クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
キングジムの「ポメラ」に見る現代のマーケットコミュニケーション(3)
マス広告やニュースリリースの一斉配信によるメディアリレーションの限界という
ようなものがささやかれ始めた。
コンスーマー向けビジネスであろうとビジネス向けであろうと、マーケットコミュニ
ケーションやカスタマーリレーションのあり方を考え直さなければならない時期に
きているのだろう。
「広告だけにお金をかけても企業イメージやブランドを維持できない会社が出て
きた」とさえ言われている。
しかし多くの広報担当者は、今までどおりのメディアリレーションから新たなカバ
レージや影響力が生まれにくい事がわかっていても、踏み出せないままでいる。
先月、キングジムが発売した「ポメラ」と言う商品がある。
私は現物を見ずに予約し、発売日に入手して使っているのだが、この製品は当
初マスメディアによる懐疑的なコメントが多かった。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/103/10011390.html
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/101/10011657.html
しかしその後の状況を見ると様子は一変している。(ファーストロットは完売)
その一旦としてソーシャルネットワークのMixi上でのコミュニティ展開を見てみよう。
ミクシィの「ポメラ」コミュニティはすでに参加者が450人。
中には有名なブロガーも参加しているのだが、みなとても活発で、すでに自主的な
イベントを開催し(参加無料)、メーカーの開発者を呼んでオフ会を開き、意見交換
をしている。
→参加者のブログ
また、「広報室」と言うトピックではどこのメディアにどんなカバレージがあったか
をみんなでピックアップし、それについて感想を述べ合っている。これらはいまま
でお金を払ってPRエージェンシーにお願いしていたような業務だ。
その他、このコミュニティではユーザーインプレッション、新しいアイディア、価格
情報、バックアップソフト、バグ情報の共有、ATOK(FEP)の変換できない漢字の
一覧から「すでにここが壊れた」と言う話まで、かなり活発な情報共有がなされて
いる。傑作なのは原宿のデザインコンセプトショップ、アシストオンのアドバイザー
の大谷和利さんのアイディアで、カバーの塗装が硬質で厚いことを利用し、ホワイ
トボードとして活用する、というものだ。
http://wiredvision.jp/blog/gadgetlab/200811/20081125170000.html
先日の「ディーター・ラムス展」の影響ではないが、この製品の外装カバーにロゴ
や商品名などのプリントが一切ないからできたことだ。(この点も秀逸)
もちろん「顧客が本当に望む商品やサービスありき」なのかも知れないが、完璧な
製品ではなくとも、ここに参加している人たちは自分たちだけで意見交換をするだけ
ではなく、「僕たちが意見を言い、企業が一緒に一緒に考えてくれることでさらに
良い商品を作ってくれるだろう」という期待値が大きいのだ。ユーザーはただ商品を
買うだけではなく、メーカーとの「関係性」を欲しているのだろう。(それが企業コミュ
ニケーション)
企業がこれらの意見を聞くことは言うまでもなく重要だし、広告やイベント、金銭で
時間を買うグループインタビューと比べても同等以上の高い価値を見い出すことが
できるはずだ。
これからのマーケットコミュニケーションはこれらのコミュニティの存在なしには成立
しないのかもしれない。企業はコミュニティを自ら提供(コントロールはできない)する
か、その存在に気づき、認め、サポートするか、だ。
私自身は「ポメラ」のマス広告をまだ一度も見た事はないが、12月中旬の現時点で
ほとんどの店舗、オンラインショップで「在庫切れ入荷待ち」の状況だ。
ようなものがささやかれ始めた。
コンスーマー向けビジネスであろうとビジネス向けであろうと、マーケットコミュニ
ケーションやカスタマーリレーションのあり方を考え直さなければならない時期に
きているのだろう。
「広告だけにお金をかけても企業イメージやブランドを維持できない会社が出て
きた」とさえ言われている。
しかし多くの広報担当者は、今までどおりのメディアリレーションから新たなカバ
レージや影響力が生まれにくい事がわかっていても、踏み出せないままでいる。
先月、キングジムが発売した「ポメラ」と言う商品がある。
私は現物を見ずに予約し、発売日に入手して使っているのだが、この製品は当
初マスメディアによる懐疑的なコメントが多かった。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/103/10011390.html
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/101/10011657.html
しかしその後の状況を見ると様子は一変している。(ファーストロットは完売)
その一旦としてソーシャルネットワークのMixi上でのコミュニティ展開を見てみよう。
ミクシィの「ポメラ」コミュニティはすでに参加者が450人。
中には有名なブロガーも参加しているのだが、みなとても活発で、すでに自主的な
イベントを開催し(参加無料)、メーカーの開発者を呼んでオフ会を開き、意見交換
をしている。
→参加者のブログ
また、「広報室」と言うトピックではどこのメディアにどんなカバレージがあったか
をみんなでピックアップし、それについて感想を述べ合っている。これらはいまま
でお金を払ってPRエージェンシーにお願いしていたような業務だ。
その他、このコミュニティではユーザーインプレッション、新しいアイディア、価格
情報、バックアップソフト、バグ情報の共有、ATOK(FEP)の変換できない漢字の
一覧から「すでにここが壊れた」と言う話まで、かなり活発な情報共有がなされて
いる。傑作なのは原宿のデザインコンセプトショップ、アシストオンのアドバイザー
の大谷和利さんのアイディアで、カバーの塗装が硬質で厚いことを利用し、ホワイ
トボードとして活用する、というものだ。
http://wiredvision.jp/blog/gadgetlab/200811/20081125170000.html
先日の「ディーター・ラムス展」の影響ではないが、この製品の外装カバーにロゴ
や商品名などのプリントが一切ないからできたことだ。(この点も秀逸)
もちろん「顧客が本当に望む商品やサービスありき」なのかも知れないが、完璧な
製品ではなくとも、ここに参加している人たちは自分たちだけで意見交換をするだけ
ではなく、「僕たちが意見を言い、企業が一緒に一緒に考えてくれることでさらに
良い商品を作ってくれるだろう」という期待値が大きいのだ。ユーザーはただ商品を
買うだけではなく、メーカーとの「関係性」を欲しているのだろう。(それが企業コミュ
ニケーション)
企業がこれらの意見を聞くことは言うまでもなく重要だし、広告やイベント、金銭で
時間を買うグループインタビューと比べても同等以上の高い価値を見い出すことが
できるはずだ。
これからのマーケットコミュニケーションはこれらのコミュニティの存在なしには成立
しないのかもしれない。企業はコミュニティを自ら提供(コントロールはできない)する
か、その存在に気づき、認め、サポートするか、だ。
私自身は「ポメラ」のマス広告をまだ一度も見た事はないが、12月中旬の現時点で
ほとんどの店舗、オンラインショップで「在庫切れ入荷待ち」の状況だ。
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