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2008年12月04日(木)更新

今年のオープンセミナーが修了

ホームランバッターではないが、今年も昨年同様、セミナー数40本
単位時間コマ数で60本を越えた。

12月の後半にある企業から受託しているシリーズセミナー1本を残
してオープン(自由参加)セミナーは修了した。

それにあわせてメジャーどころの共同PRさん、宣伝会議さんのシリ
ーズセミナーでは先般懇親会を実施してくださった。

講義の後も残って熱心に質問してくださる方も少なくないのだが、や
はり宴席だとよりリラックスして色々ご意見や質問をいただく。
(結果、あまり講師は飲み食いはできません・涙)
そんな中、それぞれの会社の悩みや課題を聞くと、数年前と比べてそ
の内容が極めて具体的で、担当者自身の意識の高まりとともにコミュ
ニケーションプロフェッショナルとしてのポジションとキャリアを作
るタイミングがいよいよ来たな、と感じるのだ。

私はそんなお手伝いをしたいと思い10年前に独立したのだが、ほん
の4、5年前までは相談案件のほとんどがウェブ制作が前提であり、
その基盤となるコミュニケーション戦略や管理運営に関する相談はま
ったくといってよいほど戴けなかった。

物事が成功するにはタイミングが必要だと思い知った。

十数年前の私と同様、現在、たまに雑誌や対談に出てくる企業のウェ
ブマネージャーは皆さんは、パイオニアであることは間違いないのだ
が、良く言えば既に広報やコミュニケーションのプロでウェブを見て
いる、悪く言えば自己流の方がほとんどだ。

私がセミナー提示しているウェブマネージャー育成支援は、私自身が
企業の専任ウェブマネージャーから下野して数多の企業コミュニケー
ション担当者やウェブマネージャーと会い、課題を解決するお手伝い
をする中から感じてまとめたもので、リアリティとしての「共通解」
なのだと思う。

今、かつてないほど企業がコミュニケーション(良く伝える、良く聞
く)を必要とする時代になった。
だからこそ今、このキャリアに着いた、或いは目指す人にとっては、
とてつもないチャンスの大きいタイミングだと断言できるのだ。
(私のように冷や飯を食わずにすむ!?)

そのためにお手伝いで来るのであれば、喜んで捨石になろう。
来年は、真の意味での第1期企業オンラインコミュニケーションマネ
ージャーが誕生する年になるだろう。

来年も多くの方とお会いできることを楽しみにしている。

http://www.sendenkaigi.com/kyoiku/net-pr/

2008年11月19日(水)更新

企業の名前の由来

以前もエントリーに挙げたことだが、ここ一月セミナーが多く新たにお会いする
方々が多いせいか、社名、端的に言えば

「良く"クロスメディア"という屋号や”crossmedia.co.jp”という
ドメインを取得できましたね」

と聞かれる。

この経緯についてはこちら

逆にお会いする企業もバラエティに富んでおり、「なるほどそのようなビジネス
もあるのですね」と感心する「隠れた大企業(失礼)」もまだまだ多い。

反面ご多分に漏れず、そのような企業は知名度や業容への認知が低いため
コミュニケーション上の悩みも少なくないようだ。
言ってみれば
「きちんとしたウェブは作ったんだけどなかなか効果が出ない」
というようなことだ。

それぞれの企業が持っている宝物はなんだろう。
そんな気持ちからお話聞けば、今までとは違った会社の魅力作り、その伝え方
が見えてくる。それを筋道をつけて結果(ビジネス)につなげる。
平たく言えば「コミュニケーション戦略」とはそういうものだ。
さて、そんな興味からウェブを徘徊していたら、「企業名の由来」についてまとめ
ているサイトがいくつかあるのを発見した。

企業コミュニケーション担当者として他社の社名の由来など、さしたることでも
ないかもしれないが、思いを伝える根っこの部分のきっかけとして、このような
ことにこだわるとメディアやユーザーとのコミュニケーションも一段ずつ深まる
のは間違いない。たまに参照すると勉強になることも多い。

