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2006年06月13日(火)更新

情報は提供する(出す)人のところに集まる

女性コミュニティサイト、イーウーマンを主宰する佐々木かをりさんは、
かつて著書「ギブ&ギブンの発想」の中で、コミュニケーションとは、
まず「自身の最高」を与える事によって、相手から受け入れられ、同
様に良い影響をもらえる、と書かれていました。
ほかにもこの本からは、とても前向きになれる言葉をたくさんいただ
きました。

このこと(ギブ&ギブン)は、本当にコミュニケーションの基本だと思い
ます。
様々な企業コミュニケーションの中でも、「広報コミュニケーション」は
「お金を生みにくい」ので「人とお金がかけにくい」という状況がありま
した。
しかし、今までは特定のステークホルダーに対応すればよかったのか
もしれませんが、インターネットの時代はその対応も多岐にわたり、さ
らにスピードと、継続性が求められています。

最近では外資系エレベーターメーカー。ちょっと前では自動車メーカ
ーや食品メーカーの対応が話題になりましたが、自分がこの企業の
広報担当だったとしたら、どのタイミングでどんなことが考えられただ
ろう?といつも考えています。
日ごろから危機に備えるチャンスや心構えがあったとしても、予想し得
ないことが起きるから危機だったりするわけで、いくら上司や経営者と
対策を話していたとしても、その場で危機を救う(広げる)のは、姿勢
しかないのかな?とも思われます。

エレベーターメーカーの対応についても、「現在、警察の事情聴取が行
われていて、企業のステートメントを公表できない」というのは、六本木
ヒルズの回転とびらの事故のときの森ビルの対応とほぼ同じでした。

しかし派生して出てくる様々な憶測やうわさ(あるいは事実)に対しての
対応には未解決であったことが、現在の状況を招いているとすると、簡
単には良い方向にメッセージを向けるのは容易いことではありません。

最近は消費者も社員もブロガーでメディアと直結しています。
社長がブログをしていれば直接モノを言ってくる人もいます。
ますます、日ごろから「何をGIVEしているのか?」が問われることとな
ってきます。

最近間接的にお話を伺ったニフティの古河社長のブログ。ココログの技
術的な不備やトラブルがあり、ほぼ数ヶ月、数百のトラックバックを受け
いわゆる「祭り」状態になっていますが、削除せず、逃げず、真摯に対峙
して広報の対応すら待たず、現在の状況を正直にできるだけ開示してい
こうとする姿勢はものすごい勇気だと思います。

ニフティはパソコン時代から色々な問題を解決しながらサービスを築い
てきた歴史があります。
この状況を乗り越えたとき、リレーションを切らずにやってきたことが、
ものすごい資産になると信じています。

2006年05月09日(火)更新

社内コミュニケーション

イントラネットや、社内報など、社内コミュニケーションに関わる相談も
よく受けます。もちろんブログ導入の話もいただきますが、闇雲に企画
提案する前に状況をヒアリングすることがとても重要です。

いきなりこぼれ話ですが、「ブログツールは安いので、イントラとして全
社導入したが、積極利用しようとする人がほとんどおらず、失敗した」
という話を聞きました。
「仏作って魂入れず」ではないですが、こういうことで「BLOGはダメだ」
とか「BLOGは慎重に」といわれるのはちょっと心外なのです。

なぜなら、ツールの選択以前にインターナル(社内)コミュニケーション
の成功には、ある重要なポイントが有るからなのです。
それは、「経営の理解と組織の横断的なつながりを作ること」で、私は
「クロスリレーション(C)」と呼んでいます。

上記のような相談のほとんどが、広報か人事から来るのですが、その
部門だけの予算、あるいは管理で行われることが多く、結果的に非常
に限定的な活動になりかねないのです。

小さな会社なら、社長のトップダウンである程度カバーできるかもしれま
せんが、大きな企業ほど、セクショナリズムによるコミュニケーションの
弊害を感じていることも珍しくないのではないでしょうか?

私自身はサラリーマーン時代に広報だったのですが、そのときにやって
いたのは部門を横断的につなぐコミュニケーションを作ることで企業メッセ
ージの風通しをよくしようということでした。

私自身の活動原資は広報部、および経営企画室からのサポートを得て
いましたので、それこそ、総務、マーケティング、人事部にまで顔を出し、
工場のサインシステム、環境キャンペーンポスター、販促ノベルティの
デザイン、展示会ブースの企画、採用DMや入社案内、新人教育セミ
ナー、会社案内、社長のプレゼンテーション、ポートレート撮影、プレス発
表会の司会まで、いろんなことをやってきました。

しかし、こうやって組織横断的に仕事をすることで、色々な部署から信頼
をいただくことができ、結果としてインターネットやイントラネットを企画する
際、ほとんどの方から協力を取り付けることができたのです。

「ギブアンドテイクはギブが先」とか「ギブアンドギブン(まず与えるものに
与えられる)」と言われますが、この考え方とネットは親和性が高いのか
もしれませんね。

2006年04月27日(木)更新

「コミュニケーションを創る」ということ

サラリーマン時代に、マーケティング企画で小室哲哉さんに
インタビューする機会がありました。

当時は時代の寵児、といった感じで、インタビューも、とても
緊張しました。
私の質問は、
「そんなに忙しい中で、どうしてこんなにたくさんのアーティス
トをプロデュースできるんでしょう?」
というもので、それに対する小室さんの答えに大変(意外で)
感心した覚えがあります。

