クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
富士山エコツアー
大月に住む友人から誘いを受けたのは夏休みに本州を離れる計画
をしている最中だった。
「夏休み明けすぐで申し訳ないのだけれど、面白い企画があるので
家族で参加しないか?」というものだ。
この「富士山エコツアー」というのは、富士山だけでなく周辺の青木ヶ
原なども含め、多数存在するようだ。要は清掃しながら富士山の自然
や史実に触れ、見識を高めよう、というもので、その背景には地域や
行政が一体となって2年後に世界遺産登録を目指している、という状
況がある。
つい先日も友人が富士登山を経験し、夜中から休み無しで登ったもの
の、軽い高山病でほとんど楽しめずの大変な思いをして帰ってきたと
聞いたばかり、あまり乗り気はしなかったのだが、清掃登山は1合目
から5合目。行程は登りだがゆっくり歩いて2~3時間。宿泊するのは
6合目で帰りは30分程度の歩きでバスターミナルという説明を聞き、
これならリスクは少ないし、子供には良い経験になるだろうと申し込み
をした。
お盆休みの初日ということもあり、富士吉田の浅間神社に11時に集
合といっても、東京からだと時間が読めないので無理を言って金曜日
の夜に出て大月の友人宅に泊まらせてもらうことにした。これが正解
で金曜日の夜は中央高速もまだ混んでおらず、大月まではほんの1
時間ちょっとで到着した。
翌日は天気も良く、浅間神社前には90名近くの人が集まっていた。
このエコツアーは今年で5回目だそうだが、終着点の山荘ではおにぎ
りと吉田のうどん(名物!)が振舞われるほか、マンザイやジャズの
コンサート、星座の鑑賞教室まで開かれるとあって、かなり人気を
集めているようだった。
http://www.seikanso.jp/eco.html
ともあれまずは浅間神社に道中の安全を祈願し、一行はスタートした。
出だしはまだまだハイキング気分、それが一転したのは、1時間して
ちょうど2合目に到着した頃だった。
下から見る見る雲が伸びてきたと思ったら雷が鳴り始め、やがて大粒
の雨が降ってきた。みな銘々に廃屋となった古い山小屋で雨宿りをし
ながら握りメシに食らい付き、雨具に着替えてそそくさと出て行った。
雨そのものはたいしたことはないのだが、間近で鳴る雷はやはり怖い。
実際にはまだ距離が離れているとはいえ、娘(9歳)は今にも泣き出
しそうだ。頼もしいのは5歳の息子で、「パパと手をつないでいると勇
気が出る」と泣けることを言いつつ、一番ペースが落ちない。
結局ゴミひろい所ではない状況で3時間後に無事、里美平星観荘に
たどり着いた(実際にゴミは思ったよりも少なかった)。
なんとも拍子抜けする話だが、宿に入ってカッパを干して、一息ついた
ら雨が上がり、下界の雲海の合間に河口湖まで見えるようになってい
た。くたくたなはずの子供たちもまかないのうどんに舌鼓を打っていた。
マンザイの「流れ星」の2人も30分以上の大熱演。間近で見る生の
演芸は迫力があった。それにもましてすばらしかったのは清水靖晃&
サキソフォネッツのコンサートだった。
宇都宮にある大谷石採掘場の巨大地下空間でJ. S.バッハの「無伴奏
チェロ組曲」を、テナーサックスで演奏したアルバムは衝撃的で気に入
って聞いていたこともあり、こんなところで聞けるのも奇縁だ。
聴衆は100人ちょっとだったが、標高2400メートルの夕暮れの山小
屋の前庭にひびくサックスの音色は本当に幻想的だった。
しかもあれだけ雨や雷に当たっていたというのに夜空はすでに満天の
星だった。子供たちはすっかり元気を取り戻していた。
私たちはエコツアーなのでここで予定終了。しかし山小屋に宿泊する
大半のお客さんはこれからが本番。すなわち、夜中に出発して頂上
目指し明け方にご来光を拝むことが目的なのだ。
お気楽な私たちは入れ替わるように就寝。文字通り泥のように寝入っ
てしまった。
翌朝もすばらしい天気で、あいかわらず足元に雲海を眺め、7合目付
近まで1時間ほどハイキングに出かけた。
周囲のほとんどが頂上登山を目指す人、あるいはその帰りという中、
異質(妙に明るく笑顔)な集団と映った事だろう。岩場の中ほどでおや
つを食べながら見た光景は、さながら賽の河原を行く集団のようだった。
何でこんなに苦しいのに行くの?そして帰りはすでに歩けなくなって
馬に乗って下山する人、後ろ向きに体を支えられてい歩く人、立てず
に寝転んでしまう人など、様々だった。
頂上を目指すだけが登山じゃない、と思えば、富士山は結構楽しめる
と思うのだが、「やってみたけど2度と行かないだろう」と思うようなら
それはすこし寂しいことだ。
もっとも北アルプスや八ヶ岳など、本格的な登山ルートにはスニーカー
やジーンズ、Tシャツのような軽装者はほとんどいない。ある意味富士
は意味も価値も特殊だと言う背景も大きな理由のひとつだろう。しかし
死亡者はまれだとしてもかなりの人が怪我や病気で担ぎ出されている
ようだし、絶対的にこれだけの人数が限られたルートで歩いているとす
れば「自分のペース」などと言っていられなくなり、無理をしてしまうの
は仕方のないことなのかもしれない。
雨や雷は怖かったけれど、子供たちは多くの自然(動植物や昆虫、空
や星、雲、日の出)に触れ、満足そうだった。
下山して友人の推薦する「麺’ズ冨士山」で吉田のうどんをいただき、
川口湖畔の名湯「野天風呂 天水」で暖まって帰った。
