クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 雨宮 和弘 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
来るべき「コミュニケーション・プロフェッショナルの時代」を担う「企業コミュニケーター」養成ブログ
2010年07月03日(土)更新
【明大生との毎週一問百答】第202弾「学生起業のメリット」について
〈質問〉 ----------------------------------------------------
いま成功している方や起業家の方にお話をうかがうと、
一度就職してから起業したほうがよいと言われます。
ただ、あえて聞かせてください。
学生起業のメリットやデメリットを教えてください。
また、学生起業を視野に入れている私にアドバイスをお願いします!
(明治大学商学部 菅原健太郎さん)
----------------------------------------------------------------
菅原さん、
こんにちは。
何を持って事業の成功とみなすのか、は起業した人それぞれの価値観に
よるものだと思います。
その上であえて助言差し上げるとすると、学生起業で成功される方は、社
会や先輩企業家などから「応援してあげたい」と思われるものを持っていて、
そのサポートを受けやすい傾向にある、ということです。
それが何か(サービスなのか、経営者の人柄か、思いか)は、まちまちです
が、起業そのものが数多くのリスクを背負っているものなので、成功するま
でめげずに続けるためには周囲の共感力を呼ぶチャームを持っていることが
大事だと思います。
就職して社会経験を持ってから起業するメリットは、自分の責任の及ばない
ところで会社が失敗することを目の当たりにできる事ではないでしょうか?
反面教師かもしれませんが、リスク無しに失敗の経験ができることが就職し
ていることの価値ともいえるのです。
学生起業する場合、自らに降りかかるトラブルや困難を就業経験がないこと
によるディメリットと感じないことが肝要かも知れません。
いずれどこかでクロスロードがあるかもしれません。がんばりましょう!
2010年07月01日(木)更新
『プロジェクト・マネジメントを考える』セミナー(無料)のお誘い
の澤井社長よりセミナーのお知らせ
をいただきました。
私も参加する予定です。
http://www.e-marketing.co.jp/news/210/
これはTOC(制約理論)を用いたプロジェクト管理手法の紹介で、お話を
してくださるのは、株式会社テクノピアーの代表取締役、熊谷義明さん
です。
熊谷さんには日本テキサス・インスツルメンツのOBが組織している勉
強会で何度もお会いしたりお話を伺ったりしていました。
TOCは「PMBOKでは規模が大きすぎると感じる組織にはより導入し
やすい理論ではないか?」とも言われています。
私のブログを読んでくださる方や仕事で関わる方のほとんどは企業広報、
人事、経営企画などの方ですが、特にウェブなどオンラインコミュニケー
ションの活用や既存の紙媒体とのメディアミックス、(インターナル)コー
ポレートブランディングなどを考える際、どのようにプロジェクトを管理すれ
ば良いか経験が少なく「どこから手をつけて良いかわからない」という人
をよく見受けます。
セミナーの内容は多少専門的な話かもしれませんが、応用できるヒントは
いただけると思います。
また、このセミナーを主催するイー・マーケティングさんのサイト内全文検
索ASP『Z-XCV<ジクシブ>』も優秀なサービスです。
弊社を通しては講談社さん、日本生活協同組合連合会さん、日本情報通
信株式会社さんなどにご提供させていただいています。
プロジェクトは何故遅れるのでしょう?
何故納期が守れないのでしょう?
そんな悩みをお持ちの方であれば、きっと良いヒントが得られると思います。
2010年06月29日(火)更新
IABC2010トロント参加記(8)
それはIABCのジャパンチャプター(日本支局)の設立です。
私自身がIABCを知ったのは20年前、そしていつかコミュニケーション
のプロフェッショナルが職能として企業経営者に認知され、キャリアモ
デルを確立することができるようになるというのが11年前に独立起業
したときのセルフミッションだったのです。
しかしIABCは40年続いている歴史と信頼のある団体、単なる思い付
きで「やってみたけどダメだった」では済まされません。
一昨年にニューヨークに行ったとき、その思いをぶつけ、汲み取ってもら
えたときはとても嬉しかったことを覚えています。今まで他に発起する
人がいなかったことも驚きでした。
そもそも
「世界中さまざまな国から参加者が集まるのに、何故日本だけ認知が
無く、参加も少ないのか?」
という質問を返されるぐらいです。
昨年は景気と自社の業績が厳しい中で「慎重に、賛同者をゆっくり募っ
ていきたい」と申し出させてもらいました。実際に自身もサバイバルモー
ドでした。
今年は4月の香港でもチャプターマネージャー会議に参加させてもらい、
どのようにチャプターを運営していけば良いのか、かなり勉強させても
らいました。さすが40年の経験。非常に建設的な仕組みと経験の共
有をしているなあと感心しました。
(40周年を祝う巨大なケーキ!)
