大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2009年06月16日(火)更新

「ユニクロ X ユニコーン」Tシャツ

ユニクロは毎年シーズンごとに企業のロゴやトレードマーク、商品の
パッケージイメージなどを使った「コラボレーションシリーズ」を展開し
ていて、企業コミュニケーションに関わる身としてはとてもユニークで
面白い試みだと感じています。

さらに今年は日本を代表する伝説のロックバンド、ユニコーンの再結
成を記念してユニクロが6月15日から段階的に数種類の記念Tシャ
ツを販売するそうです。

http://ut.uniqlo.com/unicorn
uniqlotshirts

このデザインはユニコーンのオリジナルのグラフィックではないけれど、
ユニクロのロゴとユニコーンの文字を引っかけた、この企画ならではの
もので面白いと思いました。

このような企業や団体のロゴなどとのコラボレーション企画で類似す
るサービスとしてはアメリカではかなり以前から「カフェプレス」と言う
サイトが有名です。
http://www.cafepress.com/

企業や個人のデザイナーが自社のロゴや自分のデザインを登録し、
ユーザーは欲しいも柄があるとその柄の入ったTシャツやトレーナー、
キャップやバッグ、マグカップなどにプリントして届けてくれる、という
ものです。
Tシャツやマグカップなどの材料と印刷プロセスはカフェプレス側で
サポートするので企業側はノベルティの仕入れをしなくてすむので
非常に便利です。
(日本でもこのサービス、企業にも個人のアーティストにも需要はあ
ると思います)

余談ですが、僕は以下のデザインが気に入っています。

helvetica

話を戻すと、ユニクロさん(他の企業でも良いのですが)には、来年
ぜひお願いしたい企画があるのです。

それは、医療関係をはじめとして人権、教育、環境、国際協力など
のNPO団体のロゴをつけたTシャツコラボレーションです。
(もう既出でしたら世間知らずでごめんなさい)

ユニクロを通じてそのTシャツを買うと募金協力できるという仕組みで
す。もちろんユニクロさんは利益の一部を購入者と一緒に募金しても
いいですね。

もちろんこれはひとつのアイディアで、きっと細かく詰めていくと色々
クリアしなければならない課題もあるかもしれません。

しかし世の中には「ワンクリック募金」というサイトもあり、クリックする
だけで(クリックしたユーザーの負担無しに)協賛している企業から募
金が発生するというしくみも存在しています。(皆さんも試してみてくだ
さい)
http://www.dff.jp/

このサイトの良いところはそれだけでなく、協賛している企業に対し
「ひと言」意見を添えることも出来ますし、企業はこのような関わりか
ら社会やネット市民に対し意思の表明やコミュニケーションの糸口を
作ることもできるのです。

思いがあればきっと解決の道は見つかるのでしょう。

これらの話はユニクロさんに限らず、どの企業にもチャンスはいっぱい
あると思います。

2009年04月28日(火)更新

なぜ「Webリニューアルをやめろ」というのか?

多く企業で広報やマーケティングのコスト削減、活動自粛が余儀なくされて
いる昨今ですから、いまさらそんなこといわれなくても「今はリニューアルな
んかしないよ」と言われそうです。

しかし実際には市況に関わらず(いや、まさに市況の影響で)、会社としての
指針や方向が変化したり、リストラを実施したり、他社とM&A(合併と買収)
が起きたりと、急激な変化からWebを見直さなければならない、という企業も
出てきているのです。

そんななかで「何らかの方策を打たなければならないのはやまやまだけど、
どのように考えていけばよいのか?」と相談をいただくことが増えてきました。
実際には「ビジネス戦略」に基づいた「コミュニケーション戦略」から「Web戦略」
と実現可能なステップへの落とし込みを行っていけばよいのかもしれませんが
それは「平時」の考え方で、今はその余裕がない、というのが正直なところでは
ないでしょうか。(事実そういわれます)
そもそも、今までは「Webリニューアル戦略」といっても担当者の実務に落とし
込みが出来ていないことが多いために「作っておしまい→3年で飽きてリニュー
アル」を繰り返すパターンが多いのです。

私自身が企業広報担当者だった手前、相談をいただくご担当者と同じ視点で
考えることを旨としてみてみると、やはり性急に「Webリニューアル」をすること
は、いまは良策だとは思えないのです。
(投下コストに対し、リスクが高すぎます)

