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2009年03月21日(土)更新

ビジネスコミュニケーションとデザイン/ビジュアル表現

先週はレギュラーの宣伝会議インターネット広報講座の4回目で
「ウェブにおけるデザイン/ビジュアルの重要性」というお話を
しました。

自分自身が企業広報出身ということも有り、できるだけ技術寄り、
制作寄りにならず企業担当者視点でお話しするようにするため、
数多くの事例を紹介しながら自社の課題に鑑みて「考えるきっか
け」を持っていただくように心がけています。

宣伝会議さんのセミナーの良いところは、毎回講義終了後に参加
者にアンケートを書いていただくようになっている事で、これに
より参加者や参加者の上長の方も、どんな学びが有ったかを知る
事が出来ますし、なにより講師としては数多くのフィードバック
から何が興味に合ったのか理解する事が出来ますので励みになる
だけでなく、次回への改善の拠り所になります。
今回の「デザイン/ビジュアル」の講義は、ウェブ制作側から言
うところの「アクセシビリティ」や「ユーザビリティ」、「ユー
ザーエクスペリエンス」などのロジックを超えて、純粋に人々の
興味を喚起する「デザインやビジュアルの力」を紹介しました。
そう言う意味では、一般的なウェブ関連のセミナーとは視点が違
い新鮮に捉えていただけたようで、フィードバックも大変好評で
した。

達成感と空腹を抱え夜遅く帰宅したところ、その日の日本経済新
聞の夕刊に、アートディレクターの佐藤可士和さんのコラムが有
り、とても興味を引きました。

「人間の意識は本来、他者との共通性を徹底的に求めるもので、
それを確保するために言語の論理や文化、伝統がある。」

「元々デザインとは社会的な行為であり、個性一辺倒では成り立
たない。」

なんというシンクロニシティ。
これらのコメントは私がセミナーで紹介したレイモンド・ロウィ
ーの話とも呼応するものでした。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html

共感されて初めて成り立つのがコミュニケーション。その意味で
言えば企業コミュニケーションにおけるデザインやビジュアルの
理解はまだまだだと思います。

企業広報担当者とデザイナー、クリエイター、カメラマンの仲立
ちをしたいと考え、このような活動をしています。
セミナーに関わらず、デザインやビジュアルのインパクトをもっ
と活用したいと考え、悩まれている企業の方はぜひお問い合わせ
下さい。徹底的に判りやすくお伝えできると思います。
(もしくは来期の「インターネット広報講座」にご参加下さい/笑)

2009年03月10日(火)更新

毎週セミナーが続きます

2月からほぼ毎週「インターネット広報」関連のセミナーが続いて
います。

先にお知らせした経済広報センターの宿泊研修に続き、もう4期目
を迎える宣伝会議主催の「インターネット広報講座」(10回シリ
ーズの半分の5回を担当させていただいています)、3月に入り、
先週は日本経営協会(関西本部)主催の2日間(12時間!)の総
合講座、今週は明日、宣伝会議九州主催で半日のセミナーを実施し
ます。(福岡にとんぼがえりになります)
この間、企業向けの出向セミナーも数回ありましたので、すでにセ
ミナーだけは昨年をかなり上回るペースとなっています。
都合、年間500名以上の企業広報担当者の方とお会いできるとい
うのは。それだけ現場の方々の意見を聞けるチャンスでもあるわけ
で、これがモチベーションになっているといっても過言ではありま
せん。
しかしネットはまだ商用活用が始まって15年にも満たないメディ
アです。
ましてや広報での活用となると、まだまだ会社案内の電子化やニュ
ースリリースのアーカイブ程度にしか使われていないのが現状では
ないでしょうか?

私たちは過去10年にわたり、企業のウェブ活用に関わってきまし
た。お客様が私たちに求めるものはアドバイスやプランニングに留
まらず、ウェブサイトやイントラネットの企画や開発、運営管理な
ど多岐にわたりますが、それらのお仕事のご縁をいただく契機は、
やはりセミナーがほとんどです。

当初はとにかくウェブを作ってくれ、という話がほとんどでしたが、
最近は課題の解決とともに具体的な費用対効果も問われるようにな
ってきました。それにあわせて弊社の業務もお客様の置かれている
状況にあわせ、いきなり大規模なリニューアルよりも、まず広報と
してきっちりと結果の出せるオンラインPR施策の提案に集中する
ように変化してきました。