前置きが長くなりましたが、そんなわけで今年のトロントは運営側に近い
スタッフが集まる業績報告会議にも参加させていただきました。
やはり一昨年のリーマンショック以来、会員数は大きくダウンしたようで
す。しかし残った会員の活動はより活発になり、会員数のリカバリーも
徐々に起きているとのことでした。
たしかに会員数は会の収益に直結するのかもしれませんが、代表者の
ジュリーフリーマンさんのスピーチでは、量を落とすよりも質を上げること
に集中するという力強いコメントがあり、参加者はそのリーダーシップに
安心と信頼を新たにしていた様子です。
感激だったのは、アジア大会でもご一緒させていただいたチャプター開
発マネージャーが、わざわざ代表者のジューリーさんを連れてきてくださ
り、直接紹介してくださったことです。
15000人以上もの団体なのに、非常にオープンでフラットな組織である
ことに驚きます。
冒頭のコメントの通り、彼ら中枢部の方も、日本の社会や企業のコミュニ
ケーションにとても興味を持っているのです。ただ現状は「ジャパンナッシ
ング」。発言しなければ素通りなのです。
少しずつ、この期待に応えて行こうと思っています。
このレポートもそろそろ終盤です。
詳細については夏休み明け頃に「IABCトロントレポート」という形で発
表する機会を持とうと思っています。今回は同行した企業の方のお話や、
IABCのジャパンチャプターの取り組みの紹介もしたいと考えています。
興味のある方は気軽にご連絡(メールでも電話でも結構です)ください。
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オンライン(Web)時代のコミュニケーション戦略を創ります。
企業広報担当者をオンラインのプロに育てます。
実はスポークスパーソントレーニング(メディア対応)も売れてます。
会議や業務効率アップ「短時間で思考をまとめる」セミナーも好評。
詳しくは↓お気軽にお問い合わせください。
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クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役 雨宮 和弘
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4-3-6B1
Tel: 03-6418-0336 Fax: 03-6418-0337
URL: http://www.crossmedia.co.jp/
Blog: http://crossmedia.keikai.topblog.jp/
e-mail : kaz.amemiya@crossmedia.co.jp
日本PR協会正会員、IABC( http://www.iabc.com/) 正会員
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2010年06月28日(月)更新
英語じゃなくて「グロービッシュ(Globish)」
「グロービッシュ」とは「グローバル化に適応した簡易型英語」のことです。
すなわち、英語を母国語としない人口が急速に増えていく中で、お互いに
伝わりやすい、平易な表現を生み出した、というのです。
”かつて正当なイギリス英語から「より民主的な」アメリカ英語に移行し、
今度は世界の誰もが使える新しい道具になるだろう”
わたしにも経験があります。
かつて働いていた外資系企業のプロジェクトでテキサスに滞在していたと
き、アメリカ人のマーケティングマネージャー以外、南米出身のエンジニア、
ヨーロッパのマーケティングマネージャはフランス人、品質管理は中南米、
製造担当は台湾人、デザイナーは日本人、という国際色豊かな会議でし
た。
お互いブロークンですが英語で議論は白熱し、そしてひとつの結論を得ま
した。
みんなで握手をして会議室をあとにしたあと、廊下でアメリカ人のマーケテ
ィングマネージャに呼び止められました。
「カズ、お前は今の会議にハッピーか?どうやらオレひとりだけがきちんと
理解してなかったようだ。わるいけど後で簡単に議事のサマリーを作って
