クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
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PR会社に求められる資質と役割
今日はお世話になっている日本パブリックリレーションズ協会主催の
特別国際セミナーに参加してきた。
世界最大級のPR会社「 ヒルアンドノウルトン(H&K)」の会長兼CE
O、ポール・テーフ氏の講演だ。
「グローバル化、デジタル化が進む中で今後のPR会社に求められる
資質と役割」という演目で、年初に申し込んだときにはすでに満席キ
ャンセル待ち。
それが本日開演1時間前に「キャンセルが出た」と連絡をいただき、
ラッキーにも参加することが出来た、というわけだ。
ほぼ1時間のお話はレジメなし、通訳のみだったが、非常に簡潔にま
とめられており、さすがはコミュニケーション企業のトップと唸らせる素
晴らしいプレゼンテーション(講演)であった。
ある意味、通訳を通しての講演というのは一定のセンテンスごとに間
があるので、ゆっくり内容を反芻出来るメリットも有る気がする。
とてもよく主旨を飲み込めた。
さて、内容は「変革の時代を支える重要な3つのキーワード」というもの
で、一つ目は「Globalization(国際化)」、2つ目が「Digitalization(デジ
タル化)」、最後が「Rise of stakeholders(多様なステークホルダーの
出現)」だ。
以下、簡単におさらいしてみる。
「Globalization(国際化)」
20世紀の国際化はアメリカ中心。後半になって日本が台頭してきた。
21世紀はEU、BRICs、中東が台頭してきているので既存の経済大
国からの情報の一方通行ではすまなくなる。
よって多くの国際企業はその商品、サービス、ブランドの再ポジショニ
ングをしなければならない。
この動向には大きなチャンスとリスクが存在するが、いずれにせよアク
ションを取らないことはリスクの増大を意味する。
「Digitalization(デジタル化)」
インターネットの普及率は現在、地球規模で約10億人。利用言語は
英語に次いで日本語が僅差で2番手という状況だ。しかし上記のよう
な新興国の台頭で、これからわずか2~3年で20億人に倍増する、
とも言われている。
増加の大半は企業ユーザーではなくユーザーサイドだとすれば、この
点においても情報は企業からステークホルダーへの一方通行にはな
らず、より水平(ホリゾンタル)なコミュニケーションになって行く。
その際のキーワードが「Conversation(カンバセーション:会話)」だ。
かつて企業のコミュニケーションで重要だったのは「Awareness(認知
度)」だったが、今後は「Relevancy(関連性)」と「Credibility(信頼性)」
がそれを凌駕する。
既存のマスメディアに圧倒的な影響力はすでになく、人々は企業に対
話を求め、企業はそれに応えなければならない状況にきている。
企業コミュニケーションに関わる私たちは、これらステークホルダーとの
会話がどのような価値を生むのか、その影響力などを測定し、分析する
力を要求されているのだ。
「Rise of stakeholders(多様なステークホルダーの出現)」
現在世界には1億を超えるブログがある。多くの人が自分の意見を言う
ようになって来た。
もはや企業は法規で守られた機密以外に社内外に「かくしごと」はでき
ない状況にきている。今までのように学生、消費者、株主、社員と、ス
テークホルダーごとの個別のコミュニケーションは成り立たないのだ。
またここ数年、企業コミュニケーションで重要なキーワードのひとつに
「Transparency(透明性)」がある。企業は自ら積極的に情報を開示し
ていくことによって多様なステークホルダーと良い関係を築くことができ
る。
最後に、まとめとして繰り返し語っていたのは、やはり企業コミュニケー
ションに関わる人々の測定、分析、判断力の重要性だ。
特に、多様性の時代にすべての人を満足させることは不可能、という前
提がある以上、どんなコミュニケーションを行ったら、誰が、どんな反応を
するか。その結果、どんな関係を築くことを望むのか。それらを事前にで
きるだけ考えておくことが重要だという。
質疑応答で一番印象的だったのは、日本におけるPR/コミュニケー
ションの仕事の「Credibility(信頼性)」をあげるためにはどうしたらよい
か?という質問に対してのものだ。
彼は米国の大手PRエージェンシー企業のトップだが「米国と他の国で
のアプローチはさほど変わらないが日本だけは特殊だ」と語った。
多くの日本企業はPR/コミュニケーションに(特に戦略面において)外
部のプロをあまり使いたがらない、という背景もあると語っていたが、一
番の問題は多くの日本企業が前述のような世界的なミュニケーションの
変革の波に対する意識がまだまだ低いからではないだろうか?