いってみれば「オンラインメディアリレーション」、「CSR」、
「危機対応」、そして「社内コミュニケーション(イントラネット
)」などです。
このように手元の業務から広報のオンライン化を促進し、企業全体
のオンラインコミュニケーションを最適化する方法は、その浸透ま
でに時間が掛かるかもしれません。
しかし広告やキャンペーンモデル(マーケティング)と違い、継続
性を旨とする広報業務であれば、いきなり大上段に「戦略」と謳う
よりも、このようにねちねちとやっていくほうが(笑)担当者の意
識やモチベーションが持続し、結果としては発展的にその企業のオ
ンラインコミュニケーションを向上させていきやすい方法だといえ
るではないでしょうか。

2009年03月02日(月)更新

「広報会議」4月号に記事掲載されました

宣伝会議さんの危機管理・広報PR・IRの専門誌、「広報会議」4月号にて

「コスト削減とリニューアルを両立するには」

というタイトルで2ページ、記事を書かせていただいた。

kohokaigi4

昨今のような市況の厳しい時期に、ただ「予算を絞られた」と身動きできな
い状況でいるのではなく、どんな一歩を踏み出せばよいか?というような
ヒントにつながる内容となっている。

http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/index_0904.html


余り推奨しないが(笑)私のページはPDFで公開されているので読んでいただきたい

本当は以降のページの内容も良いのでぜひ書店で手にとって(できれば
購入して)欲しい。

2009年02月18日(水)更新

経済広報センター:企業広報フォーラム「インターネット時代の企業広報」

今週は月曜日、火曜日と一泊で日本経団連、経済広報センター
研修セミナーで御殿場にある経団連ゲストハウスに行ってきた。

参加企業数12社のこじんまりしたフォーラムであったが、ひと
つのテーブル(部屋)で顔が見える規模、というか、それぞれの
参加者が十分意見を言える人数だったので、一方的にならず、
とてもプロダクティブな研修になったのではないだろうか。

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2日間のうち、私自身の講義は2時間、あとは参加企業ごとの
ウェブ活用の状況紹介、課題の投げかけ、もう1社ゲスト企業
の活用事例報告、相互の質問タイムなど、食後の歓談タイムも
含め、わりと自由な時間が多く取れたので本音レベルの語らい
が沢山できたのが収穫だった。

実はこのゲストハウスは設立されて22年だそうだが、来月で
閉館されるそうだ。お食事などでお世話になった東京會舘の
方々のホスピタリティがいつも以上に熱く感じられたのも気の
せいではないのかもしれない。
(シャンパンに合うから、とデザートのイチゴをバーにお持ち
ください、と勧めてくれた。今までそんなことはさせなかった
そうだ)
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なくなるとわかればことさら惜しいが、入り口の吹き抜けに
かけてあった東山魁夷先生のタペストリーの行方が気になる
ところだ。(笑)

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充実した2日間ではあったが、とんぼ返りの旅程であったため、
温泉で足を伸ばす、という余裕がなかったのが少し残念だった。

来年またご縁をいただけるようであれば、ぜひ温泉つきをご一考
願いたい。よろしくおねがいします!

2009年02月08日(日)更新

日本を世界に売り込める人が誰もいない

1月の終わりにジャパンビジネスプレスに「さらばジャパンミッシング
世界に情報発信できない経済大国を憂う」という黒川清氏のコラム

読んだ。

黒川氏は政策研究大学院の大学教授でいらっしゃるほか、日本学術
会議会長や、総合科学技術会議議員、内閣特別顧問などを歴任され、
ダボス会議などにも参加されている方だ。

コラムを要約すると、

・ 日本は世界からは何を言っても反応のない国と思われ始めた
・ しかもこうした状態に多くの日本人自身が気づいていない
・ だから日本を世界に売り込む・発信する人がいない

ということだ。
先日のガラパゴスと呼応するが、企業(経営)広報:コーポレート・
コミュニケーションの観点から見ると、日本企業の取り組みは本当に
まだまだだ。

昨年IABCに参加したとき、アジア分科会に来たIABCのトップ
の方々のコメントが象徴的だった。

「日本から来たのはあなたね。ひとつ質問があるのだけれどGDP
バランスから見ると、なぜ日本だけ突出してこの会議に参加する人
が少ないの?」

すなわち黒川氏のコラムの通り日本の存在感が「ミッシング」なの
だ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/100/10010113.html