メールで俺に送ってくれないか?」
といわれたのです。
私たちにしてみるとグロービッシュそのものは特別な「英語」ではなく、
「出来ることをやってみた」結果であり、それが母国語で英語を使う人に
「これはわたしたちの言語とは違う世界の共用語だ」と気づいた、という
ことなのでしょう。
国際的なニュースに対するツイッターやユーチューブ上でのコメントは、み
な、わかりやすい平易なものです。
もうひとつ、英語のブラッシュアップをせねば!と考えていた自分にとって
も、少し肩の荷が下りるとともに、これでいいのだという自信(笑)にもつな
がりました。
これもネット化によって加速した文化の変化だと思います。
ぜひ読んでみてください。
2010年06月28日(月)更新
IABC2010トロント参加記(7)
数多くの企業の事例が聞けることです。
時に危機対応や危機的な状況からのリカバリーなど、マイナスイメージに
関わることが少なくないのです。
今回の例で言えば、GMのコミュニケーション担当者の話が秀逸でした。
倒産に瀕する状況の企業が、どのような社内コミュニケーションをおこない、
この厳しい時期を乗り切ろうとしたか。
この話は夏休みに明けに実施する予定の振り返り報告会でぜひ詳細にお
話できれば、と思うのですが(もったいぶってすみません)、いつも感じるこ
とは日本の企業で広報やコミュニケーションに関わる方から、自社での対
応事例を聞く機会はとても少ない、ということです。
とくにネガティブな状況に関する話題は稀有です。
今後、企業内コミュニケーターやコミュニケーションに関わる部署が経営に
認められ、職能としてプロフェッショナルとなるためにも、経験をシェアでき
る方がどんどん出てくる状況を作らなければならないと感じます。なぜなら
ば、広報や企業コミュニケーションを取り巻く役割の変化、価値の変化が
大きいため、社会にも社内にも、改めてその価値を伝える必要があるから
なのです。今までのように粛々と守りの広報をやっていると、更なる予算
や組織の縮小を免れなくなります。
それもこれも、「広報は生涯のキャリア」と位置づけられていない多くの企
業の現状にあるのかもしれません。
かつて宣伝会議さんの主催の危機管理セミナーで不二家の広報の方が
不祥事対応を語ってくれたとき、参加者は予約で満杯、立ち見が出るよう
な状況でした。
みんな聞きたがっているのに、自分のことは話さない。
これは何とかしたいですね。以前、社内広報について、コミュニケーション
担当者の意見交換会を実施したことがありましたが、思いのほか多くの参
加者がありました。改めてまた同じようなことを企画してみても良いかと考
えています。
話をIABCに戻すと、もうひとつ参加して興味深かったセッションも、上記に
関連している話でした。
「企業内コミュニケーターはエージェンシーのように振る舞え」
というタイトルで、プレゼンターの2人は私と同様、企業の広報から独立され
たエージェント(コンサルタント)の方々です。
コミュニケーションエージェンシーのアプローチとして、社内コミュニケーター
に欠けている点は、
1.経営視点、特にコスト意識
2.プロジェクトマネジメントスキル
3.戦略思考、特にアウトプットよりもアウトカム(成果)
と、それらに対する強力なコミットメントと述べています。
このセッションのポイントは以下の2つに集約されます。
1.
社内コミュニケーターとしてエージェントの強みを有効活用する。そのために
も上記の理解に務め、エージェントからタクティクス(具体的なアイディアや
対処法)を引き出すのではなく、成果を最大化すべくより戦略的なアプローチ
に助言を求める
2.
社内のコミュニケーターがエージェント的な思考やアプローチを吸収すること
により、経営や他の事業部に対し貢献度の高いコミュニケーション活動を実
施できるようになる
最後にビル・ゲイツさんの言葉を紹介していました。
「社内に自分と違うスキルセットを持ち、共感力があり、コミットメントがある
信頼できる仲間がいることはとても重要なことだ」
こういう理解を社内で取り付けること、これこそがコミュニケーション職の
価値化なのではないでしょうか?