充実の2日間だった。
をしている最中だった。
「夏休み明けすぐで申し訳ないのだけれど、面白い企画があるので
家族で参加しないか?」というものだ。
この「富士山エコツアー」というのは、富士山だけでなく周辺の青木ヶ
原なども含め、多数存在するようだ。要は清掃しながら富士山の自然
や史実に触れ、見識を高めよう、というもので、その背景には地域や
行政が一体となって2年後に世界遺産登録を目指している、という状
況がある。
つい先日も友人が富士登山を経験し、夜中から休み無しで登ったもの
の、軽い高山病でほとんど楽しめずの大変な思いをして帰ってきたと
聞いたばかり、あまり乗り気はしなかったのだが、清掃登山は1合目
から5合目。行程は登りだがゆっくり歩いて2~3時間。宿泊するのは
6合目で帰りは30分程度の歩きでバスターミナルという説明を聞き、
これならリスクは少ないし、子供には良い経験になるだろうと申し込み
をした。
お盆休みの初日ということもあり、富士吉田の浅間神社に11時に集
合といっても、東京からだと時間が読めないので無理を言って金曜日
の夜に出て大月の友人宅に泊まらせてもらうことにした。これが正解
で金曜日の夜は中央高速もまだ混んでおらず、大月まではほんの1
時間ちょっとで到着した。
翌日は天気も良く、浅間神社前には90名近くの人が集まっていた。
このエコツアーは今年で5回目だそうだが、終着点の山荘ではおにぎ
りと吉田のうどん(名物!)が振舞われるほか、マンザイやジャズの
コンサート、星座の鑑賞教室まで開かれるとあって、かなり人気を
集めているようだった。
http://www.seikanso.jp/eco.html
ともあれまずは浅間神社に道中の安全を祈願し、一行はスタートした。
出だしはまだまだハイキング気分、それが一転したのは、1時間して
ちょうど2合目に到着した頃だった。
下から見る見る雲が伸びてきたと思ったら雷が鳴り始め、やがて大粒
の雨が降ってきた。みな銘々に廃屋となった古い山小屋で雨宿りをし
ながら握りメシに食らい付き、雨具に着替えてそそくさと出て行った。
雨そのものはたいしたことはないのだが、間近で鳴る雷はやはり怖い。
実際にはまだ距離が離れているとはいえ、娘(9歳)は今にも泣き出
しそうだ。頼もしいのは5歳の息子で、「パパと手をつないでいると勇
気が出る」と泣けることを言いつつ、一番ペースが落ちない。
結局ゴミひろい所ではない状況で3時間後に無事、里美平星観荘に
たどり着いた(実際にゴミは思ったよりも少なかった)。
なんとも拍子抜けする話だが、宿に入ってカッパを干して、一息ついた
ら雨が上がり、下界の雲海の合間に河口湖まで見えるようになってい
た。くたくたなはずの子供たちもまかないのうどんに舌鼓を打っていた。
マンザイの「流れ星」の2人も30分以上の大熱演。間近で見る生の
演芸は迫力があった。それにもましてすばらしかったのは清水靖晃&
サキソフォネッツのコンサートだった。
宇都宮にある大谷石採掘場の巨大地下空間でJ. S.バッハの「無伴奏
チェロ組曲」を、テナーサックスで演奏したアルバムは衝撃的で気に入
って聞いていたこともあり、こんなところで聞けるのも奇縁だ。
聴衆は100人ちょっとだったが、標高2400メートルの夕暮れの山小
屋の前庭にひびくサックスの音色は本当に幻想的だった。
しかもあれだけ雨や雷に当たっていたというのに夜空はすでに満天の
星だった。子供たちはすっかり元気を取り戻していた。
私たちはエコツアーなのでここで予定終了。しかし山小屋に宿泊する
大半のお客さんはこれからが本番。すなわち、夜中に出発して頂上
目指し明け方にご来光を拝むことが目的なのだ。
お気楽な私たちは入れ替わるように就寝。文字通り泥のように寝入っ
てしまった。
翌朝もすばらしい天気で、あいかわらず足元に雲海を眺め、7合目付
近まで1時間ほどハイキングに出かけた。
周囲のほとんどが頂上登山を目指す人、あるいはその帰りという中、
異質(妙に明るく笑顔)な集団と映った事だろう。岩場の中ほどでおや
つを食べながら見た光景は、さながら賽の河原を行く集団のようだった。
何でこんなに苦しいのに行くの?そして帰りはすでに歩けなくなって
馬に乗って下山する人、後ろ向きに体を支えられてい歩く人、立てず
に寝転んでしまう人など、様々だった。
頂上を目指すだけが登山じゃない、と思えば、富士山は結構楽しめる
と思うのだが、「やってみたけど2度と行かないだろう」と思うようなら
それはすこし寂しいことだ。
もっとも北アルプスや八ヶ岳など、本格的な登山ルートにはスニーカー
やジーンズ、Tシャツのような軽装者はほとんどいない。ある意味富士
は意味も価値も特殊だと言う背景も大きな理由のひとつだろう。しかし
死亡者はまれだとしてもかなりの人が怪我や病気で担ぎ出されている
ようだし、絶対的にこれだけの人数が限られたルートで歩いているとす
れば「自分のペース」などと言っていられなくなり、無理をしてしまうの
は仕方のないことなのかもしれない。
雨や雷は怖かったけれど、子供たちは多くの自然(動植物や昆虫、空
や星、雲、日の出)に触れ、満足そうだった。
下山して友人の推薦する「麺’ズ冨士山」で吉田のうどんをいただき、
川口湖畔の名湯「野天風呂 天水」で暖まって帰った。
充実の2日間だった。
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