近々具体的にお話させていただくが、今年も6月に開催されるIA
BCのグローバルコンファレンス(サンフランシスコ)
に参加する
予定だ。
昨年参加レポートセミナーを実施したせいか、すでに複数社の企業
広報担当者の方から「今年は一緒に参加したい」というご連絡を
(私自身の登録より先に)いただいている。

昨年は日本からの参加者が2人だけだった(それ以前はほとんどい
なかったようだ)のでとても嬉しい。

こんな時代だからこそ、企業として海外にきちんと会社の事業や姿
勢を訴えて行く事が重要になると感じている。

今の企業のPRはメディアリレーションも殆ど国内が中心で、海外向
けには良くてリリースを打っておしまい。ウェブサイトも英語版会
社案内の域を出ていない。これでは会社の思い(存在)を伝える事
は難しいばかりか、ビジネスにつながる反応が得られないのも当然
だ。

広告だけではブランド形成が難しいと言われる現代、ネットをうま
く活用したPR(戦略的オンラインコミュニケーション)が重要にな
る。
IABCはその一歩に過ぎないが、ネット時代に通用する広報人材や組
織の育成を通じて世界に日本(企業)を売り込むお手伝いをしてい
きたい。

2009年02月01日(日)更新

不況期こそ広報は会社への貢献度が高くなる

去年から今年にかけて、昔の同僚や仲間数人から、早期退職パッケージを
受け取って退社、転職した、という通知を貰った。
人ごとではないが、やはり市況の影響を痛切に感じる。

昨日は20年来の友人、最初に働いていた会社のアメリカ本社のデザイン
センターのアドミンマネージャーをやっていた女性から、「リタイヤの
時が来たわ。今後はこちらのパーソナルアドレスに連絡ちょうだいね」
とメールが来た。

彼女とは僕が退社後も家族で何回もダラスに会いに行き、巨大なアンティ
ークモールめぐりをしたり、美味しいメキシカンレストランに連れてって
もらったり、深夜まで開いているショッピングセンター(ウォルマート
系列のハイパーマート)にいったり、ずいぶんとよくつきあってくれた。
彼女の孫(3歳)と家の娘(3歳)とが彼女の家のバックヤードで遊んで
いた姿はいまだに忘れらない。子供達はお互い言葉は判らないはずなのに、
会ったとたんに二人で遊びだしたからだ。奇しくも今は二人ともバレリー
ナを目指して頑張っている。

仕事、という訳ではないけれど、コンファレンスなどで、アメリカには
行くチャンスはあるが、しばらくダラスに戻っていないので、久しぶりに
行きたくなった。
ダラスの空港(ダラスフォートワース空港)はとても巨大で、利用する人
はほとんどがビジネスか、観光であればメキシコやジャマイカへの経由
地として立ち寄る人が殆どだ。
イミグレーションで「目的は?」と聞かれて「観光です」というと
決まって「ダラスに観光って、何を見に来たんだ?」といわれるのだが、
「古い友人に会いにきたんだ」というと「Welcome back, our friend」
といってはんこを押してくれる。南部のおおらかな人柄を感じる時だ。

私たちの共通のボスは昔よくこんなことを言っていました。
「Drive your own destiny」(自分で自分の運命を切り開け)
それは80年代からリストラやリセッションの荒波を超えてきたマネー
ジャーの実感なのかもしれない。

人任せにしていては変化に対応出来ないし、他者のせいにしても何も解決
しない。

奇しくも僕自身が彼女と一緒に働いていたデザインセンターを離れるきっ
かけになったのも事業部のリストラだった。
(ひとにいわれる前に自分から広報部に転部した訳だが)

先週と同じ様な話で恐縮だがもう一度言わせてほしい。
僕自身が会社がリストラをしなければ立ち行かない状況のさなかに広報
キャリアをスタートした、ということもあって言えるのだが、この時期
社内外を客観視できる(才能がある)広報は会社に貢献できるチャンス
が大きい。
そして自分から動く事で、近い将来に市況が好転したとき、今までのよ
うに
「広報は後門の守り。予算は出せないけど、よろしくやってて」的なポ
ジションから脱却できる。

当時から考えてみれば10年以上が経った。
しかしいままでにお会いした500人以上もの企業ウェブ担当者で
「プロのウェブマネージャー」の存在を感じた事はそんなに多くありま
せん。ただ、そう言う人はみんなカテゴリーキラーよろしく自分から外
に出て行った苦労人ばかりだ。(しかし本人は大概とても楽しんでいる)

