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2008年09月18日(木)更新

日経パソコンの企業サイトランキング 2008

今年も日経パソコンの企業サイトランキング 2008が発表された。

多くの企業ウェブ管理者にとって、ひとつの大きな指標であることは
間違いない。

過去数年にわたって測定指標の見直しが何度か行われていたが、
本年は基本的に昨年度と同じという意味では安定的だ。

いまだ多くの企業が事業部ごとの分散管理を行っているのに対し、
今回1位を獲得した富士通などを代表的な例として全社をあげて組
織的にサイト構築を進める「Webガバナンス」が評価されるようになっ
てきたのは特筆すべきことだ。
その他、高順位の企業を見比べていくと、やはり近年リニューアル
を行った企業は「アクセシビリティ」や「使いやすさ」の点での対策が
しっかりと取られているため評価が高くなっているようだ。

また、2000年以降の会計制度改定で連結会計性となった結果、
多くの企業が持ち株会社化され、それらホールディングカンパニーの
ウェブサイトが事業系サイトと別途にノミネートされている。
これらは事業系サイトと違い、当然「基本情報」「ブランディング」「リス
ク管理」に集中しているのでそれらの点で評価が高くなるだろう。

私が気になるのは(これだけ詳細な調査なので致し方ないことなの
だが)母数が500社しかないことだ。上記のようにホールディングカン
パニーのサイト、事業系のサイト、それらが混在したような総合サイト
が同軸に評価されていることなど考えれば、かなりの企業が500社
の選から漏れているのも事実だ。

しかし依然この指標は興味深い。
たとえば同じ業種、事業規模、サイト構成などで比較をするとそれぞ
れの改善点や特筆性が見えてくるのではないかと思う。

良くセミナーで、
「ライバル企業よりランクが大幅に下がり、上司に”とにかくライバル
以上にあげろ”と言われている。どうしたらよいか?」
というような質問を受けるが、他社との相対的なランク比較よりも、
自社のランク推移の原因や、上記のようにある特定のポイントで評価
の違いを見ていくほうが良いのではないだろうか。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20080916/1007963/

2008年09月08日(月)更新

スポークスパーソントレーニングは必要十分条件に過ぎない

平日、家に帰ってからの時間は重要だ。食事に入浴、そして子供や夫婦
の語らいも大事にしないと。。
加えて自分の時間となると読書かネットかテレビ、となるのだが、、、その
テレビを見ようと思っても、夜の民放はくだらない芸人の楽屋話ばかりで
いかにもスポンサーが集まらない昨今の状況を象徴しているようだ。

たまたま住んでいるマンションの契約でケーブルテレビが見られるので
時々外国の番組を見ているのだが、外国でも「人工的に作られた番組」
に対する批判が高まっているせいか、最近の傾向としてドキュメンタリー
や「リアリティTV」という、ハプニングも含めてどういう結末になるかわか
らないまま進行する番組が人気のようだ。

topmodel
以前紹介した「アメリカンチョッパーズ」もそのひとつ。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/105/10006107.html

最近のお気に入りは、「America's Next Top Model(アメリカズ・ネクスト・
トップモデル)」と言う番組。これはトップモデルを夢見るモデルの卵が毎週
様々なチャレンジを繰り返し、一人ずつ脱落して絞られていく、というオーデ
ィション型リアリティTVだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/America%27s_Next_Top_Model


http://www.cwtv.com/shows/americas-next-top-model/

単に着こなしや撮影での表現力だけでなく、現場での協調性やリーダーシ
ップ、インタビュー対応までもが評価される。

ここで面白かったのが有名ファッションジャーナリストによる1対1のインタ
ビューだ。もちろん彼女たちは基本的なスポークスパーソントレーニングを
受けていると思われるのだが、優秀なインタビュワーの手腕の前に一人
一人の本音がみごとに暴き出されていくのだ。