そうであれば、一度今まで10年近く無作為に積み上げてきた自社Webサイトの
「リセット」もかねて、基本となる会社のメッセージのみに拘泥し、「とりあえず体
裁を整えるために全体を作り上げること」はやめ、担当者の実務に根ざした優先
すべきところに集中して見直してみるのも得策です。

「優先すべき実務って何だ?」と聞かれると、それはその企業や団体によって
それぞれだとは思うのですが、オンラインメディアリレーションやCSR、海外対応、
そして一番多いのが社内コミュニケーションの見直しなどです。

ぎりぎりのタイミングで制作会社さんに丸投げするのではなく、考える猶予が
ある今だからこそ、少しずつ自分の手元で解決していけば、結果的に全体を見
直すときの強固な指針となりえるのです。(少しでも自分で解決しているから
腑に落ちている=会社の考えと合致している)


以前にも以下のようなエントリーを投げかけたことがありました。

「作って終わり」のリニューアルにしないために

大企業のウェブはなぜつまらないのか

何かピンと来るものがあればお気軽にご相談いただければうれしいです。
http://www.crossmedia.co.jp/inquiry/



*ちなみに弊社のWebサイトは、より具体的でわかりやすいコミュニケーションを目指し
 1999年以来、4度目のフルリニューアルを実施中です。これは実務の見直し=すべて
 だからです。

2008年12月16日(火)更新

日産自動車相談役、小枝至さんの考える「現代の企業コミュニケーション」

日本経済新聞の夕刊一面の下方に「明日への話題」と言うコラムがある。

ここに時々、日産自動車の相談役であられる小枝至さんが寄稿されて
いるのだが、常に「コミュニケーション」に関わる視点で書かれており、と
ても興味深い。

直近のコラムでは、

「現在の職場では上司と部下のコミュニケーションが不足していると部下は
感じているようだが、経営側もコーチングや研修や対話集会を行っている。
しかし自分が現役だったときには特段話し合いの機会や研修を持ったこと
はないが、上司の考えや方針は理解できた。」
と書かれている。

koeda

では現在の社会で起きている変化はどういう原因によるものなのだろうか?
小枝さんは

「情報革命の進展で、今の社会で働く人それぞれのコンテキスト(行間、
ニュアンス、以心伝心、相手への理解力といったもの)を掴む能力の格
差が大きく生じてきたからではないか」

とおっしゃっている。

よって

「日産でもグローバリゼーションの加速とも相まって社内のコミュニケーシ
ョンを社外に対するものと同様に重視している」
のだそうだ。

先日のIABCでもほぼ同じようなテーマを踏襲しており、これは日本だけの
話ではなく、世界的な傾向の問題なのだろう。

「これからは部下に業務上の指示を出すときに目的、背景、納期、キャリア
との関連を説明し、会社の目指す方向、短、中、長期の目標、期待、会社
の現状などを透明性を持って繰り返し発信し納得してもらうことが重要」

と結んでいる。

自身の業務に結びつけると、企業のウェブサイトもイントラネットも、このような
背景で「どうのような関係を築くか(エンゲージメント)」と言う観点で練り直す
必要がありそうだ。

そうなると10年かかって築き上げてきた今の企業サイトやイントラネットの
様子はこれから大きく変化するのではないだろうか。
望むらくはそのときに「とにかくリニューアルですね」と言うような話に終始
しないようにすることだ。
仮にリニューアルするとしてもここ数年でリニューアルしていれば、スタイル
シートやCMSを活用しているだろうから一から作り変えなくても大丈夫なは
ずだ。

最後にもうひとつ、小枝さんのコラムで面白いものがあったので紹介しておく。


「幸いにして人間の場合は本人の努力で賞味期限の延長が可能である」

2008年05月08日(木)更新

会社から消え行くもの?

お世話になっている社労士さんからメールが来た。
オフィスのレイアウトチェンジをして応接セットを撤去するのでソフ
ァーとテーブルを必要な人に譲る、というのだ。
良いアイディアだと思うが引き取り手は果たしているだろうか?