冒頭のアメリカの友人のメールの文末にはヘレンケラーの言葉が添えて
あった。

「幸運の扉が一つ閉まったとしてもすぐにもう一つが開くものよ。ただ
私たちはいつまでも閉まった扉ばかり見ているから新たに開いたものに
気がつかないでいるのよ」

“When one door of happiness closes, another opens; but often we look so
long at the closed door that we do not see the one which has been opened
for us.”
Helen Keller

2009年01月20日(火)更新

広報部が「ガラパゴス」にならないために

少し前の日経ビジネスに「人材ガラパゴス」と言う特集があった。

要は、日本企業の経営や人材の国際化が遅遅と進まないことについて

「日本企業の経営陣や社員は、日本でしか通用しない考え方で世界を
見ていたのではないか。ガラパゴス化した思考から早く脱却しないと、
存在感を失うどころか存亡の危機に直面することになる。」

ということなのだ。

1月13日の日本経済新聞の社説にも同様の記述が見受けられた。

「日本の情報通信産業が壁に突き当たっている。ハードの技術力はあ
るのに、世界市場で存在感が薄くなった。携帯電話が典型だ。技術は
進化しているが、日本でしか利用されないものが多く、世界のニーズを
つかめない。
特殊な生態系を保つ南米沖の諸島になぞらえ、「ガラパゴス現象」と
呼ばれている。持てる技術を世界に広める努力が、国際競争力の再強
化には不可欠だ。
(もちろんiPhoneのアプリケーションは日本発のユニークなものが散見
し始めているようなので動きはないわけではない)

この件に鑑み、昔の会社の先輩がコメントを送ってくださったのでご紹
介したい。
=====================================================
●この「ガラパゴス現象」が妙に記憶に残っていて、つらつら考えて
みた。たしかに
 『日本でしか通用しない考え方』
 『日本でしか利用されない技術』
が、国民一人当たりGDPが1993年の世界第2位から2007年、
世界18位と後退した原因のひとつとも考えられる。
自分の30年に及ぶInternational Business の経験からみてこの
指摘は正しいと思う。

●しかし、実は日本企業の問題点は、この文章の中の 【日本】を
読み替えるところに、もっと深刻な問題がある。
【日本】を、【自社】と読み替えたとたんに慄然とする。
【ガラパゴスゾウガメ社員】がいかに多いか、という点である。

企業現場の実態には、【日本】どころか、【世の中】に通用しない考え
がまかり通っていて、いずれ【自社】は絶滅の時間待ち状態ということ
がいかに多いことか。

●「企業内ガラパゴスゾウガメ社員」には、四種類ある。
自分の業界しか知らない
自分の会社しか知らない
自分の部門しか知らない
自分の仕事しか知らない

(中略)

●こうした社員は、社歴20年以上、人員規模300人程度以上の場合
には、ほぼ例外なく数多く見られる。
これらのいずれもが、表向きは仕事熱心で、善意の熱心な社員に
見えるから始末に悪い。

●多くのケースでは、遮眼帯をかけた競走馬のごとく、一生懸命に走って
いる。
遮眼帯は英語ではblinkerというが、その使い方は
・have blinkers on
~が理解できない
・run in blinkers
周囲の状況が分からぬまま[気にせず]突き進む
だから、「ガラパゴスゾウガメ社員」はまさに「遮眼帯社員」でもある。

●こうした存在を、企業組織全体の目標のために、いかに有機的に
統制一体化させていくかがまさにマネジメントの仕事だろう。
でも、自分自身どうかをまず振り返ってみることが大事だ。
気がつかないうちに、そうなっている人はいずれ組織に不要どころか
邪魔になる。
この伊東情報を読んで、素直に自分を見直して
「俺にも当てはまると思うことがある」
「俺にも遮眼帯社員の要素がある」
と思う人は、まちがいなく、ガラパゴスから脱出できる。
「真性ガラパゴスゾウガメ社員」は、自分を自覚しないからこそ「ガラ
パゴスゾウガメ」であるわけで、そう人は、この伊東情報を他人事と
片付け、自社のあいつやこいつを思い浮かべるだけだろう。
さて、あなたはどうか・・・?

