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スポークスパーソントレーニングは必要十分条件に過ぎない

投稿日時:2008/09/08(月) 18:36rss

平日、家に帰ってからの時間は重要だ。食事に入浴、そして子供や夫婦
の語らいも大事にしないと。。
加えて自分の時間となると読書かネットかテレビ、となるのだが、、、その
テレビを見ようと思っても、夜の民放はくだらない芸人の楽屋話ばかりで
いかにもスポンサーが集まらない昨今の状況を象徴しているようだ。

たまたま住んでいるマンションの契約でケーブルテレビが見られるので
時々外国の番組を見ているのだが、外国でも「人工的に作られた番組」
に対する批判が高まっているせいか、最近の傾向としてドキュメンタリー
や「リアリティTV」という、ハプニングも含めてどういう結末になるかわか
らないまま進行する番組が人気のようだ。

topmodel
以前紹介した「アメリカンチョッパーズ」もそのひとつ。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/105/10006107.html

最近のお気に入りは、「America's Next Top Model(アメリカズ・ネクスト・
トップモデル)」と言う番組。これはトップモデルを夢見るモデルの卵が毎週
様々なチャレンジを繰り返し、一人ずつ脱落して絞られていく、というオーデ
ィション型リアリティTVだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/America%27s_Next_Top_Model


http://www.cwtv.com/shows/americas-next-top-model/

単に着こなしや撮影での表現力だけでなく、現場での協調性やリーダーシ
ップ、インタビュー対応までもが評価される。

ここで面白かったのが有名ファッションジャーナリストによる1対1のインタ
ビューだ。もちろん彼女たちは基本的なスポークスパーソントレーニングを
受けていると思われるのだが、優秀なインタビュワーの手腕の前に一人
一人の本音がみごとに暴き出されていくのだ。

私自身もかつて企業広報に属し、メディアリレーションをやっていたのだが、
そのときは厳しいアメリカのスポークスパーソントレーニングを受け、会社を
守ることを念頭においていた。
しかしそのときに学んだことは、メディアの人の話を聞くこと、すなわち、彼
らの目的や狙いをどれだけ理解してサポートできるかと言う姿勢だった。
そうでなければ、「会社の立場で語っているあんたの話なんて興味ないよ」
といわれておしまいなのだ。

この番組のインタビューもまったく同じだ。
気に留めてもらおうと正義感を振り回す人。宗教観や倫理を盾に自分の価
値観を訴える人。自分を客観視できる(どこかの総理大臣みたいだ)と冷静
に自己分析できるが情熱を伝えられない人。最後は本来やってはいけない
はずの他人の批判を展開する人までいた。

通常のスポークスパーソントレーニングでは最初の3人は良いとして最後の
人が問題視されるはずだが、なんと最初に合格した人は他人を批判した、
その最後の人だったのだ。
インタビュワーの講評ポイントは「みんな建前が強すぎでパーソナリティバリ
アを取るのに大半の時間を割いた。最後の彼女がやった他人の批判はあま
りほめられたものではないし、そのことを取り上げるつもりがないが、短時間
で彼女のパーソナリティを引き出すきっかけをいっぱい与えてくれた。限られ
た時間のなかで自分の仕事が一番しやすかったのは彼女だ」というもの。

結局はそれぞれの目的意識の根幹がどこにあるのか、がハッキリしている
からできることかもしれないし、尻馬に乗ったり揚げ足取るしか能がないよう
なメディアの場合は墓穴を掘る場合もあるだろう。

しかし建前ばかりのスポークスパーソントレーニングで理論武装だけしてい
るとメディアばかりか、ダイレクトにユーザーに誹(そし)られる可能性もある。

有名な例は「メントスガイザー(ダイエットコークにメントスを入れると化学反
応で噴き出す)」が流行ったとき、メントス社の対応は「おもしろいじゃないか」
とトップページからYouTubeにリンクを貼ることだったのに対し、コカ・コーラの
広報担当者は
「コーラは実験の道具としてよりも飲んで楽しんでもらいたい。メントスとコーク
で遊ぶのは私たちのブランドパーソナリティに合っていない」
というものだったのだ。このコメントは経営者から見れば100点満点かもしれ
ない。しかしネット上では
「そんなことはわかっている。シャレのわからない会社だ」
と大ひんしゅくを浴びたのだった。

最後は人間力だ、といっては答えにならないが、スポークスパーソントレーニ
ングはあくまでも必要十分条件に過ぎず、相手の狙いを正確に引き出す傾聴
力、そしてダイレクトにそれに答える勇気が求められる。結果が出るのは、あ
くまでもそれからだ。

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1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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