クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
企業のグローバル化とグローバル人材
近年、社内の公用語を英語にする日本の会社が話題になってきましたが、いまだに懐疑的だったり、格好付けているだけではないのか、とか、それを先導しているリーダーの英語力を揶揄する人さえもいます。
そう思われる方のいらっしゃる会社は、まだビジネス環境の変化が顕在化していないのかもしれません。
自分の仕事にその実感がなければ英語化の意義やそれで生じる生産性の低下に疑問が出るのはあたりまえのことです。
しかし変化が起きてからでは遅い、というのが彼らのメッセージなのではないでしょうか?今このようなことを始める会社は、近い将来大きな変化が来ても(起こしても)対応できることを考えているとしか思えません。むしろ変化を自ら起こし、対応できる会社となり、それだけが自分たちが生き残れる術だと信じているかのように感じます。なぜならこの問題は単に公用語だけのことではなく、言語の意識化にあるコンテキストの共有にあるからです。
英語に関してはいくつかのエピソードがあります。
20数年前に、会社の事業内容もロクに知らずに外資系の企業に就職しました。
その会社のことを知る手がかりは大学の研究室に送られてきた会社案内のパンフレットだけでした。
本当は一番行きたかった自動車会社に人事面接で落ちてしまい、教授からは「そこに来ているDMの中から選びなさい」と言われて選んだ会社でした。今にして思えば何とのんびりしたことでしょう。
大して出来の良い学生ではなかったにもかかわらず、マネージャーはよく私を採用してくださったものだと思います。
もし自分が今の時代で就職活動をしていたらどうなっていただろう、と考えることもよくあります。
入社して驚いたことは、それぞれの部署にネットワーク端末と呼ばれるコンピューターがあり、世界中のオフィスとつながっていたことです。
アメリカやヨーロッパの事務所からメールが来ると隣にあるインパクトプリンターがギャーギャーとうなり、蛇腹に折り畳まれたカーボンコピーペーパー(電子メールのCCの出自)が繰り出されていきます。
朝、オフィスの自分の席に着くと自分が読んでおくべきメールのコピーを秘書の方が置いておいてくださっていたのです。
英語で仕事をするなんて当たり前ですが初めてのことですし、入社してからしばらくは正確に理解しようと、午後3時ぐらいまでずっと辞書を引きながらメールを読んでいて直属の上司に「何やってるの?お前の仕事は翻訳ではなく創造することや表現することだろう」と怒られたこともありました。
基本的には日本人だけのデザインチームでしたが、ひとたび外国人の仕事仲間がやってきたらミーティングもランチも、全て英語になりました。
気がつけばそれが当たり前の職場でずっとやってきました。
いつ英語を勉強したの?ともよく聞かれますが、私自身は英語の習得というよりも仕事(デザイン)を理解したい、理解してもらいたい、と、それだけの日々だったのです。
ある時期、仕事に使う固有名詞を書き出して単語帳を作ったことがありますが、それは300語程度でした。あとはいくつかの動詞と形容詞、そして意思表示さえ出来れば会話は成立しました。
一番面白かったのは8カ国ぐらいの人間が集まって会議をしたとき、一番コンテキストを共有できなかったのが本国のアメリカ人だったというこもありました。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/110/10020815.html
時間はかかりましたが少なくとも海外の仲間と働くことに何のストレスも感じなくなれたのは本当にラッキーなことでした。
独立してからもエピソードがあります。
数年前に海外企業に買収され、一夜にして外資系になった企業から問い合わせをいただいたこともあります。買った会社は、これからは自社のイントラネット(当然全て英語)を使え、と言ってくる訳です。しかし日本の会社で働く社員の3分の2は業務で英語を使う日常を経験したことが無い人たちでした。問い合わせはそのイントラネットの統合の話でしたが、現実的にはツールだけで解決できる話ではありません。わたしの提案は先ず広報部を再編して本社とのコミュニケーションをブリッジ(橋渡し)させるチームとそのプロセス作りでした。メンバーには社長室の方にも加わっていただきました。やはりコンテンツ(内容)だけではなく、コンテキスト(文脈や思い)を伝えるプロセスがなければ「もう言ってあるからね」ではコミュニケーションにならなかったのです。
公用語の問題だけではなく、今後企業の中でコミュニケーションに関わる部門や担当の役割は非常に重要になってきます。
なぜなら冒頭の例のように経営者の方が「変化対応して企業が成長していくためにはコミュニケーションが重要だ」ということに気付き始めているからです。
しかし今、このことに気付いているの会社の多くは不祥事や事故で失敗をしたり(悪いことではないですが)買収されたり、会社を取り巻く環境に大きな変化が現れていたりするところばかりです。逆に言えばそういう会社だからこそアクションが早いのかもしれませんね。
今年、IABCという団体の日本支部をスタートさせました。
幸いなことに同年代の経験の豊富な、意識の高い共感者が何人もコアメンバーとして集まってくださいました。
しかし驚いたのは逆に参加に興味を持ってくれた若い方から感じる「焦燥感」です。
今の会社や社会のペースでは遅いのではないか?と感じている方が現れ始めたのはとても有望な兆しだと思います。