=====================================================
先輩のコメントは、私自身の仕事のテーマである「広報コミュニケーシ
ョン人材のプロフェッショナル化」ともつながり、とても共感するところが
大きい。

10年以上インターネットに関わってきて、正直、企業のネット活用など
の課題の本質はここに尽きると思うのだ。

「リニューアルしたいのだが、何を目的にすればよいのかわからない」
(十分情報提供できていると思っているが、自社の視点や都合ばかり
で他者が見て面白くも感動もないことに気づかない)

「イントラの機能はそろっているので、後は社員が使うだけ」
(仕事が忙しいからそんなもの見たり使ったりする暇などない)

こんな状況で「戦略策定」を外任せにしていては短期的には良い結果
が出るかも知れないが、放置するか管理しきれずに痛手をこうむるか
どちらかだ。

正直、昨今のように市況が悪いと「予算がカットされ、広報として新し
ことができなくなりました」と言われることが多いが、仕事がなくなって
次にきられるのは社員の番だ、という危機感を持って欲しい。
考えれば、こういう状況だからこそ(できるだけ制作外注コストなどに
お金をかけずに)広報として会社に貢献できることは多いのだ。

次代に活躍するプロの広報コミュニケーション人材とは?と考えると、
単に情報技術やコミュニケーションプロセスに詳しいだけでは片手落
ちだ。むしろこのガラパゴスの話を先に反芻して自分の立ち位置を考
えたほうが答えは早く見えるかもしれない。

この時期にこれからの広報コミュニケーションパーソンとしての資質を
磨くことができれば、強靭なキャリアモデルを築くことができるはずだ。

私の知見で役に立つことがあれば助言は惜しまない。ぜひ課題や意
見をぶつけて欲しい。

2009年01月14日(水)更新

企業コミュニケーションと2009年

年も明けて2週間が経ち、もうさすがに正月気分ではないが、企業広報に
とっても非常に大きな変化が現れる年になるのではないか、と実感して
いる。

明らかに昨年初頭とは違う動きを感じるのだ。いくつかの根拠を示そう。


1.「PRIR」→「広報会議」
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/

広報関連の雑誌や本は動きが鈍い、といわれたのはもう過去のことなのか、
宣伝会議の「PRIR」が好調なのはとてもうれしい。私自身もセミナーだけで
なく、何度かおせわになり、出稿させていただいた。

2008年の初頭、田上編集長の考えるキーワードは

 1、「内部統制」始動
 2、おわび会見の〝その後〟
 3、広報の力で「偽」から「信」へ

だった。

やはり社会問題化する企業不祥事が大きく、その対応から、どのように復活
するか、その中での企業広報の役割の大きさが際立った。


先日いただいた2009年のキーワードは

 1、社会が説明・対話求める
 2、広報を取り入れれば経営が変わる
 3、広報担当は組織の要

というものだ。

では「なぜ広報が要なのか?」というと、その活動の根本が「信頼を構築する
ための継続性」にあり、変化が速く対応にスピードと一貫性が要求される時代
だからだ。

誌名が「広報会議」に変わった背景にはこのような観点もあり、関わるわれわ
れがそれについてより活発に意見交換する必要があると考えるからだろう。


2.セミナーのオファーが多い

今までであれば春の定期セミナーのオファーがぼちぼち、というところだが、
今年は昨年末から企画段階も含め問い合わせがすごく増えている。
その内容も

「ひとコマ2時間で概要をわかりやすく話して欲しい」

というものから

「具体的に担当者の課題に踏み込んだ1日、ないしは2日のワークショップ込
みのものを実施したい」

というものに変化してきている。
加えて、東京以外の地域からの要請が増えている。

以前、セミナーの集客に見合う企画は東京から2~3年遅れるといわれたこと
があったが、数回のシリーズのセミナーを始めて2~3年経つことを考えれば
そのタイミングに来たのかもしれない。


3.予算償却から予算確保のための相談

詳しくは申し上げられないが、昨年のこの時期、いくつか同じような話をいただ
いたことがある。それは

「年度予算の余剰(千万単位)があるので、なにか面白いウェブの企画を提案
してくれないか?」

というものだ。

要件定義書も戦略性もない。

はっきり言ってバクチ以外何物でもないし、正直大きな売り上げになるので提
案を考えようとも思った。

しかし担当者、ひいてはその企業のことを考えてサービスするというポリシー
(高楊枝)から、期待される企画提案を見送った。

私たちは

「余剰予算の大半を使わずに流せ。その分来期予算は一時的に減るかもしれ
ないが、来期以降、戦略的に活用するための指針を一緒に考えたい」

というコンサルテーションの内容とプロセスの提示のみを差し上げた。

残念ながらお話は聞いていただけなかったが、同様にその後、その会社が
何か予算に見合うだけのことを実施できたのかも、外からは見えなかった。

今年は逆だ。

厳しい時勢から予定されていたウェブのリニューアルを見送る、あるいは考え
直す企業も出てくるだろう。そんな中、来期の広報コミュニケーション予算を
組み立てるために相談に乗って欲しい、という企業も少なくないのだ。