そもそも企業もエージェンシーも、まだあまり積極的にコミュニケーショ
ンを行っていない(開かれた対応をしていない)。
それでは担当者は経験値を築けないので、前述のような分析力や判
断力はいつまでたってもつかない。
結果、いつまでたってもコミュニケーション業務の重要性や信頼性を
経営陣に説明できない。
負の連鎖を断つために、おまえたちはやらなきゃいけないことがたくさん
あるぞ。もっと危機感を持て!と語っているようでならなかった。
目の覚める思いで会場をあとにした。
特別国際セミナーに参加してきた。
世界最大級のPR会社「 ヒルアンドノウルトン(H&K)」の会長兼CE
O、ポール・テーフ氏の講演だ。
「グローバル化、デジタル化が進む中で今後のPR会社に求められる
資質と役割」という演目で、年初に申し込んだときにはすでに満席キ
ャンセル待ち。
それが本日開演1時間前に「キャンセルが出た」と連絡をいただき、
ラッキーにも参加することが出来た、というわけだ。
ほぼ1時間のお話はレジメなし、通訳のみだったが、非常に簡潔にま
とめられており、さすがはコミュニケーション企業のトップと唸らせる素
晴らしいプレゼンテーション(講演)であった。
ある意味、通訳を通しての講演というのは一定のセンテンスごとに間
があるので、ゆっくり内容を反芻出来るメリットも有る気がする。
とてもよく主旨を飲み込めた。
さて、内容は「変革の時代を支える重要な3つのキーワード」というもの
で、一つ目は「Globalization(国際化)」、2つ目が「Digitalization(デジ
タル化)」、最後が「Rise of stakeholders(多様なステークホルダーの
出現)」だ。
以下、簡単におさらいしてみる。
「Globalization(国際化)」
20世紀の国際化はアメリカ中心。後半になって日本が台頭してきた。
21世紀はEU、BRICs、中東が台頭してきているので既存の経済大
国からの情報の一方通行ではすまなくなる。
よって多くの国際企業はその商品、サービス、ブランドの再ポジショニ
ングをしなければならない。
この動向には大きなチャンスとリスクが存在するが、いずれにせよアク
ションを取らないことはリスクの増大を意味する。
「Digitalization(デジタル化)」
インターネットの普及率は現在、地球規模で約10億人。利用言語は
英語に次いで日本語が僅差で2番手という状況だ。しかし上記のよう
な新興国の台頭で、これからわずか2~3年で20億人に倍増する、
とも言われている。
増加の大半は企業ユーザーではなくユーザーサイドだとすれば、この
点においても情報は企業からステークホルダーへの一方通行にはな
らず、より水平(ホリゾンタル)なコミュニケーションになって行く。
その際のキーワードが「Conversation(カンバセーション:会話)」だ。
かつて企業のコミュニケーションで重要だったのは「Awareness(認知
度)」だったが、今後は「Relevancy(関連性)」と「Credibility(信頼性)」
がそれを凌駕する。
既存のマスメディアに圧倒的な影響力はすでになく、人々は企業に対
話を求め、企業はそれに応えなければならない状況にきている。
企業コミュニケーションに関わる私たちは、これらステークホルダーとの
会話がどのような価値を生むのか、その影響力などを測定し、分析する
力を要求されているのだ。
「Rise of stakeholders(多様なステークホルダーの出現)」
現在世界には1億を超えるブログがある。多くの人が自分の意見を言う
ようになって来た。
もはや企業は法規で守られた機密以外に社内外に「かくしごと」はでき
ない状況にきている。今までのように学生、消費者、株主、社員と、ス
テークホルダーごとの個別のコミュニケーションは成り立たないのだ。
またここ数年、企業コミュニケーションで重要なキーワードのひとつに
「Transparency(透明性)」がある。企業は自ら積極的に情報を開示し
ていくことによって多様なステークホルダーと良い関係を築くことができ
る。
最後に、まとめとして繰り返し語っていたのは、やはり企業コミュニケー
ションに関わる人々の測定、分析、判断力の重要性だ。
特に、多様性の時代にすべての人を満足させることは不可能、という前
提がある以上、どんなコミュニケーションを行ったら、誰が、どんな反応を
するか。その結果、どんな関係を築くことを望むのか。それらを事前にで
きるだけ考えておくことが重要だという。
質疑応答で一番印象的だったのは、日本におけるPR/コミュニケー
ションの仕事の「Credibility(信頼性)」をあげるためにはどうしたらよい
か?という質問に対してのものだ。
彼は米国の大手PRエージェンシー企業のトップだが「米国と他の国で
のアプローチはさほど変わらないが日本だけは特殊だ」と語った。
多くの日本企業はPR/コミュニケーションに(特に戦略面において)外
部のプロをあまり使いたがらない、という背景もあると語っていたが、一
番の問題は多くの日本企業が前述のような世界的なミュニケーションの
変革の波に対する意識がまだまだ低いからではないだろうか?
そもそも企業もエージェンシーも、まだあまり積極的にコミュニケーショ
ンを行っていない(開かれた対応をしていない)。
それでは担当者は経験値を築けないので、前述のような分析力や判
断力はいつまでたってもつかない。
結果、いつまでたってもコミュニケーション業務の重要性や信頼性を
経営陣に説明できない。
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