今年は慎重に「仕込み」を行ってきました。来年は年明けから色々とアクションをとる予定です。
ご興味をいただける方はお気軽にご連絡ください。
http://www.iabc.jp/
そう思われる方のいらっしゃる会社は、まだビジネス環境の変化が顕在化していないのかもしれません。
自分の仕事にその実感がなければ英語化の意義やそれで生じる生産性の低下に疑問が出るのはあたりまえのことです。
しかし変化が起きてからでは遅い、というのが彼らのメッセージなのではないでしょうか?今このようなことを始める会社は、近い将来大きな変化が来ても(起こしても)対応できることを考えているとしか思えません。むしろ変化を自ら起こし、対応できる会社となり、それだけが自分たちが生き残れる術だと信じているかのように感じます。なぜならこの問題は単に公用語だけのことではなく、言語の意識化にあるコンテキストの共有にあるからです。
英語に関してはいくつかのエピソードがあります。
20数年前に、会社の事業内容もロクに知らずに外資系の企業に就職しました。
その会社のことを知る手がかりは大学の研究室に送られてきた会社案内のパンフレットだけでした。
本当は一番行きたかった自動車会社に人事面接で落ちてしまい、教授からは「そこに来ているDMの中から選びなさい」と言われて選んだ会社でした。今にして思えば何とのんびりしたことでしょう。
大して出来の良い学生ではなかったにもかかわらず、マネージャーはよく私を採用してくださったものだと思います。
もし自分が今の時代で就職活動をしていたらどうなっていただろう、と考えることもよくあります。
入社して驚いたことは、それぞれの部署にネットワーク端末と呼ばれるコンピューターがあり、世界中のオフィスとつながっていたことです。
アメリカやヨーロッパの事務所からメールが来ると隣にあるインパクトプリンターがギャーギャーとうなり、蛇腹に折り畳まれたカーボンコピーペーパー(電子メールのCCの出自)が繰り出されていきます。
朝、オフィスの自分の席に着くと自分が読んでおくべきメールのコピーを秘書の方が置いておいてくださっていたのです。
英語で仕事をするなんて当たり前ですが初めてのことですし、入社してからしばらくは正確に理解しようと、午後3時ぐらいまでずっと辞書を引きながらメールを読んでいて直属の上司に「何やってるの?お前の仕事は翻訳ではなく創造することや表現することだろう」と怒られたこともありました。
基本的には日本人だけのデザインチームでしたが、ひとたび外国人の仕事仲間がやってきたらミーティングもランチも、全て英語になりました。
気がつけばそれが当たり前の職場でずっとやってきました。
いつ英語を勉強したの?ともよく聞かれますが、私自身は英語の習得というよりも仕事(デザイン)を理解したい、理解してもらいたい、と、それだけの日々だったのです。
ある時期、仕事に使う固有名詞を書き出して単語帳を作ったことがありますが、それは300語程度でした。あとはいくつかの動詞と形容詞、そして意思表示さえ出来れば会話は成立しました。
一番面白かったのは8カ国ぐらいの人間が集まって会議をしたとき、一番コンテキストを共有できなかったのが本国のアメリカ人だったというこもありました。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/110/10020815.html
時間はかかりましたが少なくとも海外の仲間と働くことに何のストレスも感じなくなれたのは本当にラッキーなことでした。
独立してからもエピソードがあります。
数年前に海外企業に買収され、一夜にして外資系になった企業から問い合わせをいただいたこともあります。買った会社は、これからは自社のイントラネット(当然全て英語)を使え、と言ってくる訳です。しかし日本の会社で働く社員の3分の2は業務で英語を使う日常を経験したことが無い人たちでした。問い合わせはそのイントラネットの統合の話でしたが、現実的にはツールだけで解決できる話ではありません。わたしの提案は先ず広報部を再編して本社とのコミュニケーションをブリッジ(橋渡し)させるチームとそのプロセス作りでした。メンバーには社長室の方にも加わっていただきました。やはりコンテンツ(内容)だけではなく、コンテキスト(文脈や思い)を伝えるプロセスがなければ「もう言ってあるからね」ではコミュニケーションにならなかったのです。
公用語の問題だけではなく、今後企業の中でコミュニケーションに関わる部門や担当の役割は非常に重要になってきます。
なぜなら冒頭の例のように経営者の方が「変化対応して企業が成長していくためにはコミュニケーションが重要だ」ということに気付き始めているからです。
しかし今、このことに気付いているの会社の多くは不祥事や事故で失敗をしたり(悪いことではないですが)買収されたり、会社を取り巻く環境に大きな変化が現れていたりするところばかりです。逆に言えばそういう会社だからこそアクションが早いのかもしれませんね。
今年、IABCという団体の日本支部をスタートさせました。
幸いなことに同年代の経験の豊富な、意識の高い共感者が何人もコアメンバーとして集まってくださいました。
しかし驚いたのは逆に参加に興味を持ってくれた若い方から感じる「焦燥感」です。
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今年は慎重に「仕込み」を行ってきました。来年は年明けから色々とアクションをとる予定です。
ご興味をいただける方はお気軽にご連絡ください。
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