クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
- ブログトップ
- IT・情報・コミュニケーション
- その2:盗作とインスピレーションの境界線
その2:盗作とインスピレーションの境界線
以前のブログのエントリーでも、
「見る目を養うためには、とにかく良いものをたくさん見て感覚値を
定量化する訓練を積む事だ」
と書いたことがある。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/121/10000644.html
すでに仕事の上では自分でデザインを起こしたりすることがほとんど
なくなってきたが、「良いものを見続けること」はすなわち自社のスタ
ッフや協力会社のクリエイティブに対する「タイマン(一対一の勝負)」
なのだ。
昨日のような例に限らず、ベンチマークスタディをしていると「おや?」
どころか「おいおい」ということも少なくない。
2000年前後のことだが、米国企業を中心に企業のウェブサイトに
変化がおき始めた。
それは「ブランドサイト」と「コーポレートサイト」をドメインから分ける、
というものだ。
日本でも2000年の連結会計制の導入に伴い、ホールディングカン
パニー化が進み、同様の分化傾向が加速した経緯がある。
当時、ある米国のカジュアルウェアブランドはそのような「サイト分化」
の先駆的な存在で、それぞれのサイトの内容もデザインも、棲み分け
が明確だったのだ。
ならば日本ではどうだろう?ということで、日本で有数のカジュアル
ウェアブランドのサイトを見て驚いた。
なんとその企業も「ブランドサイト」と「コーポレートサイト」をきちんと分
けているところまでは良いのだが、ブランドサイトのデザインは、ロゴの
位置、機能部分の位置、インターフェイスの位置、ビジュアルの構成
まで「ドンズバ」なのだ。
当時、ショッピングセンターのオリジナルブランドのフリースの売り場
のデザインが自社の店舗にそっくりだ、と訴えていた、その企業が、
である。
トップマネジメントが知らずにやっていたとは到底思えないのだが。
しつこい私はその米国カジュアルウェアの日本法人のCIOにあたる方
にコンタクトを取り(オフィスがたまたま近所だったということもあったの
だが)一緒にランチをして、この件に関して質問してみた。
すると、
「社内の人間は皆知っている。企業として尊敬する対象と見ていない」
その一言だけだった。
ただ、アパレルの場合、製品のデザインそのものを似させることで「トレ
ンド」を盛り上げる、という原初的な傾向もあるため、一概にオリジナリ
ティの追求だけを問うことも出来ないのかもしれない。
当時出始めた、いわゆる2プライス・スーツショップは皆グレー基調で
フレーム固定のフラッシュインターフェイスだった。どうして?と調べて
いくと、オリジナルはバーニーズニューヨークのウェブサイトと判明した
こともある。
一般的な企業サイトにおいても、現在ではアクセシビリティやユーザビ
リティ、クロスメディア・アプローチもあり、何でもかんでもひとつのサイト
に情報を詰め込んでしまおう、という傾向から離れつつあるようだ。特
に米国企業では、ここ数年、情報量の整理が進み、各社ともきわめて
シンプルになってきている。それでも海外企業のウェブサイトはデザイ
ン面でもコンテンツ、アプローチも均質化せず、独自性を出すために腐
心しているのだから、日本の企業でもコミュニケーション担当者が主体
になり、自社のアプローチをしっかり作りこまないと、その時々の最適化
ばかりに終始していては、ますますユーザーの気持ちと乖離してしまう
のではないかと危惧する。
「見る目を養うためには、とにかく良いものをたくさん見て感覚値を
定量化する訓練を積む事だ」
と書いたことがある。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/121/10000644.html
すでに仕事の上では自分でデザインを起こしたりすることがほとんど
なくなってきたが、「良いものを見続けること」はすなわち自社のスタ
ッフや協力会社のクリエイティブに対する「タイマン(一対一の勝負)」
なのだ。
昨日のような例に限らず、ベンチマークスタディをしていると「おや?」
どころか「おいおい」ということも少なくない。