「企業と商品のイエローページ」
企業名や商品名の由来をメールマガジン形式で伝えている。
短く簡潔な解説。

「経済提案」
まだ紹介数は少ないが読み物としても受け取れるていねいな解説。
経営者の名言や雑学情報も。


以下のサイトは古いようでフレームが壊れているので個別にリンクを紹介する。

会社やお店、商品の名前の由来
http://homepage2.nifty.com/yurai/shamei1.htm


サービスプロバイダーの名前の由来
http://homepage2.nifty.com/yurai/purobaidar_name.htm


クルマの名前の由来
http://homepage2.nifty.com/yurai/kuruma.htm

2008年11月14日(金)更新

「ハショレ社説」

このサイトは「読売」、「日経」、「朝日」、「産経」の4誌の社説の要旨を
各5行程度にまとめて毎日アップしている。
世の中の動きだけでなく、各紙の性格も見えてきてとても面白い。

「ハショレ社説」

hasyore
「ハショル(端折る)」すなわち文章内容をサマライズする(サマる)ことは
広報コミュニケーションに関わる人間にとってみると業務の根本のひとつ
なのだが(何しろ上司や経営者は忙しく時間がなく、すぐ「要点は?」とか
「ポイントは何なんだ」と言う)、意外に人に伝わるように「ハショル」ことは
難しいのだ。

当然RSSフィードが付いているので毎朝あなたのお手元(携帯)にも届く。

このサイトは、他のコラムのコンテンツやサイトデザインそのものも出色
の出来だ。

サイトの解説を読むと、ユーモアたっぷりに以下のように書いてあるが、
これも一流の謙譲ととることが出来る。

”2008年10月、東京西部の、とある会社の、とある4名に窓際にうつれと
突然の人事異動が発令。と、同時に、ボスから会社にいたいなら、なんか
やれとの温かい命令を授かりました。”

”このサイトが失敗に終わった暁には4名まるっと窓際の外に異動されて
いるやもしれず、結構切実だったりします。そういった事情ですので私たち
の文章に「怒り」や「焦り」などがにじみ出ることもありましょう。その際は
サーと読み流していただければ幸いです。”

”また、文章書きを生業とした者は皆無です。そのため「面白くない」「読み
づらい」「インリンの画像がない」など皆様にはご不便をおかけすると思い
ますが、「不肖の親父たち」とお思い、叱咤激励を飛ばしていただければ
これ以上の喜びはありません”

個人的には「かっこいい仏像」や「ひとりでできるもん(3DCGモデリング)」、
「楽団(バンド)やりませう」のようなコンテンツにも興味があるし、そもそも
このサイトの昭和レトロデザインテーマが琴線をくすぐる。

会社のプロモーションとしても素晴らしい。

運営者:
ユナイテッドスターズ株式会社

2008年11月06日(木)更新

2週にわたりイントラネット座談会を実施

昨今弊社がいただく問い合わせの半分近くが社内コミュニケーション、特にイン
トラネット関連の相談だ。反面、事例に触れる機会が少なく他社はどのように解
決しているのだろう?と悩まれる担当者も少なくない。
お仕事として関わる際には、弊社としても知見を活かし徹底したヒアリングや定
性調査からその企業の現状に照らし合わせ、将来的な発展の形を見据えたプラン
ニングを行ってはいるのだが、当事者のご担当者にしてみると、それが本当に正
しいプランなのか自信が持てず、判断できない、といわれることもある。

intranet
そこで9月の終わりに「御社のイントラネット・ポータルはどうなっていますか
?」という率直なアンケートをお願いした。このアンケート自体も、それぞれの
企業が抱える課題が浮き彫りになり、価値があったと感じている。これについて
は10月中にまとめてフィードバックする約束を差し上げていたのだが、はから
ずも複数の参加者から「せっかくだから直接何社かで集まって座談会形式で知見
を共有する機会が持てないか?」という問い合わせをいただき、レポートを少し
先送りにして早速アンケートにご協力いただいた企業の方に参加のご要請を差し
上げたところ、驚いたことに20社を超える企業の方から「ぜひ参加したい!」
という回答をいただいた。うれしい反面、内容に関してはもちろん社外秘にあた
るものもあるため「出来るだけ率直に話を差し上げたいが同業他社がいるのは困
る」とおっしゃる企業も当然いらっしゃるのだ。このこともあって限られた時間
で出来るだけ多くの発言をいただけるよう参加企業数を絞るため、先週、今週と
2回に分けて実施した。