2010年06月24日(木)更新
IABC2010トロント参加記(6)
イベントがあります。
たとえばアジア、ヨーロッパなど地域ごとに分化したパーティー、表彰式、
ゲスト講演、ネットワーキングパーティなど。
今年は4月に香港でアジアのコンファレンスがあったせいか、今までのア
ジア地域のパーティーに比べるとインド、ニュージーランド、中国の方が少
なかったのかもしれません。
ここでも特徴的なのはアジアのメンバーだけが集まるのではなく、アジアに
興味があったりビジネスで関係しているヨーロッパやアメリカの方々も顔を
だすところです。すなわち、セクショナリズム的ではなくビジネスオリエンテ
ッドなのですね。
3日目のお昼前には全員が集まる大きなオーディトリアムで基調講演が
ありました。
「フリー・ザ・チルドレン(Free The Children)」という国際協力NPOの設立
者であるクレイグ・キールバーガーさんのスピーチです。
毎回必ずこのような社会活動家のゲストが呼ばれるのですが、彼がこの事
業をスタートしたのは12歳!
つまり、「子どもが子どもを支援する」国際協力を合言葉に活動しているの
です。
事業の目的として、
「貧困や児童労働から子どもを解放する」
というのはわかりやすい、ありがち(といっては失礼)ですが、
「子どもには社会や世界を変える力がない、という考えから子どもを解放する」
というのが特徴です。彼は現在20代後半ですが、すでに15年の社会活動経
験から、企業や社会に対し、大きな影響力を与えています。
よって講演のテーマは「これからの企業文化のあるべき姿」というとても示唆
に富んだものとなっていました。
CSR活動を活性化させるものの、CSRはCSRとして割り切っておこなっている
企業は少なくありません。
彼はCSR活動を通じて社員のスキルアップや業務の質の向上、その底上げ
によって事業の継続性が高まり、評判やブランドの向上につながると述べてい
ます。
そのために活動の意義を社員にしっかり伝え、地域、社内外をつなぐコミュニテ
ィを形成、そのなかで企業と地域がプロアクティブに動く(行動なきところに成果
は現れない)基盤を作っていきます。
事例として紹介された米国ソニー・エレクトロニックス社のサンディエゴテクノロジ
ーセンターの「Star Class」奨学金プログラムでは、学生に施す、という一方的な
ものではなく、社員と高校生との複数年の交流が行われ、相互がコミュニティー
の底上げと活性化のために協力していくとうもの。
「わたしとあなた」という関係から「わたしとわたしたち」という関係へのシフトが
大きいのだ、とくくりました。
環境やCSRなど、今後の日本の企業コミュニケーションにおいてますます重要
視される話題ではあるものの、ただやっている、という状況を脱し、このように芯
のある考えをもった活動、企業が評価される時代になってくるのでしょう。
フリーザチルドレンには日本支部があり、活発に活動されているようです。
http://www.ftcj.com/index.html
2010年06月23日(水)更新
IABC2010トロント参加記(5)
します。
変化のはげしい時代における企業の社内信頼形成
(エンプロイコミュニケーションの重要性)
===========================================================
エンプロイコミュニケーションはIABCにおいてもトップトピックのひとつです。
しかし社内報やイントラの活用法など、ツールレベルの話題はほとんどありま
せん。
今風の言い方をすれば「戦略(社内)広報」となります。
金融危機、景気後退、企業の不正やスキャンダルなど、後ろ向きな話題が続
くこの時代、社内コミュニケーションにおいては「関係構築」とともに、もうひとつ
の重要なトピックが「信頼形成」なのです。
特に国際的な企業や団体の経営およびコミュニケーションに携わる人は地理
的条件、文化、国籍も違う海外オフィスと本社間で社内外の「信頼」をどのよう
にリードしていけばよいか。
ロンドンのビジネススクールの教授によるセッションですが、机上論など皆無。
以下のトピックにおいて非常に具体的な説明がなされました。
・ なぜ信用が今重要なのか
・ 職場では金融危機、景気後退後、誰が誰を信じているか
・ 失われた信用はどのようにしてリカバリーできるか
・ コミュニケーターとしてどのような役割を負うべきか
論旨のポイントは良い意味でも悪い意味でも「感情論」ではなく、それを維持発
展させることがビジネスに反映する(非効率的な業務が無くなる、営業利益の
増加につながる、社員の精神的な健康状態により退社や医療費が減る)こと
を統計的かつ論理的に追っています。
現実的に金融危機や景気後退に際し、マネジメントはリストラやさまざまな変革
モデルを取り入れざるをえませんが、社員がそのまま真意を理解することは難し
いのです。(感情として受容するのはかなりステージがあと)
トップやシニアマネジメントが直接対話の機会を設けるのは大事かもしれません
が現実的には余裕がなく、十分な時間はとれません。
プラクティカルな方法として、ここではミドルマネジメントとコミュニケーション担当
者が「通訳」としてその間に立つ、というアプローチを紹介していました。
当然ここには部署やヒエラルキーを越える施策が必要となります。
「社内通訳者」の役割の重要性に着目し、それを活用している企業やシニアマネ
ジメントは、日本においてはまだ皆無に等しいのではないでしょうか?