ビジネスの打ち合わせは手帳かノートPCが前提のことが多いので、
たまに訪問先で応接に通されるととても話がしづらく感じる。
深く腰掛けてはプレゼンテーションもできない。
広報時代は女性のインタビュアー(記者)は膝元を気にしてかわいそ
うだった。

ロビーでお客様にお待ちいただく分にはソファーは良いのだろうけど
もはや会議や一般的なビジネスミーティング向きではないと思う。
慢性的に会議室が不足して受付脇のオープンスペースで業者が見積も
りを広げている会社を見たこともあるが、それなら使い勝手の悪い
応接をいくつかのミーティングルームに改造したほうが良いかもしれ
ない。

上司と部下、同僚との打ち合わせ、外部のお客様や業者との打ち合わ
せなど、どんな場所を選ぶかでその会社がコミュニケーションをひい
ては相手をどれほど大事に思っているかがわかる気がする。

イントラの整備も重要だが、前提としてまず面と向かって話がしやす
い環境づくりが重要だ。さもないとしんと静まり返って集中している
ようで全員チャットしていた、なんてことにもなりかねない(これは
数年前に自社で実際に経験した悪夢)。

2008年05月02日(金)更新

New Communications Forum 参加記(その2)

今日は会の概要をお話しよう。

今回参加した「New Communications Forum」は今回で開催が4
回目。わたしは一昨年に続き2回目の参加だ。

http://newcommforum.com/2008/

ncf2008
このフォーラムは「Society for New Communications Research」
というNPO団体が主催しており、企業コミュニケーションに関わる
企業のプロ(広報、マーケティング、宣伝)とそのサービスベンダー、
ジャーナリストたちで作られている。
企業コミュニケーション業界の純粋な発展のために研究、発表、
交流を行っており、ベンダーサイドが参加しているからといって、や
みくもに営業っぽいことをしないところが非常にこなれている。

http://sncr.org/

セミナーは3日間、200人程度の参加者でホテルを貸切り、早朝、
昼食時、夕方と3回のキーノートスピーチに各界の著名人や同団体
の研究員による発表が行われる。
間の午前中2コマ、午後の2コマはそれぞれ企業コミュニケーション、
マーケティング、ジャーナリズム、政治と社会、グローバルトレンドと
いう5つのセクションごとに分科会が開かれ、どのセッションに誰が
参加しても自由だ。
通常1時間のワークショップでは、誰かが目いっぱい話をしておしま
い、というようになりがちだが、問題定義は20分程度、多くの時間を
「意見を聞く」ことに割いているところが素晴らしい。みな「聞く」ことに
真剣なのだ。

ncf1

今回のテーマは

”企業に求められるのは「コミュニケーション」から「カンバセーション
(対話)」”

というものだ。

世の中の変化に対し、わたしたちはどう対応すべきか、という内容を
ツール適応中心ではなく、あくまで顧客や社会との関係性構築(エン
ゲージメント)や実施するためのプロセス、組織論、結果をどうビジネ
スに還元するかに特化している。

ほぼ同時期にやはり同じくサンフランシスコで開催された
「Web2.0EXPO」
と内容は類似しているが、こちらはオライリーが主催
していることもあり、ややツールや技術志向が強いようだ。

参加200人のうち、パネルやスピーカーなどが約3分の1。またジャ
ーナリストやパワーブロガーも20~30名いる。一昨年のときからそう
なのだが、彼らはコンファレンスの最中にビデオや写真を撮り、その場
で印象やコメントを加え、ほぼ同時刻にブログにアップしているのだ。
昼休みにポッドキャスティングしている人もいた。
話題はテクノロジーよりではない、といいつつもかなりハイパーなのは
確かだ。

ncf2

さらに驚かされるのがトゥイッター(Twitter)だ。ノートPCを持ち込んで
いるほとんどの人間がトゥイッターを使っていて、挙手して質問するま
でもないけどちょっと自分の気持ちを表したい、という時にこのツールは
ぴったりだ。
しかしこれは恐ろしい。もはや聴衆が同時に無言でつながって意見交
換しているという状況なのだ。

実際、キーノートスピーチで黒のスーツに派手な柄のシャツ、そろいの
派手なソックスを履いたおしゃれなスピーカーがいたのだが、誰かが
「あのソックス、先週のイベントでも履いていたぞ」とコメントしたとたん、
カメラを持った人間がその写真を撮り、WIKIにアップされてしまったの
だ。(笑)

socks

自分もセミナーを行う立場なだけに、ソックスにも気が抜けない時代が
そのうちに来ると思うと少々頭が痛くなる。

次回は具体的なセッションの様子をレポートしたい。

2008年05月01日(木)更新

New Communications Forum 参加記(その1)