私自身もかつて企業広報に属し、メディアリレーションをやっていたのだが、
そのときは厳しいアメリカのスポークスパーソントレーニングを受け、会社を
守ることを念頭においていた。
しかしそのときに学んだことは、メディアの人の話を聞くこと、すなわち、彼
らの目的や狙いをどれだけ理解してサポートできるかと言う姿勢だった。
そうでなければ、「会社の立場で語っているあんたの話なんて興味ないよ」
といわれておしまいなのだ。

この番組のインタビューもまったく同じだ。
気に留めてもらおうと正義感を振り回す人。宗教観や倫理を盾に自分の価
値観を訴える人。自分を客観視できる(どこかの総理大臣みたいだ)と冷静
に自己分析できるが情熱を伝えられない人。最後は本来やってはいけない
はずの他人の批判を展開する人までいた。

通常のスポークスパーソントレーニングでは最初の3人は良いとして最後の
人が問題視されるはずだが、なんと最初に合格した人は他人を批判した、
その最後の人だったのだ。
インタビュワーの講評ポイントは「みんな建前が強すぎでパーソナリティバリ
アを取るのに大半の時間を割いた。最後の彼女がやった他人の批判はあま
りほめられたものではないし、そのことを取り上げるつもりがないが、短時間
で彼女のパーソナリティを引き出すきっかけをいっぱい与えてくれた。限られ
た時間のなかで自分の仕事が一番しやすかったのは彼女だ」というもの。

結局はそれぞれの目的意識の根幹がどこにあるのか、がハッキリしている
からできることかもしれないし、尻馬に乗ったり揚げ足取るしか能がないよう
なメディアの場合は墓穴を掘る場合もあるだろう。

しかし建前ばかりのスポークスパーソントレーニングで理論武装だけしてい
るとメディアばかりか、ダイレクトにユーザーに誹(そし)られる可能性もある。

有名な例は「メントスガイザー(ダイエットコークにメントスを入れると化学反
応で噴き出す)」が流行ったとき、メントス社の対応は「おもしろいじゃないか」
とトップページからYouTubeにリンクを貼ることだったのに対し、コカ・コーラの
広報担当者は
「コーラは実験の道具としてよりも飲んで楽しんでもらいたい。メントスとコーク
で遊ぶのは私たちのブランドパーソナリティに合っていない」
というものだったのだ。このコメントは経営者から見れば100点満点かもしれ
ない。しかしネット上では
「そんなことはわかっている。シャレのわからない会社だ」
と大ひんしゅくを浴びたのだった。

最後は人間力だ、といっては答えにならないが、スポークスパーソントレーニ
ングはあくまでも必要十分条件に過ぎず、相手の狙いを正確に引き出す傾聴
力、そしてダイレクトにそれに答える勇気が求められる。結果が出るのは、あ
くまでもそれからだ。

2008年09月01日(月)更新

「作って終わり」のリニューアルにしないために

本日(9月1日)発売の宣伝会議「PRIR10月号」の特集
「企業広報に活かすためのウェブサイトリニューアル」に、

「作って終わりのリニューアルにしないためにはどうするか?」

と言うタイトルで2ページ寄稿させていただいた。

内容としてはセミナーや実際の業務でお会いする企業のウェブ
マネージャーが持つ多くの悩みの根源に触れたものとなってい
る。

prir10
prir10ka

すなわち
1.
この10年でウェブの技術や利用方法(マーケティング)は飛
躍的に進み、担当者が理解しなければならない要素が増えた。

2.
反面、外部の協力会社(制作会社や代理店)は、企業に向けた
提案力をどんどんつけてきている。

3.
かつては制作会社の粗製濫造が危惧されていたが、今では発注
側の体制不備で「よくわからないからおまかせ」となっている
場合が多い。これでは「作ってお終い」になってしまい、活用
が期待できない(→3年後に飽きてまたリニューアル)