当社にとっても初めての試みで、どうなることか?と不安もあった。しかしなか
なか事例が見えないイントラネットなので、当初は他社の事例が見え使途や課題
を分かち合うことが出来れば良いのでは、という程度の認識だったが、皆さん積
極的に意見や感想を述べてくださるので新しい気づきにあふれたセッションとな
った。これは今回で気で終わらせるのではなく、出来るだけ定期的に続けてやっ
ていこうと考えているのでご希望の企業の方がいらっしゃればぜひご連絡いただ
きたい。基本的に参加費は無料(情報共有にてバーター)、会場(会議室)のご
提供をいただければなおありがたい。

2008年11月06日(木)更新

もう大きなニュースの陰に隠れることは出来ない

この原稿を書いている11月5日、アメリカ大統領選挙でオバマ候補が当選を決
めた。アメリカ合衆国のみならず世界的にも歴史に残る一日となるだろう。

ほんの数年前までは、こういうビッグデーに乗じて、企業の不祥事や事故の
リリースを出す会社が実は少なくなかった。新聞やテレビは当然ビッグニュース
に集中するから目立たなくてすむだろう、という魂胆だ。

しかしこの数年はブログやソーシャルネットワークサービスに加え、一般ユーザ
ーがブログやニュースのエントリーをピックアップして紹介するソーシャルニュ
ースなどが増えたことで、どんなに地域の小さなニュースであってもその内容が
大きな意味を持っていれば確実に多くの人の目に触れ、広まっていくようになっ
てきた。
また、企業の「おわび」(いわゆる公告)を集めてリストにしているサイトもあ
る。

例えば昨年の1月を見てみると不二家の内部告発の発覚の影で同様の事故や不祥
事を報告している会社が少なくないことがわかる。
こんなビッグウィークだからこそ、世の中の動きに敏感になっている人も少なく
ないということを理解しておく必要がある。さもないと「故意に今出したな」と
とられれば事は余計に大きくなることが必至だからだ。

ここ数年、弊社への問い合わせにおいて、オンラインの危機管理に関する相談は
イントラや社内広報の話、ウェブサイトのリニューアル・管理の話と3分する話
題となっている。
もちろん社内倫理を正し、不正や事故がおきない会社にする、というミッション
ステートメントの確立だけで事足りるのであれば問題はないが「そもそもすべて
の人間は弱い存在」という性弱説に立てば、単に監査や規定で縛るだけでなく、
社内へのコミュニケーション(価値の共有)がますます重要になってくるはずだ。

2008年10月31日(金)更新

「介護」を作った男

本日の日経産業新聞にこの経営者ブログのお仲間であられる
フットマーク株式会社磯部社長のインタビューが出ていた。

良くセミナーで紹介するが、社員数70名にして社員ブログ30
をこえる企業だ。

記事は「起業人」と言うコラムで、商品開発やビジネスでのご
苦労の話が中心だが、「介抱と看護を組み合わせて介護という
言葉を作った」ことや「商標登録をしたものの権利行使をせず、
誰もが使えるようにしたこと」などが書かれている。
もちろんしっかりとした経営計画を元に運営されているからこそ、
現在のフットマークがあることは間違いないが、直接この会社に
訪問差し上げると、なぜ半数もの社員がブログをやっているの
か、熱心に商品を作り、売っているのか、そもそもみんな良い顔
をして生き生き働いているのか、が伝わってくる。

それはお客様の喜びが何かを、全員でよくわかっていること。
それに応えるべく行動した自分たちのビジネスをお客様がどう
捉えられたかをしっかり共有しているからだ。

すなわち、仕組みやツールから始めるお仕着せのコミュニケーシ
ョンに頼らず、自己認識と相互理解を常に深めようと言う姿勢をし
っかりともっていると言うこと。それだけなのだ。

「社内コミュニケーションが悪いがツールを導入しても改善され
ない」
と言う会社が多い。

この会社には一般的に言われる洗練されたイントラネットやツ-
ルはすでに必要ないのかもしれない。
なぜならば各自が外向きのブログやウェブサイトのコミュニケー
ションを通して発信し、反応を得、それをフィードバックする流れ
を作ってしまっているからだ。