2週間近くブログのアップが滞ってしまった。

この間、米国で開催されたコンファレンスに参加してきたのだが、
せっかくの機会に時差で眠くなって集中力を欠くのはもったいな
いと2日早く現地入りしてその調整(サンフランシスコでマーケット
リサーチという名のウィンドウショッピング)に精を出したせいか
会議はとても充実したものとなった。

反面、本来は戻り(ウェストバウンド)の方が早いはずの時差の
戻りに苦慮し、連休前半は体調不良で寝込んでしまった。

今回は5回に分けて参加記を書いていこうと思う。

まずは久しぶりの米国、ということでサンフランシスコとその近郊
の状況をレポートしたい。
いつもは空港からレンタカーを借りて車で移動、が基本なのだが、
市内の駐車料金を考え、最初の2日間は電車で移動、市内はほ
ぼ、徒歩でめぐっていた。気楽だし、お金も掛からない。
サンフランシスコは縦横5キロ四方に囲まれているので中心部だ
けなら1日2~3キロぐらいの歩行でほぼカバーできる。

いくつか気づいたことを書こう。
(写真は記事と関係ありません。イメージです)

1.
サンフランシスコといえば、リベラルな文化の発祥地のひとつでも
あり、西側に大きなゲイタウンがある(カストロストリート)。私自身は
ストレートだが、ゲイのコミュニティは文化度も高いのでゲイタウンを
訪ねるのはとても楽しい。
数年前までレーザーラモンHG(上半身裸で革のベストと首輪だけ)
のようなカップルがいっぱいいたのだが、かなり減ったように見えた。
かわりにダウンタウンにはヒスパニックや黒人系のホームレスが増
えた気がする。

sf1

2.
公共の場はほとんど禁煙になった。タバコの値段はだいたい一箱
4~500円程度。当然洋モク(古い)も日本のほうが安い。
歩きながら平気で吸っている人も時々見かけるが、きっとヨーロッパ
の観光客なのではないだろうか。

sf2

3.
エコバッグやリサイクルの意識は高いように見受けられる。有名ブラ
ンド店でもこぞってそのようなメッセージやバッグを出したりしている。
(バッグの値段自体はぜんぜんエコではない)

sf3

4.
食事量が多い。飲み物もアイスクリームのカップも一番小さいもので
十分。エコとか環境とか言う前に小麦も値上がりしていることだし、
提供する食事の量を3分の2にしたらどうかと思う。
結局こういう食べ物のディスポーザル(廃棄物)が潤沢にあるから
ホームレスの人たちも決して飢え死にしない。

sf4

5.
サンフランシスコの後にバークレーに立ち寄った。インテル時代に良く
通ったスタンフォード界隈とはまったく異なり、若者らしく猥雑な店が
いっぱいあってとても楽しかった。
レコード店、古本屋などのレベルが非常に高かった。いくらでも時間が
つぶせそうでとっても危険だった。
「トランス脂肪酸をまったく使っていないけどすごくうまいドーナツ屋」
というのは強力だった(おいしかった!)

sf5

6.
ホテルやレストラン、公共機関でもまだシャワー付きトイレを米国で
見たことがない。これは日本の誇る偉大な発明だと真剣に思う。
私はいわゆる痔主ではないものの、シャワーつきトイレに慣れてしま
ったのでそれがないとどうもすっきりしない。
回避措置として米国出張時は花王のサニーナという泡状の洗浄剤
をいつも帯同している。

sf6


では、次回からは本題の会議の内容をレポートする。

2008年04月18日(金)更新

サンフランシスコ

明日から一週間、米国西海岸のサンフランシスコ郊外で行われる
コンファレンスに参加すべく出張に出る。

これは、「企業広報」、「宣伝」、「マーケティング」、「ジャーナリズ
ム(メディアリレーション)」に関わる企業の担当者とメディア側、
合計8極の人たちが集まって議論し、共有する3日間の会議だ。

一昨年初めて参加したときもとても多くの刺激を受けた。
同時期にサンフランシスコで開催される「Web2.0 Expo」に比べる
と規模はかなり小さいし、主題のひとつが「オンラインテクノロジ
ーの活用」だとしてもあまりテクノロジー寄りにならず、常に企業の
コミュニケーション運営やキャリアモデルに軸足があるところがとて
も心地よいのだ。

newcomm
当初は米国の先進事例を勉強しに行こう、という姿勢で臨んだの
だが、実際は彼我の差はほとんどなかった。ただ、彼らは常に立
場を超え、前に進むべく積極的に話合う姿勢がある。それだけな
のだ。その点において、彼らは自らの役割に対する認識は強いが
所属する組織に対する意識は希薄な場合が多い。
ただ会社の目指す目的を達成するために働くプロフェッショナルな
のだ。

