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21世紀のリエンジニアリング革命

投稿日時:2007/10/29(月) 19:49rss

年初の不二家に始まって、「白い恋人」の石屋製菓、最近では個人的に
大ファンだった赤福まで。この数年で企業の不祥事発覚がかなり顕在化
してきた。

以前にも書いたが、その理由は紛れもなく「内部告発」である。

先週末、宣伝会議のセミナーで札幌に行ってきたが、懇親会で新聞社に
勤めていたフリーライターの方と話したが、やはりひと月に数十件の告発
が届くそうだ。(北海道地元メディア1社だけで!)

もちろんその中には、たんなる不平やグチに近いものもないわけではなく、
メディアとしてもすべてすぐに取り上げるわけにはいかないので、内容を吟
味し、本当かどうかの確認にかなり時間をかけ、そのうえで社会的影響力
の大きいものを取り上げていくのだそうだ。

特に中小企業やオーナー企業などでは、競争の激化から利益優先でコス
トカットやプロセスカットを行い、結果、一線を踏み越えるところも少なくない
のだろう。
今、石屋製菓や赤福の報道を見て、冷や汗をかいている企業は意外に多
いのではないだろうか。
米国の巨大エネルギー企業、エンロンが不正経理の告発で破綻したのが
1991年だ。破綻まで行かなかったが国内金融大手でも10年前に相次い
で大掛かりな不正利益供与事件が発覚したことがある。
しかしこの3年は明らかに不正発覚がスピードアップしている。その原因が
ブログやSNS、コミュニティサイトの充実によるものだということは間違いが
ない。今まで告発を行う個人の力は弱かった。仮に掲示板に書いたりメディ
アに持っていっても、確証をとることが難しかった。
しかし現在はソーシャルメディアの特性(相互検証性)により、ネット上でそ
の確を取ることも比較的容易になってきたのだ。

これも以前書いたが、昨年参加した米国のコミュニケーション関係の会議で
盛んにみんなが言っていたのが「透明性」という言葉だ。
多くの企業トップ、または従業員がブログを書く中で、それらのブログの華燭
や創作(いわゆるフェイクブログ)がばれたおかげで反論が集中し、ブログの
閉鎖からサービスの終了、ブランドの消失にまでつながる例が多かったから
だ。もちろん企業の不正の告発に端を発したものもある。

いずれにせよ、コンプライアンスやCSRの観点からも、企業は正直な経営を
(当たり前だが)徹底しないとあっという間に足元をすくわれかねない時代だ。

これを解決するためにはどうしたらよいか。

経営者が正しい経営をする。ごもっともだ。しかしそのためには根本的に「勝
てる」ビジネスモデルが必要になる。そうでなければ続かない。
また、従業員が「勝てる」ビジネスモデルを理解することが重要だ。
最後は、企業が顧客の意見を聞く耳を持つことだ。

ここまでは教科書的なことだ。
しかし多くの企業が悩んでいるのは、この問題をどのようなプロセスでそれを
実現していくか、ではないだろうか?
(弊社への相談もこの点が多くなってきた)
何しろ旧来の広報ブには新しい問題を解決する予算も経営の理解もない。

「リエンジニアリング」は15年前のビジネスプロセス見直しの理論だ。
本もベストセラーになったが、今ではブックオフで105円だ。

しかし、当時の日本企業は製造開発にしか、これを取り入れなかったような
気がする。この本の真意は、事業全体で業務プロセスを見直すところにあっ
たはずだ。
米国と日本のウェブサイトがどうしてもうも違うのだろう、と思うとき、米国は
リエンジニアリングプログラムの延長線上でタイミング良くネット戦略を考え
てスタートしたという気がしてならない。10年過ぎても、「骨」があるから余り
おおきな変化がなく、「コミュニケーションの積み上げによるコーポレートブラ
ンディング」が実現できているからだ。
例外的な危機があったとしたら、皮肉なことだが2000年のSIPSブームの
ときだったかもしれない。このころはいくつかの企業がSIPSによってテクノ
ロジーエンターテイメント化していた。

話を戻すと上記の問題のブレイクスルーには、日本企業でも、もう一度間接
部門を中心にしたの「リエンジニアリング革命」が必要なのではないだろうか?

目先で小手先の対処をしても、手に余るほど、問題は大きくなってきている
気がするのだ。
手探りだが、今年の仕事のほとんどがこのようなアプローチに近づいている
のが証左だ。

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1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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