企業広報として当座のアウトプットは減るかもしれない。しかし2~3年のレ
ンジで見たとき、無駄な出費を抑えるだけでなく、明確な目標設定ができると
いうことはきちんと効果測定が行えるということにもつながる。

ひょっとすると広報が初めて自社のオンラインメディアをマネージすることが
できるようになるチャンスメークの年になるのではないか、と考える。
ピンと来るようであれば気軽にご相談をいただきたい。

もうひとつ、肌で感じる変化があるのだが、それは今年の自社の活動として
表していきたい。いくつかの方法で告知していくつもりだ。ぜひ参加していた
だき、少しでもみなさんと知見を共有していければと思う。

2009年01月05日(月)更新

はたして2009年はどんな年になるのか?

多くのマスメディアが未曾有の大不況、恐慌、と人々の不安を煽り立てて
いるなかで、元旦の日本経済新聞は静かに勇気を与えてくれるコラムを
トップに据えていた。

「サバイバビリティ」と名づけられたそのコラムは、額面どおりに取れば「生
き残るための能力」となり、それとて緊張感をかもし出しているのだが、実
際の内容はネガティブなニュースが多い中でも次代を見据えて動く企業を
数多く取材し、紹介しているものだ。

本文には「革新は混迷の世から生まれる」と書かれており「古い価値観が
崩れるときこそ、挑戦者のリスクや参入障壁が低くなる」とあった。
また、「世界を変える製品や技術がこの時代に生み出されるであろう」と
結んでいるが、わたしは今こそ、企業の組織のあり方や付随する企業コミ
ュニケーションのあり方そのものが大きく変化するタイミングと見ている。
逆に言えば、モノやツールばかりに重きを置くのではなく、人やその考え方
を見直すことが肝要だ、ということだ。

第2次石油ショック(1979年)以降、日本の家電メーカーやエレクトロニクス
メーカーは次々に画期的な製品を生み出した。
あおりを食った欧米社会では組織やマネジメントの考え方を見直し、抜本
的な改革(リエンジニアリング)を行った。私が外資系に勤めていたとき、最
初に目の当たりにしたリストラもこのときだった。
直後、バブル崩壊にあえぐ日本企業を尻目に多くの米国企業は立ち直り、
ネットの商用利用開示とともに多くの新しいネットベンチャーが生まれたのも
このときだ。(日本ではあまりオリジナリティの高いネットベンチャーが出なか
ったのが象徴的)

米国は組織の見直しとITの進化によるコミュニケーションの見直しを行って
きた。ネットの使い方を見ても、どんな新しい技術が生まれても、会社として
の考え方やコミュニケーションのアプローチに「芯」が感じられるのはこのた
めだ。

今度の危機は世界的なものかもしれないが、再生のヒントはそんな組織と
コミュニケーションのあり方を見直すところにあるのではないだろうか?

そういうメッセージを掲げて10年前にスタートした私の会社だが、当初は
「理屈は良いからかっこよいホームページを作ってくれ」という相談ばかり
だった。

昨年参加したIABCでは代表者から「なぜ日本企業はコミュニケーションに
興味を持たないのか?」とさえ言われた。現実には誤解が多いのだが、
(特にネットを活用した)企業コミュニケーションを実施して企業を元気にする
人材が少ないのは事実だ。

「タイミングだからとりあえず代理店か制作会社を呼んでウェブリニューアル
をやってみるか」

とお考えの企業コミュニケーション担当者の皆さん。

まず一緒に考えてみませんか?
今後の時代に必要なプロフェッショナルなコミュニケーション組織と人材を
育て、サポートする。そんな視点から今年も私たちは皆さんのお手伝いを
します。