日本でコーポレートコミュニケーションを考えるときに立ちはだかる
大きな壁のひとつは、やはり「組織の縦割りの問題」だ。
それぞれが独立した予算管理を行っていることもあり、全社的なコ
ミュニケーションプログラムを行おうとすると、思い切ったトップダウ
ンの場合以外は実施されてもなかなかうまくいかないのが実情の
ようだ。
まずどこかの部門がリードしてツールやメディアの導入、サイトのリ
ニューアルなどを行っても継続性がなく失敗に終わる事例が絶えな
い現状を見るに付け、やはり組織を超えた意識を持つコミュニケー
ターの存在がキーになると思わざるを得ないのだ。

そういう人材をサポートする糧を一つでも多く持ち帰ることができれ
ばと思う。

2008年04月15日(火)更新

短時間でアイディアをまとめる方法。

先週一泊で姫路に行き、中小企業大学関西校にセミナーの講師と
してお世話になってきた。

テーマは例年通り「ビジネスプレゼンテーションと効果的に思考
をまとめる方法」というものだが、対象が昨年から、いわゆる経
営幹部を対象にした「経営管理者コース」から「新任管理者コー
ス」に変わったこともあり、全体の平均年齢も10歳ぐらい若返
っている。

思えば6年前に初めてお世話になった頃は「画面のアニメーショ
ンの方法を教えてくれ」など、「パワーポイントの作り方教室」
のような誤解が生じていたが、さすがにそれもなくなってきた。
そればかりか、ポストイットを使ったアイディア出しの実習も
かなりまとまりの良さが見えてきた。
午前中の座学は主にプレゼンテーションの考え方、発表方法など
悪く言えば教科書的な話が多く眠くなりがちだが、ところどころ
で質問や実習を織り込んで行ったので居眠りをする人が一人もい
なかった。

午後は実習ベースなのであっという間、という感じだ。
40名のほとんどが別々の会社から参加した人なのだが、まず「
あなたの会社で業務生産性を落としている要因を何でも良いから
書き出してみてくれ」というと、ものの10分足らずでかなりの
数の意見が出た。

次にはそれを似た意見ごとにグループ化するわけだが、これも「
ヒト」、「モノ」、「コト」というように分けていくと、意外に
整理が進む。しかも5つのグループでのばらつきはあまりない。
最後はこれらに対する対応策をそれぞれのグループごとに見出し
ていくわけだが、ここには各チームごとの個性が反映されてとて
も興味深かった。また、単に「○○をやめる」というのは対応策と

いえないので「ヒト」も「時間」も「金」も限界がある経営者の
視点で考えてみてください、という注文をつけた。

結果的にそれぞれのチームごとに5分程度のプレゼンテーション
を行っていただいたのだが、とても1時間たらずで考えたとはい
えないぐらい多くのアイディアを、客観的にまとめることができ
ることをわかっていただくことができた。
また、京阪神の企業から来た方が多い、という理由もあるのかも
しれないが、「オチ」を忘れない心の余裕もさすがだった。

別のテーマでも半日ぐらいの時間があれば実施はいつでも可能だ。
簡単なファシリテーションで、事後の全社導入も容易なのが良い
ところだ。
もしご興味があれば連絡をいただけるとありがたい。
即効性があり、組織の生産性を挙げるきっかけになる はずだ。

2008年04月08日(火)更新

私の出発点~インターネットマガジン

残念ながら2006年に休刊しましたインプレス社の「インターネットマ
ガジン」。
まじめな編集姿勢で日本のインターネット創成期から多くのウェブ
関係者を支えてきた。
最初期の背表紙の厚みは1センチ。それが最盛期には3センチ近く
なり、最後の1年はホチキス止めだった。

