋書ぐらいしかありま
せんでした。
まあ、でも何とかなうrだろう、ということで二つ返事でやることが決定しました。
ちょうど日本におけるインターネットの商用利用が開示されたばかりで、できた
ばかりのサービスプロバイダー2社(ATTJensさんとIIJさん)に来てもらい、
両者ともにほとんど第1号顧客のような状況で、採用ホームページをスタート
させていただきました。
そもそも自身がPRマネージャーだったため、「日本で最初の人材採用ホーム
ページ」としてニュースリリースを打ち、内容よりもそのニュースバリューで
望むような人材にかなりリーチできた、と記憶しています。
ちょうどインターネットマガジンも創刊されたばかりで、個別取材を受け、創刊
3号に4ページぐらいのカバレージをいただきました。今では考えられない話で
すね。
ここから、私自身の仕事は一気にインターネットに傾いていきました。
30にして「自分の仕事(ポジション)は自分で創る」を実践できたのは本当に
ラッキーでした。
つづきます。
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