2008年12月25日(木)更新

雨宮和弘の「企業コミュニケーション」支援メルマガ

あまりにも色んな事が同時にもんどりうって押し寄せる、それが師走。
ご多分に漏れず、ここのところほとんどブログのエントリーをアップ
できずに仕事納めの日を目前にむかえてしまった。

本来は1週間ほど前に出す予定だったお客様向けのメールマガジンを
ブログ公開配信させていただくこととした。

弊社ではこのようなメールマガジンから個別のキャンペーン(座談会
やアンケート、ショートコンサルサービスなど)のお誘いを差し上げ
ている。「今まで配信を受けていなかったがこれを機会に登録したい」
とご興味をいただいた方はウェブサイトの問い合わせフォームから申
し込みいただきたい。
┏┏┏■================================================================
┏┏■ << 雨宮和弘の「企業コミュニケーション」支援メルマガ>>
┏■ このメルマガはクロスメディア・コミュニケーションズが、今まで講演
■ やセミナー、お仕事を通じてご挨拶差し上げた方々にお届けしています
=================================== http://www.crossmedia.co.jp ======
■ 目次 ■
1. 雨宮和弘の「企業コミュニケーション」通信
2. 企業コミュニケーション関連トピック
3. セミナー、ワークショップ、コンサルテーションのおしらせ
4. 編集後記

■============================================================

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼△▼△▼
┃ 雨宮和弘の「企業コミュニケーション」通信
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…………‥‥‥‥・・・

 あっという間の年の瀬ですが、皆様にとってはどんな年だったでしょ
うか?今年も年初から企業不祥事や事故が相次ぎ、その対応に事後の明
暗が分かれた企業も少なくありませんでした。
弊社にとっても関わりのあるお客様がその渦中にあり、ウェブサイトの
危機対応など、タイムリーでオープンな情報開示がいかに重要か、改め
て思い知りました。
 セミナーやワークショップでも「危機管理」や「記者対応」が増えた
のも象徴的です。
 夏には積年の課題であったIABCへの参加も実現でき、知識だけで
なく人的なリレーションも大きく広がり、得るものが多くありました。
 
 また、ここ数年の傾向として社内コミュニケーションへの相談が増え
た事を受け、秋にはイントラネット活用に関するアンケートと座談会を
実施し、多くの企業から参加をいただき盛況でした。来年はこの流れを
受け、企業コミュニケーションに関わる様々なトピックで引き続きアン
ケートや座談会を実施していきたいと考えています。ぜひ来年もご協力
お願いいたします。

■============================================================
┼───────────────────────────┼
  ** 企業コミュニケーション関連トピック **
┼───────────────────────────┼

●「イントラネット」アンケートご協力ありがとうございました!
 ウェブサイトのリニューアルなどと違い、知見や他社の事例がなかな
かオープンにならないのが社内コミュニケーション、特にイントラネッ
トの活用について、です。そこで弊社ではお仕事やセミナーでおせわに
なった企業の方々にアンケートへの協力をご要請差し上げました。
 加えて「どうせなら実際に他社と一緒に意見交換できる場を作って欲
しい」と言うご要望をいただき、2回に分けて座談会を実施しました。
単に盛会であるに留まらず、事後の懇親会まで実施していただき各企業
間の交流にもつながりました。

 レポートは参加者の方にお送りし、座談会出席者には追加訪問の形で
傾向値や背景などのご説明にあがっています。概要については来年初に
あらためてご紹介しますが、現状多くの企業が抱える課題を浮き彫りに
するものでした。
今後も同様の企画を続けていきます。ご要望があればぜひお気軽にお寄
せください。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/105/10011607.html

●宣伝会議「編集会議」で連載が始まります
 12月26日売りの雑誌「編集会議」(2月号)にて新連載「企業の
ホームページ通信簿」という企画がスタートします。
 編集会議の編集者の方に加え、オンライン女性メディアの副編集長の
方と一緒に新鮮な視点で企業ウェブサイトのレビューを行っていきます。
初月号の今月のテーマは「欲しい情報をすぐに見つけられるサイトの作
り方」編(前編)です。
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/henshukaigi/

● 「グランズウェル(大きなうねり)」
 「インターネットって今どうなっているの?」「企業にとってどんな
影響があるの?」 「どんな心構えが必要でどう関わっていけばよいの
?」これらの疑問に、今、一番クリアに応えてくれる書籍だと思います。
2年前に米国のコンファレンスでお会いしたときから、著者のシャーリ
ンリーさんはこれらの変化を予見し、提唱されていました。この夏のI
ABCの時の一番の話題でしたが、やっと日本語で読めるようになりま
した。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10012072.html

