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2009年06月08日(月)更新

「ネットのクチコミ」を支える企業の変化が必要

日本経済新聞「日経PLUS1」に、は「ネットのクチコミ、参考にする
?」という記事がありました。
http://www.nikkei.co.jp/p1/

掲示板やブログ、コミュニティサイトなど、ネット上の口コミ情報を参考
にしている人は全体の8割を超える(母数1000超)一方、頼って失敗
した人も同様に8割近くいたそうです。

ただ、記事にもあるように「口コミで失敗しないために」出来るだけ多く
のサイトを見たり、ほめ過ぎ、けなしすぎの情報を参考にしないなど、鵜
呑みにせず、自身の判断力を磨く努力を重ねているようです。
それでもなぜ、このような口コミ情報を参考にするかというと、まだまだ
企業側の情報がスペックやプロモーション情報が中心で「想い」や「気持
ち」が伝わらない、という一面もあるのではないでしょうか。

最近は企業が出すCSRレポートや環境報告書、アニュアルレポートなどに
現場や社員の声、お客様の声に応える姿などが記載され、上記のような変
化が少しずつ見られるようになってきました。
しかしそれは、印刷物としてのこれらを作るための企画プロセスがしっか
りしており、経年の予算確保があるから可能になっている気がします。
Webの場合、これら印刷物ベースのコンテンツの転用以外、企業がオリジナ
ルにコンテンツ企画を掘り起こす機会がまだまだ少ないようです。

Webの良いところ、印刷媒体と違うところは沢山ありますから、このメディ
アの特性を活かしたオリジナルの企画があってしかるべきなのですが、Web
単体ではなくほかのメディアからの引き込み(クロスメディア・アプロー
チ)や社内コミュニケーションとの融合がポイントとなります。

それを実現するためには企業広報やコミュニケーション担当者は部門を超
えた業務理解、もっといえば経営理解に基づいたコミュニケーションプラ
ンを考える必要があります。

今は「ユーザーとの対話を促進する会社がブランドを形成できる時代」と
言われていますが、そのためには本気で思いを伝え、そしてユーザーの会
話を受け止めなければいけません。

そう考えると、既に世の中ではすでに気恥ずかしくさえ聞こえる「Web2.0」
の真意を全うしている企業は、実はまだ少ないとも言えるのです。

ブロガーリレーションやインフルエンサーマーケティングも、小手先の
施策では持続効果はありません。
そのためにはやはり、企業側のコミュニケーション基盤をしっかりと作り
こむ必要があると思います。

「やったつもり」「出すべき情報は全て開示している」とタカをくくって
いると、ユーザーは離れて行く事になるでしょう。

2009年06月05日(金)更新

企業ブランドと色:M&M''sチョコレート

手元に古いお菓子のパッケージがあります。

アメリカの有名なチョコレートキャンディーでM&M’sというものです。

ただ、少しいつもと違うのは、パッケージがほぼ、モノトーンだという
ことです。

mmsbw

これらは約5年ほど前にアメリカで行われた

「Help! find our colors!」

というキャンペーンの時のものです。
このキャンペーンは、一定期間、M&M’sの3種類のチョコレートが、
パッケージだけでなく、中身もすべてモノトーンになるというものです。

ただし、その膨大なパッケージの中の(確か)6袋だけ、すべて黄色、
青、赤、茶色、緑、紫、というようにカラーのものが有って、それに当た
ると同じ色のフォルクスワーゲンビートルとフロリダ旅行が当たるとい
うことでした。

その頃はあまり米国出張がない時期でしたので、向こうに住んでいる
友人にメールを送り、悪いけどウォルマートに行って5袋ぐらいずつ買
って送ってくれないか?とお願いして取り寄せました。
(たしか日本では当時のソニープラザでも扱わなかったと思います)

もちろん当たるはずもありませんが、実はこのキャンペーンの時の
M&M’sのウェブサイトがすごかったのです。
(スクリーンキャプチャを残さなかったのが悔やまれます)