こうした状況を打破するためには、一人で悩まずに協力者を作
ることでウェブ管理者としてのポジションを作ることが必要だ、
と書いている。なぜなら基本的にこれらの仕事は一人で考えて
一人でやり切れるキャパのものではないからだ。

さて、これは本文には書かなかったことだが、仕事をする上で
社内外の協力者を得て自分の職務をより高めていくためには、
どうしたら良いのだろうか?ひょっとしたらこれは現代のビジ
ネスパーソンのサバイバル・ルールかもしれない。

手伝って欲しかったら手伝って欲しい人の仕事を手伝って、そ
の人の仕事を理解することだ。「何やってるの?」「それ、私
ならこんな風にお手伝いできるけど」と言ってみる。
しかも「自分の仕事がまずあるので、それを片付けてから」と
かごちゃごちゃ考えずに、相手が困っているその場で、困って
いなくても新しいヒントをその場で与えることだ。

こんなおせっかいしても自分の残業時間を増やすだけだ、と思
われるかも知れないが、意外にそんなことはない。それでも自
信がもてない人はこの本に多くのヒントが書かれているので参
照してみて欲しい。

考えすぎて動けない人のための 「すぐやる!」技術
久米 信行 (著)


宣伝会議の記事に関しては以下を参照

http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/prir/index.html#article_03

(このページの記事紹介にPDFがぶら下がっているので全文読
めますが、、、ぜひ雑誌を買ってください!・懇願)

2008年08月15日(金)更新

インダストリアル・フォトグラフィーの参照事例

度々ブログやセミナーでは紹介しているが、企業コミュニケーションの表現
手段(ウェブサイトやイントラ、社内報、広報誌、会社案内や入社案内パン
フレットなど)の質的向上を考えるとき、一番後手に回りやすいのが「写真」
だったりする。
商品やサービスだったら営業部の販促資料の写真を使いまわすだろうし、
社長の写真も対外的に使うための物が一枚だけだったり。

ここに「どう伝えるか」や「どんなメッセージをこめたいか」と言う意思が働
くと「写真」はまったく変わるのだ


そして、やはりビジュアルの力はとても強い。

先日もDICさんの創業100周年記念写真集をご紹介したが、目を光らせて
いたら、面白いニュースとともに、質の高いインダストリアルフォトグラフィー
があったのでぜひ紹介したい。
「大型ハドロン衝突型加速器(LHC: Large Hadron Collider)がいよいよ実験
開始(9月10日)」


と言うものだ。

hadron

この「大型ハドロン衝突型加速器」で行うのは、スイスとフランスの国境の
地下にある、全長27キロメートルというとんでもない実験装置だそうで、
「陽子ビームを光の99.9999998%の速度まで加速させ、それを正面衝突
させる」というような実験を行う(意味は理解できません)。
これにより地球上に人工のブラックホールができるかもしれないという話。
すでに米国からは「安全性が確認されていないため運用を禁止しろ」という
訴訟さえ起きているようだ。

ユニークなニュースなので書いたが、前置きはともかく本ブログの趣旨は
「写真の質」にある。

見ての通り、これらの写真は表現の意図がしっかりあるため、エキサイティ
ングな現場が、さらにエキサイティングに感じられると思う。

昨日の日経新聞でも、ある映画監督が映画の撮影カメラのレンズを選ぶための
スコープ(良く映画監督がクビから下げているやつ)にあこがれて購入した顛
末を語っていたが、普段われわれが両目で見ている広い世界観を、カメラの
レンズはかなり限定的に切り取らざるを得ない。それをまた、見る人の世界
感を広げて見せてあげるのが映画監督やカメラマンの技量なのだ、と言うよう
なことを語っていた。

これらの写真も同様だ。
一緒にわくわく感を味わって欲しい。
そして9月10日以降にも平和な地球が存続することを祈ろう(ブラックジョーク)。

「大型ハドロン衝突型加速器」写真(大判)