■============================================================
┼───────────────────────────┼
セミナー、ワークショップ、コンサルテーションのおしらせ
┼───────────────────────────┼

 今年は例年になくセミナーの予約が早まっています。来年はすでに1
3本25コマが決定しました。「まずウェブサイトを作る前にポイント
を明確にしたい」と考える企業が増えてきているのだと思います。

まだ詳細が開示できないものもあります。ご興味があればぜひ個別にお
問い合わせください。

●宣伝会議「インターネット広報講座」(2月4日開講)
http://www.sendenkaigi.com/kyoiku/net-pr/
 今回も10回シリーズのうち、5回を担当させていただきます。いつ
も満席で厳しい質疑を受けます。懇親会もしっかりやってくださるので
参加者同士の交流や情報交換も盛んです。

●その他のセミナー予定
◇2月 経済広報センター(インターネット広報)(2日間)
◇3月 日本経営協会関西支部(変動期の企業広報実務コース~企業
    ウェブサイト活用による変動期の企業広報を考える・大阪2日間)
◇5月 中小企業大学関西校(新任管理者のためのコミュニケーション講座)
   (姫路1日)

●企業個別ワークショップも実施できます!
 「私が受講したあのセミナーを元に、同僚と一緒に考えるセッション
を持ちたい」と言うご要望を受けます。各企業でお持ちの課題にあわせ
てファシリテーション可能です。ぜひご相談ください

●ショートコンサルテーションが人気です。
 「どこから手をつけてよいかわからない」と言うご担当者の声を良く
耳にします。プロジェクトとして相談する前に「まずは課題の認識とや
るべきことを明確にしたい」と言う声に応えます。
 課題のすりあわせを元に2時間10万円(消費税別)からワンショッ
トでのご契約も可能です。最近のプロジェクトはこのようなきっかけか
らスタートする場合が少なくありません。
「漠然と考えていたことを整理することができ、実施に向けたスコープ
が明確になった」というお言葉をいただいています。お気軽にお問い合
わせください。


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            ** 編集後記 **
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●混迷の世だからこそ、まずは健康

 先日たまたまつけたテレビで聖路加国際病院の日野原理事長先生(97
歳)を紹介していました。「過労死する人より働いている」とうそぶく
先生は、しかし現実に睡眠時間が四時間半。実務のみならず講演や執筆
に飛び回り、現役バリバリで働き続けて4年先まで講演依頼が来ている
そうです。
 その健康(というかバイタリティ)の秘訣は、摂取カロリーの制限で
1日1300キロカロリー以下に制限している事と紹介していました。
たとえば朝はジュースにオリーブオイルをスプーン一杯入れて飲み、昼
はクッキーと牛乳、夜は一菜一汁しっかり、といった具合です。もちろ
ん学会や式典でお付き合いのある時はしっかり食べるのですが、翌日か
ら3日くらいで調整するそうです。
 摂取カロリーを制限すると、ガン抑制や老化促進遺伝子を抑制し寿命
を長くするといわれる「サーチュイン」という遺伝子が活性化されるそ
うです。
 ただ、そういう理屈で割り切ることだけではなく、エピソードとして
ですが式典で花束を持ってきた女性にしっかりハグしてみたりと、そう
いう色気を失わないところも細胞活性化に良い影響を与えているのでし
ょう、と番組は結んでいました。

長寿遺伝子を鍛える―カロリーリストリクションのすすめ

 大先輩を見習って来年も頑張って乗り切りましょう。

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     =今日も最後まで読んで戴き感謝しております=
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配信先変更および配信停止はこのメールに返信してください。
大変失礼いたしました。
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【発行元・発行主】
クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役 雨宮和弘
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企業ウェブマネージャー業務一切を代行します!
課題抽出から調査評価、戦略策定、制作等のプロジェクト管理、
組織調整、専門担当者人材育成から担当部門の立ち上げまで
サポートいたします。
「成功するサイトニューアル・イントラ導入の方法とは?」
制作会社を呼ぶ前に、継続発展できるご支援をいたします。
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クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4-3-6B1
Tel: 03-6418-0336 Fax: 03-6418-0337
URL: http://www.crossmedia.co.jp/
Blog: http://crossmedia.keikai.topblog.jp/
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会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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