社内外のコミュニケーションの垣根は確実に変化してきている。

時々対談でご一緒する時事通信の湯川さんも、奇しくもこのタ
イミングにこんなエントリーをあげられていた。

企業の「ベルリンの壁」を叩き壊すのが広報の仕事になる

2008年10月27日(月)更新

「プロとは?」の会

私がサラリーマン時代の最初の15年お世話になった会社がある。
外資系の半導体メーカーだが、入社当時(1983年)は「世界最大
の半導体メーカー」だった。
ほとんどそんなことを知らずに入社したため、親はたいそう驚いたも
のだ。

しかしそんな喜びもつかの間、翌年には日本企業に抜かれ、インテ
ルに抜かれ、あれよあれよと言う間にトップ10ぎりぎりをさまよう身
になった。

とまれ、そんな激動の半導体企業を支える経営層には、たいそうユ
ニークな人材が多かった。直接ではないにしても、そんな人たちの
下にいて、とても多くの刺激を受けたことは間違いない。
その中でも当時の原価管理、製造企画、経理・財務本部長だった
方は、当時は笑顔を一度も見た事がないぐらい激しく厳しい方、と
いう印象しかなかった。

その方との10数年ぶりの邂逅はひょうんなことから訪れた。
同じTIのOBの先輩から、

「TIのOB連中が月に一度の勉強会をやっているのだけれど、プロジ
ェクターでネットをつなげたプレゼンテーショがやりたいので、会議室
を貸してくれないか」

と言う要請を受けたからだ。

もちろん2の句も告げず承知差し上げたのだが、当日お待ちしている
と件の本部長をはじめ、人事本部長など、歴々の方がぞろぞろとお見
えになり、恐縮しきりだったのを覚えている。

他の会社に移られた方、テクノロジーベンチャーの立ち上げ支援をさ
れている方、リタイヤされて企業の顧問をされている方など、様々だ
が、「学ぶことをやめたとき、人間は終わる」というように一様に皆さん
勉強熱心なのだ。
そして月に一度代わる代わる講師を務め、大いに議論する。そのテー
マが「ビジネスにおけるプロフェッショナリズムを問う」こと、すなわち
その会の名前は「プロトワの会」なのだ。

それ以来、OB勉強会のお誘いを毎月いただくようになったのだが、
自身のセミナーや出張と重なることが多くなかなか参加することも
ままならなかった。

いつもお誘いをいただきながらあまりに貢献がないので、今年は海
外のコミュニケーションの状況を勉強してきたのでそのようなことでも
ご興味いただけるならお伝えすることは出来ますよ、とご挨拶したら
「それは興味深い。では早速話してくれ」と言うことになった。

今月だけで10本もセミナーをこなしている自分だが、そのような大先
輩たちの前で話すのはとても緊張した。加えて当日会場に行ってみる
と、なんとデザイナー当時のマネージャー(恩師)までもが来ている。
これはとても嬉しかったが、同時に緊張はピークに達した。

しかし彼はとても優しい方で
「僕も参加するのは久しぶりで、タイトルだけ見て面白そうだから来て
みたら、なんだ、雨ちゃんが話すのかよ」と、とぼけて応えて下さった。
(それでも十分プレッシャーなのです)

いままでで一番短く感じた2時間だったかもしれないが、参加された
皆さんから

「こういうチャンスでなければ、見るどころか知ることさえなかったであろう
最先端の状況に触れ、また分かりやすい資料と巧みなプレゼンテーション
のおかげでよく理解ができました。たいへん 感謝しております。」

と謝辞をいただいた。

当時は(今も)出来の悪い弟子だったが、すこしだけ借りを返せた気がした。

わたしの奇異なキャリアスタートについては過去ログをご参照のほど。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/102/10001526.html

2008年10月24日(金)更新

食品テロにどう備えるか?