多くの場合、日本でコミュニケーションが良い、と言われる企業はシニアマネジメ
ント自身の積極性が目立つ場合がほとんどです。
「双方向の仕組み」(聞く耳を持ったふり)は入れても、それを「下意上達」
する機能、あるいは役割は足りていない気がします。
社内コミュニケーションの相談は近年増えています。しかもツールだけでは解決し
ない問題がほとんどなのです。このセッションは経営レベルの人に対しても説得
力のある内容でした。
2010年06月22日(火)更新
IABC2010トロント参加記(4)
します。
アイディアジャム
===========================================================
これは2日目の朝1晩のセッションです。7~8名がひとつのテーブルを囲み
みんなで意見を交換するセッション。
私が参加したのは「エンプロイコミュニケーション」。
このワークショップはファシリテーターがIABCチェアのマークシューマンさん
だったのですが、進行がとてもユニークで上手でした。
(持参したポメラが写っています。今回はメモは全てポメラでタイプインし
とても重宝しました)
「不況、業務縮小、などから尾を引いている社員のネガティブな感情をどのように
ポジティブに変えていくか?」というテーマでスタートしました。
まず最初に社員や担当者が持つ「感情値」を出しあいました。
「怖れ」、「阻害」、「怒り」、「不安」、雇用の不安定さや仕事に対する「認知
の欠如」など、いくつかのキーワードが出てきました。これをテーブルごとにひと
つだけテーマとして選びます。
次にこれから6ヶ月でそれをどうリカバーするか、みんなでプランを考えます。
最後にそのプランを実施するためのバリアの認識とそれを回避する方法を考
えます。
アクションプランは理想論ではなく、コミュニケーションのプロとして組織をファ
シリテートするための具体的なアイディアでなくてはなりません。また、ネット
ツールなどに頼らないこと!という制約もありました。
ポイントは、
「それを達成するために自分たちはどう変化するべきか認識して行動する」
というところにありました。理解と等身大の働きかけが必要なのです。
「俺がやってやる」的な視点だけではダメだということは、洋の東西を問わ
ないのですね。
このあたり、今求められている「リーダーシップ」のプロファイルとも近いものが
あるなと感じました。
自分から社内に出て行って話を聴いたり、組織の壁を越えた対話の機会を
どう作っていくか、上の立場の人の引っ張り出し方など、ヒントになる意見が
数多く出てきました。
ほんの1時間足らずでぽんぽんとアイディアをまとめるなんて、できるのだろう
かと思いましたが、非常に民主的に会話がまとまっていくのがとても面白かっ
たです。もちろん皆さん仕事も国籍もバラバラ。
社内コミュニケーションの場合、仕組みを作ることよりも「どういう結果を見い
出すか」を明確に持つことが重要なのです。
簡単なワークショップでしたが、日本向けには多少アレンジが必要なものの、
ヒントが多く、企業向けのセミナーの機会などで自分もやってみようと思い
ました。
(どちらかの企業でご興味があればお手伝いいたしますよ)
2010年06月21日(月)更新
IABC2010トロント参加記(3)
スタートは朝8時!これもこのコンファレンスのユニークなところかも
しれません。合計3日半で約80ものプログラムがあるのですから、し
ょうがないですね。本当に一日盛りだくさんです。
朝2本、午後2本のセッションは、以下のようなカテゴリーがあります。
1.プロのコミュニケーターとしてのスキル習得セッション
2.参加者で意見をぶつけるアイディアジャム
3.企業事例などのコンファレンスセッション
4.企業やコンサルファームのエキスパートによるパネルセッション
5.業界で有名、あるいは人気のパネリストによるオールスターセッシ
ョン
合計3日半で約80ものプログラムが同じ時間帯にいくつかのテーマで
実施されるので参加者はその中から自分の興味にあったテーマ、プレゼ
ンテーションを選びます。
テーマには以下のようなものがあります。
1.チェンジマネジメント
2.コミュニケーションリーダーシップ