2008年08月07日(木)更新

赤福の経営改善

昨日は名古屋にあるクライアントとの打ち合わせで新幹線で日帰り
出張だった。

無事ミーティングも終わり5時の新幹線の切符を買って、さて家族
(甘党)へのお土産に赤福でも買おうとギフトエリアに行くと、、、

「売り切れ」!
(写真は「入荷待ち」だが今日はもう入荷しないとのこと)

akafuku
赤福といえば昨年末の消費期限及び製造日、原材料表示偽装事件が
記憶に新しいが、長年のファンだっただけにこれはとても残念だっ
た。

たまたま昨日だけだったのかもしれないが、夏場で痛むことも考慮
すれば生菓子なので本来は夕方5時には売り切れるのが正直な所だ
ったのではないだろうか。
今年の春に販売が再開され、それ以来久しぶりの出張だったので、
買えなかったのは残念だけど、ちょっと安心した。

しかしほんの半年前のこととはいえ、顧客が支持し逃げていないと
いうことは凄いことだ。

昨今、企業の不祥事があれば魔女狩りのごとくメディアは飛びつく
が、事後に対してはほとんどレポートしていない。
すべてではないが、その後をしつこく調べていくことを旨としてい
る私にとって、対応の差が意外に小さくないのも興味深い。
社内規定を見直し、結果として自分の価値観に正直な顧客をきちん
と取り戻している企業もあれば、あいからわず「侘び状」のpdf
を並べて済ましている企業もある。

企業にとってはその場、その場、なのかも知れないが、消費者は経
年の対応の積み上げでその会社がどう変化しているかを冷静に評価
する。

企業ウェブサイトはそうやって企業活動の経過(考え方と行動)を
長い目で見られるメディアなのだということに気づかないと、いく
らデザインや機能の面のみでリニューアルしたところで、ブランド
や信頼を築けるものではないということを担当者やマネジメントは
理解できないだろう。

赤福、、、食べたかった。

2008年07月10日(木)更新

今、企業に必要とされるコミュニケーション・プロフェッショナル人材とは?

セミナー等でお世話になっているPRコンビナートさんの持つコミュニティ
サイト「評判作り研究会」に「今、企業に必要とされるコミュニケー
ション・プロフェッショナル人材とは?」
というタイトルで寄稿さ
せていただきました。
http://www.prk.co.jp/hyoban/column/index.html

評判作り研究会そのものも、当初は講演会の形で進めていたのです
が、私がお手伝いした2年ぐらい前ぐらいからパネル形式でよりデ
ィスカッションや参加者の意見が反映されやすいように変わってき
ました。
先日参加した米国のコンファレンスでも、所要時間に対しいずれも
3分の2程度でスピーチを終え、より多くの時間を会話に宛ててい
たのが印象的でした。広報というと「伝える」ことが中心になり
がちですが、意識として「傾聴する」事の大事さを再認識しました。

2008年06月18日(水)更新

米国最新事例に学ぶ「明日の企業広報」セミナー実施

今日は外部会場を利用した2回目の自主セミナーだった。
1回目は試験的な意味合いが強かったので告知せず、日頃お世話になっている
方々をご招待するにとどまった。
それでも20名の方に来ていただくのは予想以上に大変だと実感した会だった
のだが、今回はそれにも増して30名もの方に参加していただき、本当に有り
難かった。
seminar0618
また、事前登録からほとんど欠席も無く、満席に近い状態に期待値の高さを思い
知った。

今回は4月に訪問した米国のコンファレンスのダウンロードが中心だったのだが
できるだけ伝聞や事象の紹介だけにとどまらず、その企業の担当者の想いや参加
者のツッコミ具合から、雰囲気や考えを伝えられたらという想いが強かった。
その分、テーマへの深い落し込みという点では消化不良だったのは事実だ。