2000年前後のことだが、米国企業を中心に企業のウェブサイトに
変化がおき始めた。
それは「ブランドサイト」と「コーポレートサイト」をドメインから分ける、
というものだ。
日本でも2000年の連結会計制の導入に伴い、ホールディングカン
パニー化が進み、同様の分化傾向が加速した経緯がある。
当時、ある米国のカジュアルウェアブランドはそのような「サイト分化」
の先駆的な存在で、それぞれのサイトの内容もデザインも、棲み分け
が明確だったのだ。
ならば日本ではどうだろう?ということで、日本で有数のカジュアル
ウェアブランドのサイトを見て驚いた。
なんとその企業も「ブランドサイト」と「コーポレートサイト」をきちんと分
けているところまでは良いのだが、ブランドサイトのデザインは、ロゴの
位置、機能部分の位置、インターフェイスの位置、ビジュアルの構成
まで「ドンズバ」なのだ。
当時、ショッピングセンターのオリジナルブランドのフリースの売り場
のデザインが自社の店舗にそっくりだ、と訴えていた、その企業が、
である。
トップマネジメントが知らずにやっていたとは到底思えないのだが。
しつこい私はその米国カジュアルウェアの日本法人のCIOにあたる方
にコンタクトを取り(オフィスがたまたま近所だったということもあったの
だが)一緒にランチをして、この件に関して質問してみた。
すると、
「社内の人間は皆知っている。企業として尊敬する対象と見ていない」
その一言だけだった。
ただ、アパレルの場合、製品のデザインそのものを似させることで「トレ
ンド」を盛り上げる、という原初的な傾向もあるため、一概にオリジナリ
ティの追求だけを問うことも出来ないのかもしれない。
当時出始めた、いわゆる2プライス・スーツショップは皆グレー基調で
フレーム固定のフラッシュインターフェイスだった。どうして?と調べて
いくと、オリジナルはバーニーズニューヨークのウェブサイトと判明した
こともある。
一般的な企業サイトにおいても、現在ではアクセシビリティやユーザビ
リティ、クロスメディア・アプローチもあり、何でもかんでもひとつのサイト
に情報を詰め込んでしまおう、という傾向から離れつつあるようだ。特
に米国企業では、ここ数年、情報量の整理が進み、各社ともきわめて
シンプルになってきている。それでも海外企業のウェブサイトはデザイ
ン面でもコンテンツ、アプローチも均質化せず、独自性を出すために腐
心しているのだから、日本の企業でもコミュニケーション担当者が主体
になり、自社のアプローチをしっかり作りこまないと、その時々の最適化
ばかりに終始していては、ますますユーザーの気持ちと乖離してしまう
のではないかと危惧する。
- ブログ移行のお知らせ [04/30]
- 非常時の企業コミュニケーション(2) [04/28]
- ゴールデンウィークに差をつけろ!「短時間で成果を出す発想法」セミナー [04/27]
- 企業広報はストレスの高い仕事?(2) [04/27]
- 企業広報はストレスの高い仕事? [04/27]
- 宣伝会議の「広報担当者養成講座」で「もっとも高評価だった講義」に選ばれました! [04/19]
- ( 社 )日本パブリックリレーションズ協会主催「平成23年度広報PR入門講座」 [04/19]
- 効果的な被災地支援のための画期的なソーシャルメディア活用 [04/18]
- 非常時の企業コミュニケーション(1) [03/25]
- わかりやすさが信頼感 [03/22]
- 3月16日「IABCジャ パンチャプター説明会」中止順延のお知らせ [03/14]
- IABCロシアチャプターVP、Ms.Julia Stonoginaさん来日 [03/10]
- 「Eメールの氾濫」の解決方法--CW Bulletin [03/09]
- ネットを捨てよ(たまには)、町に出よう [03/09]
- セミナーのお知らせ [03/06]
- Annual 100 Best Corporate Citizens List [03/04]
- 20年ぶりの変化と500グラムの減量 [03/04]
- 【お知らせ】3月16日(水)第2回ジャパンチャプター活動説明会開催(参加無料) [02/22]
- 駐日ベルギー王国大使館訪問 [02/21]
- 新しいもの、新しいことを得、新しいアイディアに活かす [02/16]
- 2011年4月(8)
- 2011年3月(9)