日本のインターネット商用利用がスタートした頃、PRマネージャー
をしていたわたしが最初に書いたウェブ関連のニュースリリースは、
1994年12月の「日本初の企業人材募集ホームページの開設」と
いうものだった。
それが奇しくもインターネットマガジンの創刊とほぼ同時期というこ
ともあり、1995年の2月号(創刊第3号)に4ページの特集記事と
して取り上げていただいた。

imag
いままでも「記念碑」的に雑誌を書架に飾っていたりしたのだが、
なんと、現在インプレス社はインターネットマガジンの休刊とともに
全コンテンツをアーカイブとしてオンライン上でPDFの無料開示を
しているのだ。これはある意味インターネット創成期の貴重なデー
タベースともいえる。

もちろん上記の私の記事も読める。(甘酸っぱい記憶)

ページに添付してある画像はグレーバック(まだ背景白が使えない
時代)のモザイクナビゲーター1.0(ネットスケープやIEができる前
のオリジナルブラウザー)!今となっては貴重な記録だ。

http://i.impressrd.jp/bn/pdf/1995/02/003

http://i.impressrd.jp/files/images/bn/pdf/im199502-096-bizrep.pdf

imag2

2008年04月04日(金)更新

入社式トップ訓示に見る企業コミュニケーションの傾向値

毎年楽しみにしているのが日経紙面で4月の第1週に特集される
「入社式トップのあいさつ」特集だ。
端的に世相を反映させるもののひとつで毎年楽しみにしている。

昨年のエントリーはこちら
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/102/10004745.html

今年の傾向としてピックアップされたのは

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」

だそうだ。

それぞれトピックとしてはあまり新鮮味がないが、それぞれのコメ
ントの背景に浮かび上がるキーワードが「スピード感」だ。
ITツールの発達も起因することの一つかもしれないが、ビジネスや
生活のプロセスが”やみくもに”スピードアップしていると感じるのだ。

私自身もオフィスに来てPCの電源を入れると、なぜかその時点から
妙にせわしなさを感じてしまう。

「早くメールを読もう」

「早く仕事の順番立てをしよう」

「早く目の前の仕事を処理しよう」

というように。

その結果、考えや判断、視野が狭くなると感じるのだ。
そんなときは少し早く家を出て、カフェでおいしいコーヒーを飲みなが
ら手帳を広げて色々なトピックをマッピングして整理するととても落ち
着いて一日を過ごせる。(結果的に業務効率も高く、スピードアップ
する)

あまりにも便利なツールやメディアに囲まれて仕事をしているからこ
そ、「自分のペース」や「自分の時間」をしっかり持つことこそ、正しく
より高品質なアウトプットが出せる気がしてならない。

振り返って

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」
も、
今の世の中では普通に起こりえる、「当たり前」のことだ。

だとしたらなぜそれが問題なのか。
それを考える機会を提示するのが本来のトップのメッセージではない
だろうか。

携帯とネットが基本。そんな若い世代ほど、色々な意味で事を急いで
いるような気がする。その結果一番怖いのが「思考停止」を招くことだ。
世の中はより複雑になり、「How to」だけでは解決できないことが多く
なっている。
「What」、つまり「自分ならこうする」という「独自性」を持つこと。それを
検証しあう「コミュニケーション」の積み重ねが大事だ。

トップは、本当はそのフレキシビリティ(柔軟性)を求めているのだと思
った。
来年のキーワードはもう少し新鮮味のあるものだと良いのだが。。。

megane
«前へ 次へ»

会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

詳細へ

個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

詳細へ

<<  2024年4月  >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

コメント一覧

最新トラックバック

  • ブラウン ニゾ スーパー 8カメラ 561 from CRAFTS DESIGN
    ( Braun Nizo Super 8 Camera 561 ) 各要素が絶妙なバランスで配置されています。「デザイン」と言うものの美しさを改めて感じる瞬間。 無駄が削ぎ落とされた配置の美学。 ドイツの電気器具メーカー「ブラウン(Braun)」の子会社だった、「ニゾ(Nizo)」による8ミリカメラです。クラシカルでヴィンテージな香り満載です。 ブラウンは、ドイツのモダンインダストリアルデザイン、また機能性と技術の融合と密接な関わりなど、現代のプロダクトデザインに大きな影響を及ぼしてきたメーカーです…
  • フェラガモ アウトレット from フェラガモ アウトレット
    50万円のパソコン用キーボード! - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘
  • mbt mens shoes from mbt mens shoes
    企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘
  • Air Jordan?1 from Air Jordan?1
    企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘
  • Chanel Perfume from Chanel Perfume
    企業広報誌 - クロスメディア・コミュニケーションズ 代表取締役 雨宮和弘