3.エンプロイコミュニケーション
4.グローバルトレンド
5.マーケティング&ブランド
6.パブリックリレーション
7.ストラテジー&カウンシル
その間にゲストスピーカーや会長による講演、スピーチ、表彰、各地域の
パーティーなどがあります。
初めて参加した2年前のニューヨークはリーマンショック前ということもあった
のかもしれませんが参加者が2000人を超え、その盛り上がりはすごいも
のがありました。翻って昨年。多くの人にとって参加しやすいはずのサンフ
ランシスコでも参加者は1500人。やはり景気低迷の影響は否めませんで
した。今年の参加人数は前年並みでした。
今年は日本からは私を含めて4人が参加していますが、初参加の某企業の
コミュニケーションマネージャの方は
「広報コミュニケーションをテーマにして、いわゆるコンベンション(展示会)で
はない純粋な会議に、世界中(約30カ国)からこんなに沢山の人が集まる
というのに驚いた」
とおっしゃっていました。
確かに単なる勉強の機会として捉えるならば、参加費(海外の場合は少な
くない旅費も含む)はけっして小さいものではありません。
私が参加して常に感じることは、
「プロのコミュニケーターは経営視点、利益意識、活動持続性」
を常に意識しているということです。
すなわち、広報コミュニケーションの仕事が、会社にとって「コスト」ではなく
「プロフィット」になるべく働いているのでしょう。
やはり昨年から今年にかけて、大きなテーマは「エンゲージメント(関係構築)」。
そのひとつはソーシャルメディアの発達による社会や顧客あるいは社員との
「対話」、もうひとつはソ-シャルレスポンシビリティの視点です。
もちろんツイッターなどの新しいツールの話も出ますが、より永続的な観点か
らのコミュニケーション戦略について語られることがほとんどです。
2010年06月18日(金)更新
IABC2010トロント参加記(2)
トします。しかしお昼に受付に行くとまだ人影はまばら。
これで本当に1500人も来ているのだろうかと少し心配になりま
すが、セッションが始まるとなんだかんだ、一部屋に数百人が集ま
ります。
初日は主に初心者向けのスキルアップセミナーがあるのですが、勉
強熱心なベテランの顔も多く、ファシリテーターもすこしやりにく
そうな表情をするときがあります。
2つのセッションをこなすと夕方にオープニングイベントがあります。
昨年はシスコのコミュニケーションマネージャー(バイスプレジデント)
の女性による、社内コミュニケーション革新の話でしたが、今年は
趣向を変え、ドラムカフェというパーカッションパフォーマンスチー
ムの演奏でした。
彼らは会場に集まる参加者(1500人強)の人数分のジェンベ(ア
フリカの打楽器)を用意し、椅子においていたのです。すなわち彼ら
のパフォーマンスに合わせて聴衆が全員参加でリズムを作り出してい
く、体験型のパフォーマンスなのです。
1対1では臆してしまうでしょうが、1000を超える数の音、しか
もそれが会場でひとつにまとまると瞬時にすごいパワーを感じること
ができるのです。
彼らのメッセージは「コミュニケーション」という一見とらえどころ
のない、評価しづらいものも、やりかた一つでわかりやすく、圧倒的
につたえることができる、というものです。
景気の後退から少しリカバリーが見えたのか、全体的に昨年のサンフ
ランシスコよりも参加者の元気を感じますが、それを後押ししてくれ
るような、勇気の沸く、すばらしいオープニングでした。本当にIABC
はコンファレンスの企画設計がクリエイティブだと感心します。
チェアマンのマークシューマンさんはさすがに香港のときよりも堂々と
していました。「ちょっとしたことでもみんながすぐひとつになれるこ
とができることを忘れてはいけない」という力強いメッセージを語って
くれました。
本来であればこの後はレセプションパーティーが開かれたのですが、
同行スタッフが体調を崩し、日本チームで軽めの夕食を取り、明日か
らのハードなセッションに備え、早めにホテルに戻りました。
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