2年前にこのブログを始めてから、個別具体的には一番多く取り上げている
のが「危機対応」だ。
(拙ブログのサイト内検索→右上の窓で「危機管理」と検索して欲しい)

実際に長年お世話になっている日本生活協同組合連合会でも、今年前半の毒入り
ギョーザー事件を筆頭に、いくつもの課題に直面している。さらには今週は
カップラーメンの問題が浮上している。

弊社としてはウェブサイトのリニューアル、監修を継続的にお世話させていた
だいている関係で、数年前からトップページの危機対応(いわゆるシャドーサ
イト化)の準備をしておいたので思わぬ貢献をすることになったが、会(企業)
としてはもちろんそれだけで済むものではない。
弊社では企業の不祥事や危機が発生するたびにその企業の対応や周辺の
動向を定点観測しているのだが、ことは当該企業だけの問題ではないのだ。

たとえば半年前の毒入りギョーザ事件の場合、売り場で起きた現象は

「冷凍ギョーザや冷凍食品ってそもそもどれだけ安心なのよ。ちょっと買うの
は控えよう」

と言う消費者心理だ。

だとすると、天洋食品の製品を直接輸入したJTや販売した生協のみならず、
同じく冷凍食品を扱う企業全体が対応を迫られることとなるのだ。
実際、味の素やニチレイなども「対岸の火事」と看過することなく

「自社で扱っている商品に天洋食品のものはありません(味の素は後日、
業務用に取り扱いがあり、釈明)」

と言うだけでなく、安全な商品のパッケージ写真をウェブや新聞広告で開示
して

「これらのパッケージは安全です」

と視覚から記憶に訴える形で販売減少を防いでいた。

食品に関わる危機は、残留農薬や不正添加物など製造側の問題から売り
場における異物混入にまでわたる。

特に売り場に近いところで起きる異物混入に関しては「食品テロ」とまで呼
ばれるようになった。

これについては上で紹介した日本生活協同組合連合会の「生協出版」から
専門書が発行された。
食品製造関連の企業には参考になるのではないだろうか?

coopsyuppan

食品テロにどう備えるか? 食品防御の今とチェックリスト 
著者・発行:今村知明=編著 コープ出版
価格(税込) 2,625 円

2008年10月13日(月)更新

日本経営協会主催「企業Webサイト活用とリニューアルのすすめ方」セミナー実施

先週は自主セミナーに始まり、宣伝会議、そして最後は大阪出張し、
「企業Webサイト活用とリニューアルのすすめ方」と言うタイトルで全
日セミナーを実施してきた。

日本経営協会関西本部からご要請いただくのは本年の5月に続き2
回目。
前回はインターネット広報の全般的な話だったが、今回はより具体
的に企業のウェブサイトリニューアルに焦点を当てたセミナーを望ま
れる声が多かったとのことでかなりレジメをチューンナップした。

一般的には「ウェブリニューアルセミナー」というと、ウェブサイト制作
会社主催で「CMS導入による効率的なリニューアル」やアクセス増
加や営業強化を前提にした「ウェブマーケティング」セミナーが多いの
だが、弊社の場合は管理者の資質向上を重点に置いた、よりマネー
ジメントサイドの話が中心だ。
「最近ウェブの管理を担当するようになったのだが、十分な知識もなく
会社のウェブサイトをリニューアルしようにも、どこから手をつけてよい
かわからない」

と言う方はまだまだ多い。
しかし同様に

「急きたてられるようにリニューアルやイントラネットの導入を行ったが
効果がわからない、継続方法がわからない」

と言う相談も後を絶たないのだ。

今回も、本当に管理者側の意識付けと資質向上に特化した内容で
受講者の意識とのズレがないか、事前にアンケートまで寄せてもら
って確認した。

内容的には以下のようなものだ。


1.企業ウェブサイト活用の現状(国内事例研究)

日本企業のホームページ活用の歴史:変化と現状
企業ホームページ担当者の悩みとその根拠
日本の先進事例の詳解

2.今、ネットに何が起きているのか? (海外事例研究)

企業、メディア、ユーザーの関係の変化
ソーシャルコンピューティングの時代とマーケティングの変化
メディアルーム:ニュースリリースの開示と格納
社内コミュニケーションの重要性とポイント
オンライン危機対応事例
人材採用

3.課題検証(ワークショップ)

参加企業のウェブサイト検証と質疑応答
課題の共有
対策とアドバイス

4.ウェブサイトリニューアルのプロセス

現状の把握と課題の掘り起こし
改善目標の優先度付けと戦略策定
ツール選定とサイトプランの作り方
要件定義と制作会社、代理店への対応方法
制作・開発管理

5.ウェブサイト管理の実際

品質管理と継続的な発展を見る運営管理方法
担当者育成と社内の組織作り
経営に対するアプローチ
効果測定と継続的な発展方法

さすがに一日のセミナーはエネルギーを使うが、帰りの新幹線の中で
受講者のアンケートのコピーを読んですこし疲れが取れた。
以下のようなありがたいコメントを多数いただき、自信につながった。