- 2011年2月(5)
- 2011年1月(5)
- 2010年12月(6)
- 2010年11月(3)
- 2010年10月(8)
- 2010年9月(6)
- 2010年8月(6)
- 2010年7月(6)
- 2010年6月(15)
- 2010年5月(2)
- 2010年4月(7)
- 2010年3月(6)
- 2010年2月(2)
- 2010年1月(6)
- 2009年12月(5)
- 2009年11月(1)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(7)
- 2009年7月(13)
- 2009年6月(13)
- 2009年5月(10)
- 2009年4月(10)
- 2009年3月(7)
- 2009年2月(5)
- 2009年1月(3)
- 2008年12月(5)
- 2008年11月(7)
- 2008年10月(11)
- 2008年9月(10)
- 2008年8月(8)
- 2008年7月(16)
- 2008年6月(7)
- 2008年5月(14)
- 2008年4月(6)
- 2008年3月(7)
- 2008年2月(11)
- 2008年1月(13)
- 2007年12月(4)
- 2007年11月(6)
- 2007年10月(9)
- 2007年9月(7)
- 2007年8月(13)
- 2007年7月(14)
- 2007年6月(9)
- 2007年5月(15)
- 2007年4月(9)
- 2007年3月(10)
- 2007年2月(10)
- 2007年1月(13)
- 2006年12月(13)
- 2006年11月(18)
- 2006年10月(18)
- 2006年9月(17)
- 2006年8月(19)
- 2006年7月(20)
- 2006年6月(22)
- 2006年5月(18)
- 2006年4月(20)
- 2006年3月(2)
コメント一覧
- :舩田雪間[12/01]
- おくやみ 皆川正(まさ)先生
- 初めまして私の母が結婚前に...
- :谷村(新倉)千明[06/13]
- ああ、幻の近藤玲子水中バレエ団
- 私も、タレントでした。はいった時は[人魚姫]でした。。。琴さんひろみさんが...
- :のり[06/10]
- ああ、幻の近藤玲子水中バレエ団
- 79~80年頃水中バレエ劇場で売店・もぎりのバイトをしていました。近藤先生...
- :seo tools[04/16]
- 20年ぶりの変化と500グラムの減量
- 20年ぶりの変化と500グラムの減量 -...
- :celine bags[04/16]
- 20年ぶりの変化と500グラムの減量
- 20年ぶりの変化と500グラムの減量 -...
最新トラックバック
-
ブラウン ニゾ スーパー 8カメラ 561
from CRAFTS DESIGN
( Braun Nizo Super 8 Camera 561 ) 各要素が絶妙なバランスで配置されています。「デザイン」と言うものの美しさを改めて感じる瞬間。 無駄が削ぎ落とされた配置の美学。 ドイツの電気器具メーカー「ブラウン(Braun)」の子会社だった、「ニゾ(Nizo)」による8ミリカメラです。クラシカルでヴィンテージな香り満載です。 ブラウンは、ドイツのモダンインダストリアルデザイン、また機能性と技術の融合と密接な関わりなど、現代のプロダクトデザインに大きな影響を及ぼしてきたメーカーです… -
フェラガモ アウトレット
from フェラガモ アウトレット
50万円のパソコン用キーボード! - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘 -
mbt mens shoes
from mbt mens shoes
企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘 -
Air Jordan?1
from Air Jordan?1
企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘 -
Chanel Perfume
from Chanel Perfume
企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘
コメント