このキャンペーン期間中、ブランドサイトはおろか、コーポレートサイトも
すべて、モノトーンのものに作り変えてたのです。
M&M’sチョコレートを使ったお菓子作りのレシピのコーナーも、モノ
トーンのお菓子のレシピになっていましたし、実は「NASCAR」と呼ば
れる自動車レースにもスポンサーになっているのですが、そのレーシ
ングカーまでモノトーンにするほどの徹底振りでした。

mmstv

キャンペーンサイトやブランドサイトだけで実施するなら期間限定でも
力技ですむでしょう。

しかし企業サイトやスポンサー先までやりぬくのは、全社的なコミュニ
ケーションマネージメントが必要でしょうし、このような会社はたぶん
それらをトップマネージメントから全員が楽しんで実行していたのでは
ないかと思います。
(素で考えると「無駄なことはやるな」とか言われそうですから)

「カラフル」さがアイデンティティとも言えるブランドの、逆手に取った
大胆なアプローチに、Webを眺めながらしばしため息をついていました。

もしこれを今の時代に行っていたら、きっと多くの人たちがブログやユ
ーチューブやトゥイッターのようなコミュニケーションツールで広めてい
ったことでしょう。

組織を超えたコミュニケーションの力を活かせば、まだまだプロモー
ションやコミュニケーションの可能性はいっぱいあると思います。

2009年05月18日(月)更新

姫路研修

先週は木曜日の晩から姫路に移動し、金曜日に1日研修を行って
きました。
早いものでこの社会人学校にお世話になり7年が経ちます。

基本的には新任管理者や幹部候補研修の一環ですが、「プロの
仕事術」と称し、プレゼンテーションや会議、思考を素早くまとめる
発想法などの座学とワークショップを行いました。

当初はパワーポイントの作り方を教えてくれと言われ面食らった事
もありましたが、今はかなり的を得た気づきや反応を得られるように
なりました。

研修自体は毎年少しずつ進化、というか改善していますが、今回も
それなりの達成感を感じるが故、私自身はこの講座自体はあと少し
長くても10年目くらいでリタイヤすべきかな、と思っています。

マンネリや流行り廃りではなく、きっと業務生産性についての考え方
も価値観も、今の自分のスピードよりも早いスピードで咀嚼してぶつ
けるパワーのある人に、全く違うアプローチで組んでもらった方が良
いのだと思います。

私自身もまた、上記のテーマとも普段メインに実施しているオンライン
コミュニケーションセミナーとも違うテーマを探して1からオリジナルな
人材育成プログラムを新たに作ってみたいと思います。
(この学校のお仕事と縁を切るということではないのです)

姫路は何年も通っていて余り新しい発見はないかなと思っていまし
が、今回は色々ありました!
その一つが駅そば商店街で発見した鯛餡堂の「白い鯛焼き」です。
かなりモチっとした食感で冷めても美味しく、かなり人気でした。
狭いお店の中は全て黒いTシャツのユニフォームを着た若い女性で
揃え、なかなかブランディングにも力を入れているようでした。

taiyaki

2009年05月14日(木)更新

予定通り渡米します

昨年の6月に始めて参加したIABC(国際ビジネスコミュニケーター協会)
インターナショナルコンファレンスに今年も参加することにしました。

世界中から企業コミュニケーションに関わるさまざまな企業、団体の方が
集まり、4日にわたり議論を交わす会議です。

去年は大統領選挙にも象徴的にとりあげられた「変化」への対応、そして
インナーコミュニケーションへの意識の高さが印象的でした。
今年はある意味社会のほうが大きく変化しましたので、どのような議論が
交わされるのか、興味津々です。
米国で開かれるのである程度米国企業が中心とはいえ、アジアやヨーロ
ッパの企業からの参加者の意見も少なくありません。
いずれにせよ、参加した私が見るに付け、多くの日本企業に見受けられる
コミュニケーション担当者の性向と違い、変化対応に対し積極的な方が
多い、というか、そうでなければ自身の役職が維持できなくなるかもしれ
ないという危機感にあふれていました。

情報化に対する適応は正直なところそんなに彼我の差はないのかな、と
感じますが、それらをつるしで使って「こんなものか」と見切っているのと、
「自分たちが使いやすくするためにはどう変えていけばよいのか」と常に
考えているというような差(日本企業は前者)も大きく感じました。