「表現技法ではなく、その前提の大切さを痛感していますが、ずばりの
ヒントをいただきました」

「技術の話ではなく、このような構成の講義内容が一番知りたかった
ことでした」

「対話のパートもあり、事例が豊富だったので理解しやすかった」

「レジメは後日マニュアルとして活用できそう。内容は豊富だが、やや
時間が足りないぐらいだと感じた」

事務局からはすぐに次回の打診をいただいたのも有難かった。
「今度は2日間はどうですか?」とも言われたが、東京では経験あるも
のの地方では前後に移動があるので体力が持つかどうか。。。

とまれ、まずは企画案立ててみよう。
聞いてくださる人がいらっしゃれば応えるのみだ。

2008年10月03日(金)更新

なぜ日本企業のウェブサイトはみんな同じ顔なのか

今週行ったセミナーの終了後、残られた受講生の方から相談を受け
た。内容はこうだ。

「私はある業界の広報部で最近ウェブサイトの管理担当者になった。
今回、数年ぶりにフルリニューアルすることになり、割と大手の制
作会社を4社リストしてコンペにかけることになった。」

「しかし実際に提案を見てみたら、企画案はともかくレイアウトデ
ザインは4社ともほぼ同じようなものを持ってきて”最近の企業サ
イトのスタンダードはだいたいこういう形ですから”という。」

「せっかくコストをかけてリニューアルするのに、見た目の変化も
わずかだし結果がどこにでもあるようなデザインでは食指が動かな
い。」

「いまさら別の会社を呼んでも多分変わらないだろうし、どうした
ものかと本気で悩んでいる。」

というものだ。
実はこの手の話は珍しいことではなく、わたしたちがコンサルテー
ションで関わる企業界隈でも散見することなのだ。
これを「制作会社の創造性の欠如」のひと言で片付けることが出来
るのだろうか?

問題点は3つある。

1.要件定義の不備(発注側の問題)

定量(数値)化できる条件を要件定義に書くのは簡単だが、デザイ
ンは定性(感覚)値だ。
ニュアンスを伝えるためには数多くの参照事例から自社デザインに
求めるデザインの条件や傾向を正確に伝える必要がある。


2.ヒアリングや調査、理解力の不備(制作会社側の問題)

同様に制作会社側も、どこまでの変化を求めているのかオリエンテ
ーションはもちろん、様々な角度で定性調査を調査を行えば、その
企業に対する理解を深めることが出来る。


3.選考基準とアプローチの不備(両方の問題)

コンペの期間はたいがい短期間である場合を考えると、評価のポイ
ント(どんな提案が評価されるのか)を具体的に提示、確認するだ
けでも良い結果に結びつくものだ。
提案のデザイン案が凡庸でつまらない大きな理由は「リアリティが
強すぎて夢がなさ過ぎる」からだ。

クルマのコンセプトスケッチも最初は空を飛びそうな絵だったりす
る。
「これはちょっと行き過ぎだけど、私たちのことを理解してここま
での提案をしてくれているのだな。この会社ならもうすこし話を詰
めれば良い結果を出せそうだ」と思わせる、またそういう点を評価
するのも重要だ。もちろんこれには勇気がいる。しかしその判断を
確信に変えるためには企業側にしっかりとしたコミュニケーション
戦略が必要なのは言うまでもない。

       ◇      ◇      ◇

そろそろ「ロゴを隠したらどこの会社かわからない」ようなウェブ
サイトを考え直す時期なのではないだろうか?

私たちは企業担当者側についてこれらの下地作り(理論武装)のお
手伝いをする事が多いが、同時に制作会社や代理店側から、提案の
サポートに回ってほしい、という相談も受ける。
要は双方のギャップを埋めるためのミドルマン的な役割が求められ
ているのではないかと感じる。

企業におけるオンライン・コミュニケーションのプロフェッショナ
ルを育成し、彼らのキャリアプランをサポートするのが本懐なのだ
が、目前のリニューアルはその道を待ってくれない。

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会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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