クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
これからの広報:新しいチャレンジを、確実に世に問う方策
今週実施した宣伝会議の広報の学校のように、シリーズで数回に分け
てオンラインコミュニケーション(インターネット広報)の話をさせていただ
くときに、必ず話すエピソードがある。
それはデザインの評価の定量化(良し悪しをどう客観評価するか)につ
いて語られているレイモンド・ローウィ(第2次大戦をはさんで活躍した
インダストリアルデザイナー)の考え方と、米国のコメディアン、ビル・コ
スビーの考え方だ。
ローウィは、「人の好みにはばらつきがあるが、嫌う場合の傾向値にば
らつきが少ない」と考え、マイナスの要素を注意深く取り払ってデザイン
したので結果的に「売れる」デザインを作ることができた、というものだ。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/115/10000546.html
対してビルコスビーの考え方は、以下のような名言として伝えられてい
る。
「成功への鍵が何かは知らないが、
失敗への鍵は全員を喜ばせようとすることである。」
本来、矛盾するようなこの2つの考え方だが、実はそうではない。
言ってみれば双方とも「無謀と勇気の違い」を理解してのことなのだ。
ローウィも一見、この言葉だけでは極めて保守的でチャレンジャブルで
はないように受け止められがちだが、実際のデザインは時代を超え、半
世紀後の今でも十分新鮮に感じられる提案をしてきているのだ。
実は当時からローウィーを真似るデザイナーは少なくなかった。それはい
つの時代の花形デザイナーにもフォロワーが常に現れるのと同じ(流行・
ファッションだ。
しかし、ローウィはその裏に人々の嫌う要素を周到に取り除く計算をする
ことで、表向きのデザインの好みしかわからない企業経営者にとっても
安心してそのデザインを採用できる裏づけを提示していたということもで
きる。その差は、顕在化しにくいが、大きい。
コスビーの考え方は、受け取り方によっては、より今日のマーケティング
的とも言える。
すなわち、「市場は流動的で速く、以前のようなマスは存在しない。マジ
ョリティを狙ってそのとおりに売れるかというとそうでもない」というものだ。
しかし彼のメッセージの根本は、最初からすべての人に迎合するような
アプローチでは人種を超えた人気を得るという成功はなかったのではな
いかという実感に基づいたものなのであろう。
自分の芸にしっかり根ざしていれば、必要以上に周りを気にすることは
ないし、そのほうが結果的に受け入れててもらいやすく、自分も流され
ずに長く続けられる(た)と言いたかったのだろう。
ローウィもコスビーも、自身の持っている個性や技術、環境を考えた上で
さらに冷静に、それを確実に世に問う術を見につけていった、ということ
なのであろう。
新しいことにチャレンジをするためには多くの障壁が立ちはだかる。
しかしそれを打破するためにはきわめて周到でプロセスオリエンテッド
なアプローチが必要なのだ。
オンラインコミュニケーションというと、どうしてもマーケティング手法や
新しいツール、その表現にばかり目が行きがちになるが故、このような
エピソードをお伝えしたかったのだ。
てオンラインコミュニケーション(インターネット広報)の話をさせていただ
くときに、必ず話すエピソードがある。
それはデザインの評価の定量化(良し悪しをどう客観評価するか)につ
いて語られているレイモンド・ローウィ(第2次大戦をはさんで活躍した
インダストリアルデザイナー)の考え方と、米国のコメディアン、ビル・コ
スビーの考え方だ。
ローウィは、「人の好みにはばらつきがあるが、嫌う場合の傾向値にば
らつきが少ない」と考え、マイナスの要素を注意深く取り払ってデザイン
したので結果的に「売れる」デザインを作ることができた、というものだ。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/115/10000546.html
対してビルコスビーの考え方は、以下のような名言として伝えられてい
る。
「成功への鍵が何かは知らないが、
失敗への鍵は全員を喜ばせようとすることである。」
本来、矛盾するようなこの2つの考え方だが、実はそうではない。
言ってみれば双方とも「無謀と勇気の違い」を理解してのことなのだ。
ローウィも一見、この言葉だけでは極めて保守的でチャレンジャブルで
はないように受け止められがちだが、実際のデザインは時代を超え、半
世紀後の今でも十分新鮮に感じられる提案をしてきているのだ。
実は当時からローウィーを真似るデザイナーは少なくなかった。それはい
つの時代の花形デザイナーにもフォロワーが常に現れるのと同じ(流行・
ファッションだ。
しかし、ローウィはその裏に人々の嫌う要素を周到に取り除く計算をする
ことで、表向きのデザインの好みしかわからない企業経営者にとっても
安心してそのデザインを採用できる裏づけを提示していたということもで
きる。その差は、顕在化しにくいが、大きい。
コスビーの考え方は、受け取り方によっては、より今日のマーケティング
的とも言える。
すなわち、「市場は流動的で速く、以前のようなマスは存在しない。マジ
ョリティを狙ってそのとおりに売れるかというとそうでもない」というものだ。
しかし彼のメッセージの根本は、最初からすべての人に迎合するような
アプローチでは人種を超えた人気を得るという成功はなかったのではな
いかという実感に基づいたものなのであろう。
自分の芸にしっかり根ざしていれば、必要以上に周りを気にすることは
ないし、そのほうが結果的に受け入れててもらいやすく、自分も流され
ずに長く続けられる(た)と言いたかったのだろう。
ローウィもコスビーも、自身の持っている個性や技術、環境を考えた上で
さらに冷静に、それを確実に世に問う術を見につけていった、ということ
なのであろう。
新しいことにチャレンジをするためには多くの障壁が立ちはだかる。
しかしそれを打破するためにはきわめて周到でプロセスオリエンテッド
なアプローチが必要なのだ。
オンラインコミュニケーションというと、どうしてもマーケティング手法や
新しいツール、その表現にばかり目が行きがちになるが故、このような
エピソードをお伝えしたかったのだ。
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