さて、今年の大会への参加ですが、このような市況、そしてインフルエン
ザの騒ぎが起きるとは夢にも思わず、かなりはやい時期に参加申し込み
をしていました。事前予約すると安いということもありますが、自分の中に
マイルストーンができるとやる気も出るということもありました。

市況はいかんともしがたいですが、インフルエンザはやはり心配で、米国
にいる何人もの友人にメールで様子を聞きまくっています。

現在の状況は過剰報道気味かも知れないが、いまのうちはそのぐらい慎
重に対処したほうが今後(来年以降より強靭に変異するかもしれない)の
ためには良いのかもしれない。ただ、お前の年齢ではそんなに心配しなく
てもいいのでは?という喜んでよいのか良くわからない返事ばかりでした。

社員と家族はあまり良い顔をしていませんが、楽しみと緊張があいまって
遠足前の小学生のようです。

2009年04月14日(火)更新

お詫びとお知らせ

不定期ではありますが、今までお仕事やセミナー、講演などを通じて
ご挨拶差し上げた方々に、メールにて情報提供(メールマガジン)を
実施しておりましたが、一部の方に対し
「受信同意のない宛先に対する配信行為」
という不適切な方法での配信がありました。

今後は、今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に努めるとともに、
より一層管理体制の強化と信頼回復に取り組む所存です。

http://www.crossmedia.co.jp/


平成21年4月14日
クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 雨宮 和弘


2009年04月07日(火)更新

記憶に残るコミュニケーション

 毎年4月の第1週のクリッピングは日本経済新聞や日経産業、日経流通各紙に
発表される、各企業の入社式における社長訓示です。
これも毎年続けているとコミュニケーショントレンドが見られてとても興味深い
ものがあります。企業不祥事が続出した年は倫理観の引き締め、企業合併や業界
再編が盛んだった年は柔軟性や適応性、そしてプロフェッショナル意識を持て、
というようなメッセージが多く見受けられました。そしてここ2年ほどは業界を
問わず「コミュニケーションの重要性」を取り上げていたのが特徴です。

 今年の各大手企業の社長訓示のテーマは、市況の流れから「危機の捉え方」に
関するものがほとんどでした。

いくつか取り上げてみると、

「難局を乗り切るために意欲的に挑戦する社員には協力を惜しまない(大成建設)」
「現状維持では破滅、との問題意識で挑戦と創造に努力する(三井物産)」
「嵐を生き抜き、強固で身軽な体質に変革しなければならない(ソニー)」
「試練は次代に飛躍するチャンス。苦境で人は磨かれる(三菱マテリアル)」

といった具合です。
その中でも他社とは少し違い特徴的だったのがエーザイの内藤晴夫社長がおっし
ゃった、

「患者と家族の喜怒哀楽を考え、そのベネフィット向上に貢献するのが理念。
そのための組織やプロセスの転換を図っている。新人の皆さんは患者や生活者の
潜在的な欲求を共有し、その願いを実現することを志して欲しい」

というコメントでした。
上記のコメントも記事の要約ですが、短いセンテンスの中に社員が具体的に想像
し、行動に移しやすい「思い」がしっかり詰まっています。きっと、とてもコミ
ュニケーションに長けた社長さんなのでしょう。(ウェブサイトを拝見しても、
そのあたりが伝わってきます)


 トップのスピーチは社長自身が考える場合と広報で用意する場合があると思い
ます。いずれにしても忘れられがちなのは「その後」。すなわちその内容を租借
し、現場レベルに落としていく作業です。もちろんそれは企業広報などコミュニ
ケーションに関わる部門の担当者の仕事なのですが、意外に忘れられている場合
が少なくありません。この時期の社内報や社内コミュニケーションのテーマとし
て単に入社式の写真やコメントを掲載・伝達するだけでなく、このようなところ
から始められれば、せっかくの社長のコメントが一過性のものにならず、社員の
心へと根付いていくことでしょう。

===============================================================
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===============================================================