彼は、こんな風に言いました。
「まずはアーティスト本人、というよりも、僕は若い人たちが
どのように音楽を楽しんでいるのか、もしくはどんな音楽の
楽しみ方を欲しているのか、を考えます。例えばカラオケで
歌いたい、とか、一緒に踊りたい、とか、そういうことです。
それで、みんなが望んでいるものの断片(頭に浮かんだメ
ロディやリズム、フレーズなど)をいっぱい引き出しに溜め込
んでいるんですよ。で、アーティストとは、いきなり仕事、と
言うよりも食事をしたり、街を歩いたり、何かを見たり、話をし
たり、一定時間一緒にすごしてみるんです。そうすると、その
人がどんなメッセージを伝える力を持っているのか、が見え
てくる。で、それに合わせて引き出しの材料を当てはめていく。
そういうプロセスなんです。」

まずはマーケット(最終顧客)を見定める。その上で、アーティ
ストはメッセージを伝える「メディア」と捉えていたんです。
彼は、音楽を創ることを通じて、時代感を伝えるコミュニケー
ションをしていたんですね。

「ああ、これなら売れるわけだ」と素直に思いました。

その後、独立する際に、自分達の仕事を考えるときにとても
参考になりました。

2006年04月19日(水)更新

日本PR協会主催「新人のための広報講座」

昨日は銀座ラフィートで行われた、日本PR協会主催「新人のための広報講座」で一コマいただき、「ITと広報(知っておきたい広報パースンのWebテクニック)」と題してお話をしてきました。

今年で3年目、企業の広報やPRエージェンシーに入社した新人やあたらに配属になった方々が対象。
約70人近いフレッシュな方々と会うことができました。

インターネット関連の講演やセミナーは、トピックの進歩や新しい事例が多いので、毎回毎回、レジメはほとんど書き換えになってしまいます。

話は「Webによって変わる広報」、「企業とインターネットの関係」、「広報・コミュニケーションプロフェッショナルの可能性」という3本立てで、主に事例を中心に飽きないようにお話させていただいたつもりです。
MIXI参加率も8割近い方々ですから、広報の仕事を通してネットへの関わりの大きさも身近に感じていただけたのではないかと思っています。

2006年04月18日(火)更新

4月にはいるとセミナーが増えます

私の会社の仕事は、主に企業の経営や広報の方向けに、WEBの
活用や戦略企画、または実制作、運営管理指導などを行うことです。

文章で書くと固いのですが、ひらたくいうと、
「10年WEB使ってきたけど、相変わらず技術専門用語が多くて、
どうにもよくわからない。」
という企業の方々のサポートを行っているのです。

自身が企業広報として、10数年前にWEB管理の仕事をはじめたの
がきっかけですから、独立後も「WEB制作会社」というよりは、「企業
WEBマネージメントのお手伝い」というニッチマーケットを目指そうと
志しました。

いわゆる制作会社さんと一番大きな違いは、「企業WEBマスターの
視点から」のセミナーをかなり多く実施している、という点かもしれま
せん。

昨年は延べ回数が27回でした。
今年の目標は50回です。

そんなわけで私のセミナーも年初は毎年スロースタートなのですが、
4月になるといきなり数が多くなります。
昨日は、昨年よりコンサルティングに入っている、ある財団法人さんの
WEB活用現状調査と今後の改善の可能性についてのまとめのセミ
ナー(というかプレゼンテーション)でした。

財団理事長はじめ、トップの方が勢ぞろいして総勢30名のまなざしが
刺さるようでしたが、直言を快く受け止めていただき、ほっとしました。

本日も日本PR協会主催「新人のための広報講座」で、「ITと広報
(オンラインPRの実際)」という題でお話をさせていただく予定です。

普通はある「セオリー」を持っているとセミナーをやるにもレジメを使い
まわしできるので、結構楽だ、というセミナー講師の方もいるようですが、
オンラインPR関連はアップデートがはなはだしく、毎年、毎回、ほとんど
作り変えています。

一人でも多くの「仲間」を作るために、と思うと、大勢の前でお話しする
のもなぜかあまり苦ではなくなります。

2006年04月13日(木)更新

「月刊PRIR」主催セミナーに参加してきました

昨日は、セミナー講師としてお世話になっている「宣伝会議」さんの
「月刊PRIR」主催セミナーに参加してきました。

昨年、日本PR協会での久米さんとの対談のときも話題になっていた
「ネットは新聞を殺すのか-変貌するマスメディア」
の著者、時事通信社編集委員、湯川鶴章さんのお話でした。

「メディアから見たネット広報活用事例」ということで、今月号の「月刊
PRIR」のインタビューに添ったお話をわかりやすく紹介してくださり、
人柄が伝わってくる良い講演でした。
近々まとめてお話しますが、先月参加してきたシリコンバレーのコン
ファレンスでも、ブログなどによるシチズンジャーナリズムの台頭で既
存メディアやジャーナリストがどのような影響を受けるのか、という議
論が盛んにされていました。
米国でも、やはり率先して変化対応しているジャーナリストが何かを
掴んで一歩先をリードする、という印象でしたが、同様のものを湯川さ
んにも感じました。

「今、ある記事で僕のブログはまさに炎上中なので、その対応も含め
て見て欲しい」とおっしゃっていました。
すごい腹のくくり方。
ですのでお話を聞いていても「ひとごと」ではない迫力がありました。

世の中の変化を伝えることに終始し、それを自分のこととして危機感
をいだいている記者(のみならず、メディアやコミュニケーションに関わ
る仕事をしているすべてのビジネスパーソン)が、いったいどれだけい
るのかを考えると、湯川さんのように世の中の変化を先んじて受け入
れ、自ら実践し、変革しようとしている人を見ると、その勇気に大変共
感します。

まだまだ日本には少ないジャーナリストだと思います。
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会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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