ただ、参加した多くの皆さんからも「とにかくここから動いて行きたい」という
思いに鋭く反応してくださったことが嬉しく、それは今までになく積極的な質疑
応答でも実感できた。

多くの場合、米国のプレゼンターは6割程度の時間で発表をまとめ、質疑やディ
スカッションに充てて会話を重んじる、と言っておきながらやはり今日も質疑は
15分程度しかとれなかった(皆さんすみません)。
次回はもう少しワークショップ形式を取り入れようと思う。

実は明日はプレゼンを控え、さらに明後日から再度アメリカに勉強に行くのだが、
叱咤も含め今日これだけ生の意見をいっぱい聞くことが出来たのは、向こうで何
を仕入れるかのヒントなった。実は自分にとってはこれが一番の収穫だった。

セミナーは、特に自社開催場合、準備からかなりエネルギーを使うのだが、フィ
ードバックもストレートだし、ヒントを沢山得られるし、何よりも最大の社員教
育にもなる。ただ、一番怖いのは明日イントラに書かれる容赦のない社員からの
ダメ出しだ。夜遅くまでつきあってくれたのだから、その意を正面から取り入れ
次回につなげていきたいと思う。

P。S。
ご参加の皆さんからもコメントや質問をお待ちしています!
本当に有難うございました!
次回は夏休み開けあたりに開催予定です。
またご参加下さい!

2008年06月05日(木)更新

『DESIGN IT! magazine』6月16日創刊

お世話になっている出版社、リックテレコムの蒲生さんからお知らせ
いただいた。

この新雑誌「DESIGN IT! magazine」はビジネスを革新し、よりよい
社会を実現するために「情報技術(IT)」とITを取り巻く「情報環境」と
をデザインしていく、あらたな潮流を作るための媒体、すなわち「デザ
インからIT を考えるビジネスマガジン」だそうだ。

designit
内容としては、ウェブサイトや業務システムのUI(ユーザーインターフ
ェース)のデザインの事例や考え方はもとより、国内外の役立つ情報
とノウハウを伝えていくそうだ。
また、DESIGN IT! の共通テーマである「ストラテジー(S)、デザインマ
ネジメント(DM)、ユーザビリティ(U)、インタラクション(Ix)、情報アー
キテクチャ(IA)、コンテンツマネジメント(CM)」を機軸に据えながら、
最新の実践例や実務情報を交えて紹介するとある。

オンラインコミュニケーションも、テーマがだいぶビジネス寄りに降りて
来た、という感じがする。企業がネットの活用を考えるとき、テクノロジ
ーと並んで評価が難しいと感じているのが「デザイン」の視点とその
解釈だ。
「デザインはセンスの問題で、ビジネス側の僕らにはよくわからないか
ら、かっこよくまとめてよ」ではすまない時代になったということかもし
れない。

このようなトピックをビジネスの現場で定着させるためには、雑誌から
の一方通行な情報提供に終わらせず、現場の担当者が多くのフィード
バック(成功例のみならず失敗例や課題、疑問など)を寄せることが重
要だ。

雑誌をきっかけにそのようなコミュニティや議論の場が醸成されることを
期待している。

2008年05月30日(金)更新

企業コミュニケーションにおける写真の重要性

今までもブログで何回かこのテーマに触れてきたのだが、セミナーで紹介
するたびに後日「雨宮さんの紹介してくれたような視点でやってみた」と
いう報告をいただくようになって来た。
とてもうれしいことだ。

例えば石川県の医療法人社団、芳珠(ほうじゅ)記念病院
今年の全面リニューアルで「顔の見える」病院ウェブサイトとなり、患者
さんの安心感も増したと伺っている。
また、私のような元デザイナーには印刷用のカラーガイドでなじみの深い
DIC(旧社名:大日本インキ化学工業株式会社)さんから、創業100周
年を記念して写真集『Color and Comfort by Chemistry』を刊行した、と
聞き早速入手した。

photobook

これはDICさんがさまざまな産業分野で活躍する様子や研究開発の風景
や社員の姿などをグローバル規模で紹介しているもので、その写真の質が
とても高く、企業のビジュアルコミュニケーションを考える際、すごく参
考になる一冊だ。