2009年04月06日(月)更新

「経済広報 2009年4月号 No.356」に掲載されました

繰り返しですが、先にもお伝えした2月の経済広報センターのセミナーの内容は
センターの会報誌「経済広報356号」にて、なんと巻頭4ページに渡り、お世話
になった国内広報部主任研究員の子安さんより紹介をいただきました。

keizaikoho356←詳しくはクリック

同日ご一緒した東京海上日動火災保険の広報グループ、宮内敦夫さんのプレゼ
ンテーションの内容も紹介されています。東京会場日動さんではコーポレートサイ
トにも様々な工夫が施されており、「トータルアシスト」のテーマに基づいたインタ
ラクティブなコンテンツに加え、消費者啓発やキッズ向け、CSR的なコミュニティコ
ンテンツなど、とてもバランスよく、内容も充実しています。
じかにお話を伺って強く感じたことは、ウェブサイトが「継続していくことで信頼
を築くメディアだ」ということを会社が良く理解している、ということでした。
「広告と比べても、ウェブは全体コストがかからない上に費用対効果が高いので
予算を削るようなことはしない」ともおっしゃっていました。会社としてここまで見切
っていらっしゃると、ご担当者としても仕事のやりがいも相当高いでしょう。
非常に闊達にお話されている姿が印象的でした。

基本的には定期購読いただく冊子ですが、安価で内容の濃いハンディな機関誌
です。ぜひ手に取る機会を持ってみてください。弊社ご訪問の際には積年のバック
ナンバーがそろっております。

http://www.kkc.or.jp/pub/period/keizaikoho/index.html

2009年04月02日(木)更新

「広報会議」5月号に2月の経済広報センターフォーラムのレポートが掲載

4月1日発売の宣伝会議「広報会議」誌136ページに、2月16-17日に
御殿場の日本経団連研修センターで実施された「経済広報センターフォー
ラム:インターネット次代の企業広報」セミナーの様子がレポートされていま
す。ご参照ください。

kohokaigi200905

http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/
また、この号では複数の友人・知人が取り上げられています。

最初の「新任広報の10に基本」の特集では、いつも私のセミナーに参加し
てくださる、日本ケロッグの広報室長で、栄養学博士、日本PR協会認定PR
プランナーでもある井出留美さんが普段持ち歩く7つ道具やデスク周りの整
理のコツなどを詳しく紹介されています。

この時期は日本PR協会でも「新人広報担当者のためのトレーニングセミナ
ー」
を実施しますし、まさにタイムリーでわかりやすい特集ではないでしょう
か。

「海外PRの実践テクニック」の特集では、ニュースワイヤサービスのトップ企
業のひとつ、ビジネスワイヤー・ジャパンの輿水さん、櫛田さんが「海外メディ
アの最前線」と題し、ウェブや紙媒体のメディアについて欧米のみならずアジ
ア、中東もカバーしてそれらの特徴を詳しく紹介しています。

以前のエントリーでも「ジャパンミッシング」と書きましたが、日本企業の海外
での認知や信頼構築はまだまだ手薄だと思います。
多くの日本企業の海外向けのウェブサイトをみると、まだまだアニュアルや
会社案内の英語版の情報を列記しているのみ、というところも少なくありま
せん。

「広報会議」誌は旧「PRIR」から誌名変更を受けて以来、内容の充実が進み
読みやすく、且つ内容が充実しています。
今まではなかなかなかったことですが、社会や企業の中で「広報」の認知や
重要度が増してきた現われだと思います。

2009年03月25日(水)更新

「Design IT!」に見る秀逸な編集デザイン

弊社ではオンラインPR(企業コミュニケーションのウェブ活用)を中心に
仕事をしていますが、ご相談を受けている上で、紙媒体に話が及ぶこ
とは少なくありません。

何度も書きましたが「紙の社内報をやめてイントラに一本化したい」
というようなものです。単に読まれないからやめる、ではなく、読まれる
ための「価値化」を見直すようアドヴァイスしています。

本当は紙媒体の企画編集も(相当)好きなのですが、いまは会社の規模
やフォーカスもあり、できるだけウェブに特化したサポートを心がけていま
す。

しかし、ウェブを考える上でも、紙媒体はとても重要になります。
すなわちインターフェイスを考える上でも編集デザインは人にモノを伝える
画面構成の基礎となっているからです。
この編集デザインに(数百年に及ぶ印刷の歴史から見れば軽い)変革が
訪れたのが約20年前、マッキントッシュコンピューター(ATMフォント)の
普及とDTPの一般化です。

しかし簡便に誌面構成ができるツールの登場と裏腹に、基礎の鍛錬に
時間をかけることができなくなってしまい、残念なことに若手レベルのデ
ザイナー編集デザイン能力はなかなか上がりません。

「これが新しい編集デザインなんだ」といわれても、本文がゴシック体で
文字間の調整もなくくまれた「流行通信」を見たときはちょっと残念な気持
ちになりました。

ウェブの画面構成を見てみても、ただでさえ画面で文字を読ませる苦痛を
考慮して作られているサイトが意外に少ないのに驚かされます。
特に第3階層以下のコンテンツレイヤーでは「流し込み」されているに過ぎ
ないページが多く、これではコンテンツ以前に読む気が失せてしまいます。

良いサイトをいっぱい見て勉強するのも良いですが、手っ取り早いのは
編集デザインの質の高い雑誌を手にとって見ることです。

「Casa Brutus」や「AXISマガジン」は目次のレイアウトから気を抜いていま
せん。
http://magazineworld.jp/casabrutus/
http://www.axisinc.co.jp/publishing/

以前も紹介しましたが、メルセデスベンツのオーナー向け雑誌「Mercedes
Magazine」は間の取り方も秀逸です。

また、最近のオススメはリックテレコムさんから出されている「Design IT!」
という雑誌です。
http://www.designit.jp/

たまたま編集に関わる方に伺ったところ、レイアウト編集はかなり若い方が
やっていらっしゃると聞きましたが、構成、色、文字組み、どれをとってもハイ
レベルです。
ウェブに関わる方でしたら内容もぴったりです。ぜひ書店などでお手にとって
見てください。良いヒントにあふれています。

2009年03月24日(火)更新

成田空港での貨物輸送機事故に対する危機管理報道

昨日の朝、朝食を採りながらニュースを見ていると、とてもショッキングな
映像が目に入ってきました。
フェデラルエキスプレスの貨物輸送機が着陸に失敗し、炎上、大破する
一部始終でした。

出勤してウェブで調べたところ、フェデラル・エキスプレスの日本法人の
ウェブサイトでは、未対応(丸一日たった今でも)のままになっています。
http://www.fedex.co.jp/welcome.html

ただ、本社の米国のサイトでは事故から3時間後にはきちっとステータスを
表明していました。
http://news.van.fedex.com/narita
帰宅して日本のスポークスパーソンのメディア対応を見ていましたが、記
者の(日本語の)質問に対し、英語での返答の場面だけが写されており、
その内容はほとんどが

「現在調査中でプライバシーの問題もあるので死亡したスタッフの経歴や
積荷の内容も今は公表できない」

というものでした。

これだけみると一般の人の印象は複雑です。

しかし本社の副社長が特別機で夜中の2時半に日本に来ている点など、
本社の危機対応は徹底されているように思うので、きっと日本のスポーク
スパーソンには昨晩の時点でそれ以上の発言権はなかったのではない
でしょうか。これも理解できます。

メディア対応の難しい点は、社会的な責任をわきまえた上で会社の立場
をきちんと守らなければならないところにあるのですが、その上でメディア、
ひいてはその先にある社会に対しての共感や理解を取り付けられるか否
か、が、その後のブランド、さらにはビジネスの復旧に影響を及ぼします。

ご苦労されている当事者の企業の方には恐縮ですが、危機対応はこの
ように経過を観測するとその企業の「コミュニケーション姿勢」が見えてき
ます。
最近はリリース打って記者会見やっておしまい、という企業が多いので
あまり危機対応の参考になる事例は少ないのですが、今回のフェデックス
の事例は(また渦中ですが)、対応に見るべきものがあるような気がします。

ちなみに上記で紹介した米国本社のニュースのページは良く見るとかなり
できのよい「プレス対応サイト」になっています。

リリースそのものへの評価機能に加え、FAQやトゥイッターでの意見交換、
会社の諸元データの一覧など、とても使いやすいつくりになっています。
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会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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