オールカラー260ページの大作で、日本国内発送限定で先着100名限定とい
う条件が付いているが、なんと無料で譲っていただけるということだ。

企業広報でビジュアルの質の向上に興味のある方は入手して見てみる価値
は高い。ぜひ申し込んでみて欲しい。
http://www.dic.co.jp/present/photo_collection.html

以下、参照記事
ビジュアルコミュニケーションの重要性

企業コミュニケーションにおけるビジュアルの重要性

2008年05月17日(土)更新

これからの広報:新しいチャレンジを、確実に世に問う方策

今週実施した宣伝会議の広報の学校のように、シリーズで数回に分け
てオンラインコミュニケーション(インターネット広報)の話をさせていただ
くときに、必ず話すエピソードがある。

それはデザインの評価の定量化(良し悪しをどう客観評価するか)につ
いて語られているレイモンド・ローウィ(第2次大戦をはさんで活躍した
インダストリアルデザイナー)の考え方と、米国のコメディアン、ビル・コ
スビーの考え方だ。
ローウィは、「人の好みにはばらつきがあるが、嫌う場合の傾向値にば
らつきが少ない」と考え、マイナスの要素を注意深く取り払ってデザイン
したので結果的に「売れる」デザインを作ることができた、というものだ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/115/10000546.html

対してビルコスビーの考え方は、以下のような名言として伝えられてい
る。

「成功への鍵が何かは知らないが、
失敗への鍵は全員を喜ばせようとすることである。」

本来、矛盾するようなこの2つの考え方だが、実はそうではない。
言ってみれば双方とも「無謀と勇気の違い」を理解してのことなのだ。

ローウィも一見、この言葉だけでは極めて保守的でチャレンジャブルで
はないように受け止められがちだが、実際のデザインは時代を超え、半
世紀後の今でも十分新鮮に感じられる提案をしてきているのだ。

実は当時からローウィーを真似るデザイナーは少なくなかった。それはい
つの時代の花形デザイナーにもフォロワーが常に現れるのと同じ(流行・
ファッションだ。
しかし、ローウィはその裏に人々の嫌う要素を周到に取り除く計算をする
ことで、表向きのデザインの好みしかわからない企業経営者にとっても
安心してそのデザインを採用できる裏づけを提示していたということもで
きる。その差は、顕在化しにくいが、大きい。

コスビーの考え方は、受け取り方によっては、より今日のマーケティング
的とも言える。
すなわち、「市場は流動的で速く、以前のようなマスは存在しない。マジ
ョリティを狙ってそのとおりに売れるかというとそうでもない」というものだ。

しかし彼のメッセージの根本は、最初からすべての人に迎合するような
アプローチでは人種を超えた人気を得るという成功はなかったのではな
いかという実感に基づいたものなのであろう。
自分の芸にしっかり根ざしていれば、必要以上に周りを気にすることは
ないし、そのほうが結果的に受け入れててもらいやすく、自分も流され
ずに長く続けられる(た)と言いたかったのだろう。

ローウィもコスビーも、自身の持っている個性や技術、環境を考えた上で
さらに冷静に、それを確実に世に問う術を見につけていった、ということ
なのであろう。

新しいことにチャレンジをするためには多くの障壁が立ちはだかる。
しかしそれを打破するためにはきわめて周到でプロセスオリエンテッド
なアプローチが必要なのだ。

オンラインコミュニケーションというと、どうしてもマーケティング手法や
新しいツール、その表現にばかり目が行きがちになるが故、このような
エピソードをお伝えしたかったのだ。
«前へ 次へ»

会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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